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2013年が始まり、最初の1ヶ月がそろそろ経とうとしています。 今年もナオミ・フェイルさんが5月に来日してバリデーションセミナーが開催されます。 詳細はこちらをご参照ください。 公認日本バリデーション協会http://w …
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認知症があってもなくても
生活期にある方の場合に
立ち上がりが困難な方は少なくありません。
立ち上がれない
自分で膝を伸ばせない
という「見た目」から
見ただけで「筋力低下」「足の力がない」という判断をされがちです。
ところが実際には
「膝を伸ばそうとしても伸ばせない」
という方が大勢いらっしゃいます。
そのような方の場合に
実際に立ち上がりの場面で確認してみると
股関節が屈曲してしまい、重心が後方へ変位してしまっているので、膝を伸ばしようがない
ということが多々あります。
そして大抵の場合
対象者の方は立ち上がろうとして力を入れています。
逆方向に。
力がないわけじゃない。
力の発揮の仕方が不合理になってしまっています。
端座位を確認してみると
骨盤と下部体幹が分離した動きができない
というケースが圧倒的に多くみられています。
端座位になってもらうと
姿勢保持できずにコロンと後方にひっくり返ってしまう
というのは、
座ろうとする意思がないためではなくて
座る筋力がないためでもなくて
骨盤の可動性が限定されているために起こ流ことが非常に多い。
まず
動ける骨盤にしなければ
骨盤の動きを引き出さなければ
骨盤の動きを活用した動作の再学習を促さなければ
漫然と徒手で「大腿四頭筋の筋力増強」などと語るよりも
今すぐにでも行うべきプログラムだと考えています。
骨盤の可動性が増すだけで
膝も腰も伸展できるようになり
立ち上がりや移乗動作の自立度が増します。
動作の再学習・再習得には
誤学習に費やしたなりの時間がかかりますが
介助量軽減は即効性があります。
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生活期にある方の場合に
ポジショニングを適切に行い
リラクゼーションを実施して
それからP-ROM-Ex.をするように心がけています。
意外に知られていないようですが
可動域制限がある方に対して表面的にP-ROM-Ex.をするだけだと
逆効果になってしまう場合が多々あります。
急性期と異なり、生活期にある方は
どのような障害があったとしても
必ず持っている能力を使って暮らしています。
問題は
身体の適切な使い方を指導される機会が少なく
暮らしの必要性に迫られて
「する」「できる」ことを
必死になって実行しようとして
過剰代償に陥っていることも多く
その結果、能力が不合理に発揮されてしまっている場合が少なくありません。
障害と能力のプロであるリハスタッフは
養成過程から
見た目のできないことと、能力の過剰代償によるできなさとの
区別をつけられるような観察と洞察が可能になる
一番近道にいる職種だと考えています。
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私は今精神科の認知症治療病棟で勤務していますが
必要であれば、身体面のリハも行います。
骨折手術後の方
CVA後遺症のある方
エピソードはないけど移乗動作などに困難のある方。。。
とりわけ、ものすごく多いのが
移乗時に腰が引けて膝が伸びず重心が後方に落ちてしまう方
(後日改めて記載しますが)
重度の認知症のある方でも
移乗動作は楽になる方が大勢いらっしゃいます。
でも
筋力強化やROM-ex.は基本していません。
(橈骨神経麻痺の方など必要な方にはしますけれど)
入院期間との兼ね合いはありますが
ゆっくりできる方には、じっくりと積み重ねていきますし
できるだけ早期にもといた施設に戻られる方やご家庭に戻られる方には
評価と対応の工夫の明確化を中心に行なっていきます。
つまり、つなげるリハを意識しています。
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目の前の対象者に
適切なスプーン操作ができるためには
スプーン操作の基本が習得できている必要があります。
なぜか
ここをすっ飛ばしてしまう人がいるんですよねぇ。。。
「寄り添った食事ケアを」と言いながらも。。。
摂食・嚥下5相を理解した上で
・食塊認識を確認できる
・スプーンをまっすぐ正面に差し出すことができる
・スプーンを奥に入れすぎずに下唇or前舌を操作できる
・上唇を丸めて取り込むことを促すように操作できる
・スプーンは斜め上に引き上げずに水平に引き抜くことができる
・一口量を調整できる
できるということは
意味の理解もできているから
行動として常に実行できるということ
摂食・嚥下5相という言葉を聞いたことがある、知っている
という人は多いと思いますが
自身のスプーン操作を摂食・嚥下5相と結びつけて
なぜそうしてはいけないのか、なぜそうする必要性があるのかを
理解している人は、残念ながらそう多くはありません。
自身のスプーン操作を摂食・嚥下5相と結びつけた理解ができていないから
目の前の対象者の食べ方を摂食・嚥下5相と結びつけた観察ができないのです。
自身のスプーン操作と他者のスプーン操作の違いすら認識できないのです。
スプーン操作の違いがどれだけ対象者の食べ方に影響を与えるのか想像もできないのです。
逆に言えば
そこを学べば変われるということです。
自身のスプーン操作を
摂食・嚥下5相と結びつけた理解の上で修正習得できるようになれば
対象者が必死になって食べようとしていることを身に染みてわかるようになります。
「ちゃんと食べてよ」
という言葉の残酷さを痛切に感じるようになるでしょう。
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「認知症のある方も食べられるようになるスプーンテクニック」
という本には基本的なスプーン操作とその意味が具体的に記載してあります。
ここまで実践的に基本操作とその意味が記載されている本は他にありません。
摂食・嚥下5相と結びつけたスプーン操作の基本を習得することは
対象者の食べ方の評価の入り口に立てることを意味します。
基本は大切
高い志を掲げるのなら、なおのこと
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適切なスプーン操作ができないと
対象者の方の準備期を阻害してしまいます。
準備期の過剰適応・誤学習が
口腔期を混乱させ
咽頭期を低下させてしまいます。
逆に言えば
適切なスプーン操作ができれば
対象者の方の本当の食べるチカラを現前させることができます。
ここからが本番
対象者の方の食べ方をよく観察すれば
食べることの困難と能力を洞察できるようになります。
(ただし、知識があればの話です)
食べることの困難と能力を洞察できるようになれば
どうしたら食べやすくなるのか
どうしたら今の状態でも食べられるようになるのか
長期的な見通しとともに今すぐにできることが自然と浮かび上がってきます。
だから
具体的にどうしたらいいのかがわかる
最初に
「〇〇という状態の方には、△△したら良い」があるわけではありません。
適切なスプーン操作ができることが
評価の入り口に立てるということなのです。
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人の身体は
解剖学的にも生理的にも連続性があります。
嚥下5相は
それぞれの相が前後の相と関連しあっています。
あまり知られていないようですが
「飲み込みが悪い=咽頭期の問題」とは限りません。
準備期の不合理な能力発揮
つまり不適切なスプーン操作に代償的に適応した結果
口腔期の能力低下を来し
ひいては咽頭期の能力低下を来してしまう
ということは実は珍しいことではありません。
(続く)
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食事介助において
スプーン操作って想像以上に重要です。
ちょっとしたスプーン操作の違いで
食べやすくもなり
食べにくくもなります。
対象者の食べようとする働きを
促しもするし
阻害してしまうことすらあり得ます。
なぜなら
介助者のスプーン操作とは
対象者にとっては
嚥下5相準備期の協働を意味するからです。
(続く)
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![「認知症本人と家族介護者の語り」ディペックス・ジャパン](https://kana-ot.jp/wp5/wp-content/uploads/2013/08/H250804_01-300x225.jpg)
頸部後屈は誤嚥しやすい肢位だ
という知識があっても
実際の食事場面で
「あ、頸部後屈してる」と気がついても
どうしたら良いのかわからない、教えてもらっていない
という人はすごく多いのではないでしょうか。
お年寄りや認知症のある方、脳卒中後遺症で生活期にある方に
「首を起こしてね」と言ったり
枕を当てたりしても
後屈位が解消されず
「マズいことだ」と感じながらも
その現実を改善するためにどうしたら良いのかわからないと
とても怖いですよね。
そのような時には
頸部を前屈させようとしてはいけません。
頭部の重さを支えてあげてください。
介助者の手掌で支えながらの介助は疲れてしまうし
どうしても前屈させてしまうような力が入ってしまうので
手掌で支えるのではなく
介助者の前腕で対象者の頭部を支えてあげてください。
そうすると
対象者の後屈方向への力が抜けてきて
頸部中間位になってきます。
頸部後屈位で拘縮してしまったように感じる方でも
動きを感じられるケースがかなり多く見られます。
詳細は
「介護人材」という雑誌の特集「介護施設の『食』を考える」で
イラスト入りで記載してありますのでご参照ください。
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