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目標とは何か

それでは、
前の記事で出した問題の正解をお伝えいたします!

問題はこちらでしたね。
1)整形外科受診を勧める          
2)痛みの有無の確認と痛みの改善を図る   
3)バランスの強化             
4)立位での姿勢反応の強化         
5)全身の筋力強化 

この中に「目標」がいくつあるか?
正解は「ゼロ」です!

なぜなら、目標というのは対象者の目標です。
上記1)〜5)のすべての主語は対象者ではなく治療者が主語となっています。
つまり、目標ではなく治療者が為すべきこと
治療内容や治療方針を目標として設定しているのです。
このような概念の混同は現場あるあるで
分野を問わず今でも起こっていることです。

10年以上前から目標に関する改善提案をしてきましたが
いまだに、方針や治療内容を目標として
しかも、短期目標として設定している人もいます。
「現状維持」や「移動能力の維持」を目標として設定している人もいます。
それでどうやって目標達成の可否を判断できるのでしょうか?
PDCAを回せるのでしょうか?
  
目標とは何か
きちんと教わっていないから
目標と目標でないものの区別がつかないのです。

じゃあ、いったい目標とは何か

その人にとって
必要で達成可能な行動のことです。

目標の定義にはいろいろなものがありますが
私たちは臨床家であって研究者ではありませんから
臨床に役立つ目標の定義が必要だと考えます。

かつて
実習生を受け持っていた時には
目標の定義から教えていました。
必要、達成可能、行動
という3つの言葉を繰り返し尋ねることで覚えてもらいました。

次に
良い目標、明確な目標として
行動、条件、基準
という3つの言葉を覚えてもらいました。

ぜひ、_神奈川県作業療法士会のこちらの記事_をご参照ください。

本質は決して古びることがありません。
とても良い記事なのに、ずいぶん前の記事なので埋もれてしまって、
そうと知る人でないと検索できないことを
とてももったいないと感じています。
そんなわけでことあるごとにPRしています(^^)

 

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古くて新しい目標設定の問題

イメージ_お堀

私が学生だった頃は
リハスタッフを生めよ増やせよの時代でした。
1学年20名で3年制の養成校で
学科の教員は2名のみ。授業の多くは外来講師が担当していましたが
当時の各分野の第一人者に教わることができました。

しかしながら、今にして思えば
どの分野でも目標設定に関して
目標とは何かと明確に教わることはなく
実習前にプリントで仮想ケースを提示され目標を立てるように言われました。

それでも、当時から
長期目標を達成するための短期目標で
短期目標は具体的であること、達成可否の判断可能なもの
ということを指導されたことは覚えています。

ただ、説明されてあぁそうかと思うことはあっても
いざ、実践で個々のケースに即して
どのように目標設定を考えたら良いのか
という指導はなされず
実習においても、私が設定した目標に指導が入ることはあっても
じゃあ、基本的にどのように考えたらいいのか
自分自身で目標を設定しようとした時に
参照できるような考え方について
指導を受けたことはありませんでした。
今にして思えば。

私が目標設定の指導方法にこそ、問題があるのだ
じゃあ、指導の方法を改善すれば良いのだ
と気がつくことができるようになったのは
臨床を積んで模索に模索を重ねて
教育関係の図書を読みあさってからのことです。

私は2014年から目標設定についての講演をはじめましたが
その後県内の複数の養成校から
私の提案をもとにした目標設定の授業をしていると聞き
とても嬉しく思ったものです。

昨年の神奈川県臨床作業療法大会で目標設定の講演をした時に
現場あるあるの目標でないものを尋ねたところ
以前に比べて正解率がとても上がってきていて、感無量な思いがしました。

目標の概念をきちんと理解している若手OTが増えてきて
後輩や学生の指導に役立ててもらえたら
こんなに嬉しいことはありません。

安易にハウツーものに飛びついたり
PDCAを回すことのない漫然としたリハの提供に対して
(漫然としたリハはROM Ex.や筋力強化に限りません。
 漫然とした立ち上がりやActivityだって為されています。)
自己修正し具体的に現実的に改善していくことが可能となります。

適切な目標設定ができるようになることの効果は本当に大きいのです。
地道な学習かもしれませんが
回り回って、目の前に起こった事象を的確に観察することが叶うようになります。
本当の意味で対象者のために有意義な試行錯誤が行えるようになります。

それでは本題に入りましょう。

次の中に「目標」がいくつありますか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1)整形外科受診を勧める          
2)痛みの有無の確認と痛みの改善を図る   
3)バランスの強化             
4)立位での姿勢反応の強化         
5)全身の筋力強化   
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

正解は次の記事で!

 

 

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リハ計画書「目標設定」の問題

短期目標「現状維持」長期目標「現状維持」

実際に私が見聞きした、リハ計画書の目標です。
嘘みたいなホントの話です。

これでは、「目標とは何か、がわかっていない」と自分で言っているも同然です。

今や、ご家族やご本人が同業者。ということも増えてきています。
同業者でなくても医療・保健・福祉に従事している方や
一般企業であっても、大企業に勤務されている方は目標管理を徹底されています。
むしろ、企業の方が目標管理には厳しいかもしれません。
  
本来であれば、対象が「人」という、「あぁすればこうなる」が通用しない
私たちの分野こそ、目標設定・目標達成の確認・対応の検討が必要だと思うのですが
目標はとりあえず書かれていればあまり検討されずに
治療方法について検討するパターンが多いように感じています。

日々の多忙さに追われ
目の前の切実さに追われて
目標については後回しにされてしまう。とか
目標設定の意義の重要性が実はあまり認識されていない。とか
あるんじゃないかな?
違うかな?
だから、いざ実習生や新人に目標を指導するときに
ちゃんと教えられない、言語化して説明できない場面に遭遇しても
その時に、実際に「臨床に役立つ目標設定の考え方」を探しても見当たらないから
諦めてしまう。。。ということはありませんか?
対象者に「やりたいこと」を尋ねても
「そんなものはない」
「暮らしに精一杯でそんなこと考えたこともない」
と言われてしまって、何と言っていいかわからず困ってしまった。
そんな経験をしている人は本当はすごく多いはずなんです。

ご家族がリハ計画書を読んでも
何もおっしゃらないかもしれないけれど
ご自身がきちんと目標設定をしている方なら
「目標設定ができているか、できていないか」がわかってしまいます。
言わないだけで。
私自身、ご家族に
「よく読み直してみたんですけど〇〇について確認させてください」と言われて
事前情報の病歴が違っていたことが判明したり
リスク管理について病状確認した時にリハ計画書をもとに説明した時に
「あぁ書いてありましたね」
と言われたことが複数回あります。
ご家族はきちんとリハ計画書を読んでくださっている
リハ計画書が信頼関係構築のとっかかりにもなるのだと感じています。

目標を目標というカタチで設定することさえ、できるようになれば
PDCAを回すことができるようになるから
的確に評価することができるようになり
自身で不足している情報を明確化できるようになり
何をどうしたら良いのかを明確化することができるようになります。
有効な試行錯誤ができるようになるのです。

おそらく、リハの、OTの分野で
目標設定に関して、カタチが重要、記述の仕方こそが重要
と言明したのは、私が一番最初だと思います。
目標設定について私が講演し始めたのが2014年からですから
もう10年以上前から公の場で提案してきています。

教育工学の第一人者である、沼野一男が著書の中で
「目標は記述の仕方が問われるべき」と記述したのが1986年ですから
教育分野で40年以上前から提唱されていることを
リハの分野ではまだ常識化できていないという現実があるのです。

これから目標設定について記事を書いていきますが
今すぐにでも知りたい、困っている方は_こちら_をご参照ください。

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必要なのは過程における自己承認

イメージ_木立の陽射し

学ぶということは変わるということ
変わり方は人それぞれ、その時それぞれであっても

一人前のセラピストとは
過程において自己承認ができて
結果において目標達成できる

ことだと考えています。

だから極論すると
臨床経験1年目から一人前のセラピストになることも可能だし
臨床経験30年の人でも一人前のセラピストとは言えない人だっていると思います。

多くの場合に
私たちは過程において自己承認ができるようには教わっていないから
一時的に他者承認が必要な時期もあると思う。
でもそれは将来、自己承認ができるようになるための前段階として。

いつまで経っても自身の考え方や実践に
「見通しが持てないなかでやってる」
「これで本当に良いのか不安」
と言ってるようではプロとは言えないと思う。
それってカタチを変えれば
予算立案の際に
「このくらいの予算でいいんじゃないかと思うんだけど自信がない」
って言ってるのと同じだからです。

予算立案と目標設定の類似性については
_前の記事「見通しが立たないからこそ目標を設定する」_に記載しました。

漠然と根拠もなしに「このくらいかな?」では自信がなくて当たり前です。
自信がないのは、「予算の確かさ」ではなくて
「予算の根拠」なので、ある意味自信がなくて当たり前です。
テキトーな根拠に自信を持たれたら困ります。
一つ一つの事柄をきちんと調べて確認してから
必要経費を計上していれば
「このような活動をこれだけの人数で行えばこのくらいの予算が必要」
と明確に言えるものです。

自分の実践に見通しが持てなかったり、不安ばかり募るというのは
結果的に生じている
ことで
本来、フォーカスすべきは、状態像の把握ができていないということなんです。
  やるべきことをやっていないのですから、不安で当然です。
  やるべきことをやっていないのに自信を持てる人は傲慢であり
  そのようなあり方は科学的態度から最も遠い在り方です。
  不安や困難を自覚している人はまだ成長の可能性があります。
  自身の不安や困難を否認して自身が困らないことを優先する人は

  どうしようもありません。
つまり、論点のすり替えが起こっていることに無自覚なことが問題なんです。
だから、自己修正ができない。
問題設定の問題なのです。

予算を立案するために、一つ一つの事柄をきちんと調べて確認するのと同様に
対象者の状態像を把握するために、障害と能力を一つ一つ明確化していけば良いだけなのです。

ところが、
障害と能力の明確化という過程を
案外、ちゃんと教わってこなかった、学んでいなかった
 ということに
ここにきて初めて気がつく人もいるでしょう。
いくら、すべきと教わった検査をしても
それだけでは状態像の把握に結びつかないことに直面する
からです。
愕然とすると思います。
じゃあ、どうしたら良いのか?

障害に関する基礎知識を学び直し
今、できていないことがどんな風に困難なのか
今、できていることがどんな風にできているのかを
よく観察することです。
  状態像の把握ができていない人は十中八九、観察ができていません。
  できていると思っている人でも実はポイントほど見逃しているものです。
今は良いデバイスがありますから、
対象者と職場の許可を得て録画しましょう。
そして何回も繰り返し見直すのです。

本当は、ここでちゃんと教えてくれる人がいると良いのですが。。。
 この行為は、こういう能力があるからできる
 一方で、こういう障害を代償している側面もある
 この発言は、こういう能力があるからこそ出てくる
 一方で、こういった障害の恐れもある
などとちゃんと解説してくれる人がいると一番良いのですが
近くにいなければ、覚悟を決めて自分でやるしかありません。
「読書百遍義自ずから通ず」は、本当です。
繰り返し録画を見て観察しましょう。

最初は
「何を」「どこまで」観察するのか皆目見当もつかないかもしれません。
自分が何に困っているのかわからないから
観察のポイントもわからないのです。
そんな時に助けになるのが目標設定です。
目標を目標というカタチで設定できるまで観察します。
その過程において確認すべきポイント、
今まで自分が曖昧にしていたのに気がつけないでいたポイントに
自分で気がつけるようになります。

観察できるようになれば
目の前にいる対象者の方に「イマ」「ナニが」起こっているのかを
洞察することができるようになります。
障害がどのように現れ、その障害を代償しようとした結果
能力が不合理に発揮されていることが手に取るように分かるようになります。
だから、どうしたら良いのかが「結果として」浮かび上がってくるのです。
過程をすっ飛ばして「結果」が得られることはありません。
無意識には本当はわかっているからこそ、不安になるのではないでしょうか。

真摯に向き合っているからこそ
「対象者の方に」どうしたら良いのかという悩みが出てくると思います。
でも本当は
「自分が」どうしたら良いのか悩むべきなのです。
ここでも問題設定の問題が起こっているのです。

目標設定について
定義や自己トレーニングの方法について
こちらのサイトにまとめてあるので良かったらご参照ください。
 
遠回りになるかもしれませんが
逆に言えば、遠回りしたからこそ深く知見を習得することも可能と言えます。
逆に、教えてくれる人がいたとしても、
その人の技量が未熟であれば不適切な知見を得る恐れだってあります。

「ちゃんと教えられる人」って実はそうそういないのが現状でもあります。
もし身近に「ちゃんと教えてくれる人」がいたら
その人は本当に良い人です。
良い人に出会えたことを感謝して大切にしてください。

そうでない人は
「ちゃんと教えられる人」がいないのが通常だと思って
覚悟を決めて自分で自分をトレーニングしていきましょう!
そして自分自身が誰かに「ちゃんと教えられる人」になりましょう。

曖昧な部分を自分が自覚できるからこそ
曖昧な部分の明確化が可能になります。
(まさしく、予算立案と一緒です。)

一つ一つの明確化、地道な努力の積み重ねによって
根拠の確からしさを説明できるようになれば
結果として、過程における自己承認ができる
ようになってきます。

繰り返しますが
手段と結果として起こることを混同してはいけないのです。
自身の実践に見通しを持てなかったり、不安を抱いている場合に
実は問われるべきは実践の確からしさではなくて実践に至る過程での明確化なのです。

より良いOTになるために
より良いOTを育成するために
最も重要なメタ過程というべきこれらの過程を
卒前卒後でどのようにして連携しながら養成していくのか
私たちは大人ですから、個々の課題だとも言えますが
そうも言っていられない現状もあるのではないでしょうか?
  

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目標設定は技術である

目標設定は技術です。
技術なので、トレーニングが可能ですし、習得も可能です。

「目標設定をうまく教えられない」という人は
1)概念が理解できていない
2)技術をトレーニングするために必要な要素を明確に認識できていないのだと思います。
だとすれば、明確に認識するようになれば良いだけですし
自分でトレーニングしようとする人は意識すれば良いだけです。

1)については、_前の記事_で示したので
ここでは2)について記載していきます。

ポイントは、段階づけと反復学習です。

骨折術後の人に歩行練習をするに際して
いきなり、杖歩行を練習したりはしないと思います。
段階を踏んだ、リハプログラムを提供すると思います。
子どもに料理を教えようとして
いきなり、材料を提示して「ほら、作ってみな」とは言わないと思います。
まずは、工程の少ない献立を選んで
一緒に作るという場を共有し説明しながら作ると思います。

まず、最初に
「目標設定は思っていた以上に難しいものだ」
「自分はちゃんと設定できていない」
という事実に向き合うこと、認識を共有化する
ことから始めます。
 
次に、概念の理解を細かく段階づけしながら体験学習をしていきます。
判断の根拠は、目標の定義
です。

   「周囲の人がそう言うからそうだと思う」
   「以前に先輩がそう言っていたから」ではなくて
    自らが納得して判断できるように根拠としての定義を示すことが大切です。

 
その都度、目標の定義に立ち戻って体験学習を進めていきます。
教える過程において、細かく段階づけができるということは
教える側がどれだけ概念を明確に理解しているかということと関連
します。
概念の本質を理解するということは大切で大変なことだと認識している人は
これらの一連の過程を丁寧に提供することができると思います。
逆に、概念の本質を理解することをすっ飛ばして
手っ取り早く実際的な事例をもとに目標設定させようとする人は
教える側が「自分はよくわかっていない」と言っているも同然なのです。
そして、そういう人が目標と目的と方針と治療内容を混同させて設定したりするのです。
それを聞いた人は、頭の中が「?」マークでいっぱいになっても
どこをどう尋ねたら自身の疑問が解消されるのかがわからないから
質問することもできず、わからないからわかるように教えて欲しいと言えず
次のステップに進まされ表面的に課題をクリアすることを考えるようになってしまいます。
これが現状なのではないでしょうか?

  先日、とても面白いYouTubeを見ました。
  「バレーボールでレシーブの技術を磨く」
  「どうしたら素早くボールの下に入れるか」
  というテーマで、課題分析とトレーニング方法について説明していました。
  知識提供→できることのステップアップ→遂行困難→一つ前の課題をトレーニング
  という展開でとても納得できる説明でした。
  判断の基となる「見る」ことから始めて
  必要な能力の統合を丁寧に段階的に練習していく方法でした。
  新規事象の学習において、あるいは再学習において
  頭でわかったつもりでも実行できないということは必ず起こります。

  私たちは対象者の行動変容を促すことが仕事なので
  この過程を自身でも体験しておくことは有意義なことだと思います。
  知るー理解するーできる は違います。
  納得できたからといって、すぐに習得できるわけではなく
  地道な反復練習が必要ですが
  「そうだったのか!」「やってみよう」と希望を抱くことができる内容でした。
  コメント欄も「知らなかった」「すごくわかりやすかった」「やってみる」
  というコメントであふれていました。

  バリデーションを学んだ時にも反復練習の重要性を体感しました。
  課された課題を自身と対象者で実践、ビデオに撮ったものを
  受講生で観ながら講師のコメントを聞くという展開がありました。
  同じテーマを異なる対象者と異なる実践者で幾つものパターンを観ることで
  テーマの理解が深まることを実感しました。

 

目標設定のトレーニングも同じです。
概念を明確に言語化して提示
概念を知る→理解する→使える と段階づけて体験学習
していきます。
最初から、リハのケースを使ってトレーニングしない方が良いです。
概念を明確に理解できた後で、実際にリハでよく遭遇する事例をもとに体験学習していきます。
すると、この過程において、実際的な疑問が生じます。
実際的な疑問は、実は概念をより深く理解することと関連していますので
(例えば、基準と条件がどう違うのか?など)
その観点に立って、説明し体験学習するように促します。

詳細は、_目標設定_のページをご参照ください。

つまり、
目標設定を適切に行える
目標を目標というカタチで設定できる
ということは、徹頭徹尾、目標の概念理解ができているかどうか
が問われるので
段階づけてトレーニングすることが必要
ということを意味しています。

行動のカタチで表現できるようになるためには
行動とは何かという概念理解が必要で
その上で段階づけたトレーニングが必要
です。

言い換えれば
段階づけたトレーニングができるためには概念の明確な理解が必要で
概念を明確に理解するためには段階づけたトレーニングが必要なのに
現状では
これら一連の過程をすっ飛ばして
目標の定義を伝え
次に仮想事例で目標を設定させ
当然、的確なフィードバックがなされない。。。
これで「ちゃんと目標設定しろ」という方が無理でしょう。
問題の本質は、技術をどう習得させるか、という『トレーニングの問題』でもあります。
つまり、
対象者の行動変容の促し方」そのもの、
『リハの臨床能力そのものの土台』の問題
でもあります。

目標設定が適切にできるということは、二重の意味で重要なのです。

目標設定は本来「ちゃんとできる」人が教えるべきですが
残念なことに臨床家でも教育家でも
ちゃんと目標設定できる人は少ないのが現実です。
ですが、自己学習も可能です。
_目標設定_のページで自己学習の方法も展開していますし
第6回神奈川県臨床作業療法大会が12月8日(日)に開催されます。
そこで_「なんちゃって目標からの卒業ー自分自身に問い直すー」_
をテーマにお話をさせていただきます。
まずは、一度お話を聞いてみてください。
眼からウロコ、モヤモヤがスッキリすることが多々あると思います。
また、大会そのものが斬新な取り組みを多数検討されているようですし
ぜひ、ご参加をオススメします!
詳細は、公式ウェブサイトの他、XやInstagramをご確認ください。

さて、臨床家にとって大切な目標設定
対象者の状態の見通しがわからない、ということとは別問題
むしろ、わからないからこそ、目標設定することに意義があります。
これは次の記事で述べていきます。

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適切さ//目標

唯一絶対の、万人に効果的な方法などない。

ハウツーを当てはめるようなやり方では
目の前にいる固有のAさんの役に立つことは難しい。

その時その場のその状況において
「適切な」対応をとれること

私がずっと追い求めてきたこと

そして
「適切さ」の根拠は
誰かの承認、誰かの同意なんかではなくて
目の前にいる固有のAさんの目標に置いています。

 

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目標設定の研修会

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私は今、リハ職にとって
一番重要で不足しているのが
目標設定のトレーニングだと考えています。

みんな、治療技術や評価技法に走っていて
それはもちろん、大切だけれど
目標設定と評価の深化について
なぜ着目されていないのか不思議です。

少なくとも認知症のある方に対しては
適切なリハプランが立案できるために
適切な評価が行えるために
目標設定の技術が必要だと考えています。

そこでお知らせ!
7月20日(日)に作業療法総合研究所の主催で
目標設定に関する研修会が
昭和大学横浜キャンパスで開催されます。
詳細は作業療法総合研究所のサイトをご覧下さい。

「良い目標が設定できる作業療法士になろう-概念篇」

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目標設定の研修会

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平成26年7月20日(日)に
昭和大学保健医療学部横浜キャンパスにて
目標設定に関する研修会が開催されます。
題して「良い目標が設定できる作業療法士になろう」

おそらく、みんな誤解している。
目標なんてカンタン!って。

でも、カンタンそうな
食事介助だって
立ち上がりだって
認知症のある方への声かけだって
見落とされていることがたくさんあって
丁寧に考えていくことで
ブレークスルーの道が開けることもいっぱいある
ということは、こちらのブログにも常々書いてきたことです。

目標こそが羅針盤

目標の設定を共同作業できない対象者も
少なくありません。
その時にお手上げ…じゃ困ります。

詳細は作業療法総合研究所のサイトをご参照ください。

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