近時記憶が著明に低下している方がいました。
毎日リハ室に来ているけれど
来室時には毎回「私こんなところ来るのは初めて」とおっしゃっていました。
その方には
集団でのリハで、終わりの挨拶をお願いしていました。
いつも遠慮なさるのですが
そこを是非にというと
皆さんの方を向き直り、ご挨拶してくださっていました。
近時記憶が低下してしまうと
同じ内容の話を同じ言語表現でお話される方が少なくありませんが
この方は毎回その都度違う内容を異なる言語表現でお話されていました。
なんてすごい方なんだろうと感じ入りました。
お若い頃には、ある活動のリーダーを為さっていたとのこと。
きっと毎回毎回参加者全員の様子をきめ細やかに確認しながら
為さっていたんだろうな。。。と思いました。
認知症のある方の場合
「ないものはない」
「してこなかったことは、できるようにはならない」
代わりに
「してきたことは明確に現れる」
「特性は明確に反映される」
ものです。
これだけ近時記憶が低下しているのに
一度も同じ内容でお話されたことはない。
その方の在りように感銘を受けたものです。
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