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食事介助も水分摂取の介助も対応の工夫も
根本的に、暗黙の前提となっている私たちの認識の見直しが必要だと考えています。
認知症のある方の問題は
認知症という病気「だけ」のせいでは決してありません。
食べ方の問題は
対象者の能力低下、咽頭期の低下「だけ」のせいでは決してありません。
切り離して、疾患や障害「だけ」に問題設定をするのは
ICIDHに囚われている証です。
ICFで考えれば、疾患や障害があって尚且つ
能力を生かして暮らしていく術を見出し、協働によって実現することができる
相互作用の中にいるのは
対象者だけではなくて、私たち対人援助職も同じなんです。
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いやーご無沙汰しました。
1週間ぶりですね。
ちょっと色々と急を要することが立て続けにありまして (^^;
今、職場でトロミは最小限にしようと取り組んでいます。
本当にガッツリ、トロミをつけられると
マズいし、喉の奥にへばりついて気持ち悪いし
「ゴクゴク飲みたい」っておしゃられる方の気持ちもわかります。
「ムセたら困る」「ムセないように」という気持ちから
不必要にトロミをつけられたり
トロミの粘性をあげられたりしていることもあるんじゃないでしょうか?
それは、善意からの行動ではありますが
プロとしては根拠なしの行動によって
対象者に不利益をきたしてしまっている恐れもあり得ます。
必要最小限のトロミにする
と、必然的にスプーンではなく、コップから介助で水分摂取してもらう
という場面が出てきます。
ところが、コップからの水分摂取の介助方法については
これまた、スプーン操作と同様に、
どこに気をつけるか、どのようにコップを扱うか
ということについては明確に言葉にして教えてもらっていない方が
圧倒的に多い現状があります。
起こっているのは
「同じことが違うカタチ」で現れています。
飲ませているけれど、飲む介助になっていない。
食べさせていても、食べる介助になっていない。
目の前にいる方の、飲みにくさ・食べにくさは
決して、その方だけの病状進行などの原因ではありません。
次の記事で
具体的な操作方法について記載していきます。
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人間の身体は
解剖学的にも生理学的にも連続しています。
食べるということは
摂食・嚥下5相の一連の流れの中にあり
相互に影響しあっています。
つながっているから
決して
咽頭期だけの問題などではありません。
VFやVEで咽頭期の機能が目に見えるようになったことは
良いことではありますが
それが全てではありません。
咽頭期は口腔期の影響を受けますし
口腔期は準備期の影響を受けています。
だからこそ
準備期(=スプーン操作)を変えることに意味があります。
シュレディンガーは言いました。
「大切なことは誰もが見ていることの中に
誰も考えたことがないことを考えること」
私は意図していたわけではありませんが
結果として誰もが見ていることの中に
誰も考えたことがないことを考えていました。
それは私の頭の中だけで生じたわけではなくて
目の前にいる方の食べ方をありのままに観察したことによって生じたものなのです。
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文字通り
食事介助は食べようとする方と介助する人との相互関係の中に成り立ちます。
たとえ
意識しようとしまいと
特に
準備期は食べようとする方に
介助する人のスプーン操作が直接影響します。
どんなに
重度の認知症のある方だとしても
適切なスプーン操作には適切に反応し正の学習が生じ
不適切なスプーン操作にも適切に反応し誤学習が生じます。
クリスティーン・ブライデン氏の
「異常な環境には異常な反応が正常だ」
というわけです。
本当に根深い誤解として
認知症のある方の食べ方を100%認知症のある方のせいにしてしまう
とりわけ咽頭期の問題に集約してしまう傾向がありますが
それは、ICIDHにまだまだ囚われていて脱却・卒業できていない
ということを意味していると感じています。
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食事介助に関する相談で
「『自分が』うまく食べさせられない」という視点はあるけど
「対象者の食べ方が心配」という視点が少ないなーと感じています。
実は
非常に重要な視点の相違です。
たぶん、日本全国あるあるなのが
食べ方を観察せずに介助してしまう
その介助の過程において対象者の食べ方を観察していない
ムセの有無は気にするけど
というものです。
だから
相談の文言が
「口を開けて『くれない』」
「なかなか飲み込んで『くれない』」となっているのだと思います。
「口を開けようとしない」
「飲み込もうとしない」
ではなくて。
言葉は意思を表す
声は感情を表す
常々そう感じていますが
本当にそうだなー。。。
でも
『くれない』という言葉を使っているということは
前提として、介助者の介助に適応して『くれる』ものだと思っている
ということを意味してもいるということでもあります。
認識としては真逆ではありますが
(私たちが対象者の食べ方に合わせるのが本来の姿だと考えています)
根本的には、どこかで相互関係として把握しているということでもある。。。?
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認知症のある方は
作品作りでもゲームでも
ADLではない、何らかの余暇活動をする時には
「やり方を聞いて・理解して・覚えて・その通りに実行する」という
近時記憶が低下している方には至難の技を要求されます。
毎回毎回、異なる余暇活動に参加して
「楽しい」と感じることができるのは
「プラスの刺激」として楽しめるのは
かなり余力のある方だと思います。
やり方を聞いても理解できない
聞いたはずのやり方を覚えられない
実行しようとしても違うことはわかるけど、ちゃんとはできない
このような状態であれば
楽しいどころか、辛いだけです。
マンネリであったとしても
同じ活動を繰り返すことのメリットは
認知症のある方に再認を促しやすい
ということです。
そして
私たち援助者の側にしてみれば
同じ活動を繰り返すことで
認知症のある方の変化がわかりやすい
小さな変化も見逃さずに捉えやすい
ということもあります。
やたら怒りっぽい、多動になる
というような言動が見られた時に
実は発熱などの前兆だったということも多々あります。
マンネリは良くない
というのは、単なる私たちの思い込みです。
マンネリという状態には
プラスもマイナスもなく、ただ事実があるだけ
その事実をプラスの方向性に活かせるかどうか
それは、私たち次第なのだと考えています。
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神奈川県作業療法士会の会員のみなさまへ
ただいま、神奈川県作業療法士会 制度対策部災害対策班で
安否確認シミュレーションを実施中です。
もう入力はお住みでしょうか?
まだの方はぜひ、こちらから入力へのご協力をお願いいたします。
https://kana-ot.jp/post/1763
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立って食事介助してはいけない理由
1)上唇での食塊取り込みを阻害してしまう
上の歯でこそげ落としたり、スプーンを斜め上に引き上げてしまいやすいから
2)喉頭挙上の動きを目で見て確認しにくい
喉頭の不完全挙上や複数回挙上を見落とす恐れがある
生命に直結するリスクのある介助となってしまいます。
食事介助をする時に
上の歯でこそげ落としたり、
スプーンを引き抜く時に斜め上に引き上げていたら
立って食事介助をしようが、座って食事介助をしようが
どちらでも危険な介助であることに変わりはありません。
「食事中にムセたから食事は中止」するよりも
(これだっておかしなことですが)
上記のような危険な介助をしている場合には
結果としてムセているので
まずは、きちんとしたスプーン操作ができるようにすることが先です。
手段の目的化に陥ったり
表面的に言動を規制することしかできないと
実際には対象者の方に対して不適切な介助をしているのに
表面は良いと言われた言動をしているので
かえって介助の自己確認・自己修正が効きにくいという
大きなデメリットがあります。
ハウツー思考の弊害
「〇〇という時には△△する」
「□□の時には✖️✖️してはいけない」
というだけの対応では
たまたま「当たる」ことはあっても
普遍・本質的な在り方ではなく
自己修正を阻害することもあるので
良くないどころか、かえって悪い、逆効果になることすら起こり得ます。
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