Tag: コミュニケーション

昔の手遊び

意味性認知症のある方など疎通困難な方に対して
表面的に疎通を改善しようとするのではなくて
その方が可能な言語的理解と非言語的理解を組み合わせた関与を心がけています。

言葉は端的に

表情は大袈裟なくらいに
今はマスクをして勤務しているので
笑う時には敢えて眼までくしゃっとさせて笑うようにしています。

もっと気をつけているのは口調です。

その方の声のトーンに合わせながらも
ベースは耳に心地良いように
穏やかで温もりのある声を心がけています。

Activityとしてよく使うのが
1)ひも三つ編み
2)昔の手遊び
です。

いずれも認知症のある方の手続記憶として保たれています。
ひも三つ編みは、言語を介さずとも日言語での「やりとり」が可能です。
ひも三つ編みの詳細は、_ こちら _ のページをご参照ください。

今日、ご紹介するのは、昔の手遊びです。
小さい頃、歌いながら近所の子と一緒に「かごめかごめ」「はないちもんめ」で遊んだ方は多いし
「♪ 夏も近づく八十八夜」と歌いながら手合わせできる方も多くいます。
ご自分だけでは歌えない方も隣で一緒に歌ってもらえたら思い出して歌える方はたくさんいます。
手合わせができるためには、
「相手」をしっかり感受し
「相手のタイミング」を見計らって自身のタイミングを合わせ合う
という、非言語ながらコミュニケーションの基本が含まれています。

手遊びという非言語的な要素を繰り返し行うことで
いつの間にか言語的疎通が驚くくらい改善されていくということも多々あります。

疎通困難な方でも特性に応じて使い分けています。
他者との交流を楽しむことを好む方には手遊びを
お仕事好きな方にはひも三つ編みを行っています。

言語的には疎通困難でも
非言語的には他者との交流が可能な方は大勢います。
そして非言語的な交流を積み重ねていくと
言語的な交流も行えるようになってくることも多々あります。

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認知症のある方の話を聴く:事実確認と感情表出

あけましておめでとうございます。

本年も情報発信に努めていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

・記憶の連続性を確認したい時には事実確認を優先する
・エピソード記憶を聴いている時や認知症のある方が言いたいことがある時には
 感情に焦点を当てて聴く

認知症のある方と話をする時には必ず自分の意図を明確にしています。
記憶の連続性を確認したいのか
認知症のある方に感情表出を促したいのか
意図が異なれば対応も変わります。

記憶の連続性を確認したい場合についてご説明します。

まず、その方の日課に沿って体験直後に尋ねます。
例えば、昼食後に(今日のお昼ご飯はいかがでしたか?)と尋ねます。
「おいしかったよ」
だけだと判断できないので
(何が一番おいしかったですか?)と尋ねます。
そこで具体的に献立名が返ってくれば覚えていることが推測されます。
(再生の可否を確認します)
ここで具体的な献立名が返ってこなければ
こちらから献立名を提示します。
(聴覚情報で再認ができるかどうかを尋ねます)
この時の答えや表情から再認可能かどうかが推測できます。
単にお愛想で応じてくれただけで再認が曖昧と思えば
他の場面で複数回、情報収集するようにします。

「このあと〇〇時にお部屋に伺いますね」とお伝えしてから
〇〇時に訪室した時の様子を確認します。
「あら、すみませんね」
「お待ちしていました」
と返ってくれば、お伝えした時刻から△時間は覚えてくれていたことがわかります。
「あら、どうしたんですか?」
と返ってくれば、お伝えした時刻から△時間は記憶の保持が困難だったことがわかります。

このように、意図的な会話ができれば
なんてことのない話の中で、拾えるエピソードがたくさんあることに気がつきます。
記憶の連続性については、こちらが意識してさえいれば
会話だけでもかなりの情報を収集できます。

認知症のある方が帰宅要求をしている時など
感情表出を促したい時には事実かどうかではなく
その方の感情に焦点を当てて話を聴くようにしています。

例えば
90歳代の方が
「お父さんの先生が亡くなったからお通夜に行かなくちゃ」
と発言された時に
ここで「お父さん」が夫なのか父を指しているのかはわかりませんし
どちらであったとしても既に亡くなられていることは事前情報から把握できています。
その先生であれば、おそらく亡くなられていると思われますが
いずれにしても、それらの事実はさておき
「お世話になった方が亡くなられたから最後のご挨拶に伺いたい」
という気持ちは理解できます。

「とてもお世話になった方が亡くなられたんですね」
「それでお通夜に行こうとしていたんですね」
「不義理なことはできないですよね」
その方の特性を把握できていれば
どのような言葉を選択したら良いかは自然と浮かび上がります。

その方のほうから
どんな先生だったか語り始める時には
その方に任せて語られていることをイメージしながら聴いていきます。

必要に応じて沈黙も大切にします。

帰宅要求があると
話を逸らそうとしたり
気を逸らすために何かさせたり
といった対応をする人は多いけれど
帰宅要求があった時に介入可能であれば
きちんと感情表出を促すことで(だけで)
自然と帰宅要求が収まってしまうということは多々あります。

HDS-Rの得点が1桁の方でも
単なる説明(聴覚情報)や視覚情報のを併せて提供すると
再認することができる方は数多くいます。

人権擁護と認知症がご専門の齋藤正彦医師は
「微笑みながら徘徊する人はいない」
「微笑みながら帰宅要求する人はいない」
と言っていましたが、本当にその通りだと思います。

必死になって訴えている方に対して
気を逸らす対応をしていたら
信用してもらえなくて当たり前だと思います。

現行で常識的な対応とされていることでも
よくよく考えるとおかしな対応って結構あります。
じゃあ、どうしたら良いのか、改善提案をしていきますね。

 

 

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認知症のある方の話を聴く:重要なことは復唱する

認知症のある方の話を聴く時に
認知症のある方が発言した表現そのままを使って復唱するようにしています。

たとえば
「家に帰りたい」と言われたら
「家に帰りたいんですね」
「財布がない」と言われたら
「財布がないんですね」
と認知症のある方が発言した表現そのままを使って復唱します。
そのあとで、「それで急いでいたんですね」「それで困っているんですね」と言葉を継ぎます。

  クレーム処理の本を読んで時に
  「相手の言葉を復唱してから答える」と書いてあるのを読んだ記憶があります。
  あなたの言ったことを受け止めましたと言外に伝えることができます。
  そう言われてみれば、クレーム処理ではないけれど
  品物を注文した時のコールセンターの対応は、
  こちらの電話番号の確認の時に
  私が「ご、さん、の」と言えば
  相手も「ご、さん、の」と確認してきますし
  私が「ごじゅうさんの」と言えば
  相手も「ごじゅうさんの」と言う人がほとんどです。

声かけの最初は
相手の言った言葉を使って復唱するようにしています。

その後、話を聴きながら
相槌を打ったり、合いの手を挟んだり
時には、相手の話と同じ内容を違う表現で言い換えるようにしています。

「お父さんの先生が亡くなられたから早く行かなくちゃ」
「お世話になった方だから不義理なことはできない。
 それで急いで行こうとしていたんですね?」

「財布がどこにもないのよ!」
「大事なお財布が見つからないくて困っているんですね」

この1クッションを置くことで
「この人は私の言っていることをちゃんと聴いてくれる」
と思っていただけます。
会話のキャッチボールを強調して伝えることができます。

言葉は相手に伝わってこそ、言葉として機能します。

 

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認知症のある方の話を聴く:声の大きさとトーンを合わせる

声かけの大切さについて
否定する人はいないし、みんなそう言うけれど
私は「何を言う」かよりも
「どんな声で」言うかの方が重要だと考えています。

〇〇という時に、なんて声をかければいいでしょうか?
と尋ねる人はいても
自身の声の大きさやトーンの意義を自覚している人はとても少ないし
自覚的にコントロールしている人はさらに少ないと感じています。

認知症のある方は言語理解力が低下すると
(たとえアルツハイマー型認知症でも言語理解力が低下する方はたくさんいる)
何か言われたことはわかっても、何を言われているか理解できなくなります。
一方でだからこそ、職員の口調を鋭敏に感受し、口調に反応していることが多いのです。

声には発する人の感情が反映されます。

声の大きさとトーンを合わせることで
心理的同調を促す効果がある
と言われています。

まず、声の重要性を認識しましょう。
そして、相手の声の大きさとトーンに自身の声とトーンを同調させましょう。

大きな声やハリのある声の方には、こちらも同様に。
小さな声で落ち着いたトーンの方には、こちらも声を抑えめに。

一番、良いのは挨拶です。
「おはようございます」「こんにちは」
返ってきた言葉に反映された声の大きさとトーンを感受し、
同じような大きさの声とトーンで返します。
「今日も良いお天気ですね」「今朝は寒かったですね」
自然な会話の中で、声の大きさとトーンの同調を調整することができます。

「認知症のある方の話をきちんと聴く」ことの前提として
声が無自覚に伝えてしまうことがあることをきちんと理解する。
そして、自身の声の大きさとトーンに自覚的になる。
相手のその時々の声の大きさとトーンに鋭敏になり、同調させられるようになる。
ということがもっと広まっていくと良いなぁと思っています。

 

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「聴いている」ことを伝える

まだ、感染症対策としてマスクをしている人も多いと思います。
マスクをしていると表情が伝わりにくいものです。
なので、意識して「表情」を伝える工夫をしています。

笑う時は、眼もくしゃっと笑う。
「笑う」を強調して伝えるようにしています。

話を聴く時には、相槌を打ちながら聴く。
「聴く」ことを強調します。

尋ねる時には、小首を傾げて「尋ねる」を強調する。

「表情」の代わりに「口調」で代償する。

認知症のある方は職員の
「何」を言っているのかという言葉ではなくて
「どんな風に」言っているのかという声や口調、表情などに
反応して怒ってしまうことが多々あります。

声かけの重要性を否定する人はいないと思いますが
一方で、職員の側の非言語的表出の重要性については
あまり重要視されていないものです。

当然、自身の非言語的表出に無自覚なことも多く
当然、自覚できないのでコントロールしようとする人も少ないものです。

特に、声や口調には発する人の感情が反映されやすいものです。
もっと自覚的になることと、コントロールしようとすることの重要性について
検討されると良いのにと、つくづく思っています。

 

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認知症のある方の話を聴く:基本

もしかして、
このサイトにお立ち寄りくださる人の中に
認知症のある方とどうやってコミュニケーションをとったら良いのか
わからなかったり、自信がない人もいるかもしれないと思ったので記事にしてみます。

実習に行くと
「患者さんとコミュニケーションとってみて」
「ご利用者さんとコミュニケーションとってみて」
って言われることが多いんじゃないかと思います。

コミュニケーションとるって言われると
一生懸命話さなければって思いそうだけど
別に無理して笑わせたりすることじゃなくて
その方がどんな方なのか理解するためだから
聞き上手を目指せば良いのだと思っています。

知識があれば
意図的に質問をしたり
答えや答え方に注目することができますから
かなり、いろいろな情報を得ることができます。
せめて、4大認知症 は押さえておきましょう。

話の聞き方のポイントとして
私は次のことに気をつけています。
 
1)今はまだマスク装着が求められているところも多いと思います。
  こちらがマスクをしていると表情が伝わりにくいので
  意識して表情を強調するようにしています。
  ・笑う時には眼も笑う
  ・相槌を打ちながら聴く
  ・尋ねる時には小首をかしげる
  ・表情が伝わりにくいぶん、口調を強調する

2)相手の声のトーンと大きさに合わせる
  ・初対面の挨拶で声の調整も兼ねて相手の名前の漢字を尋ねる

3)重要な内容は、復唱する。
  ・認知症のある方が発言した表現そのままを使って復唱する。
  ・同じ内容で違う表現に言い換える

4)事実を確認する時と感情に焦点を当てる時と使い分ける
  ・記憶の連続性を確認したい時には事実確認を優先する
  ・エピソード記憶を聴いている時や認知症のある方が言いたいことがある時には
   感情に焦点を当てて聴く

5)言語表出が困難な時には、クローズドクエスチョンで確認する
  ・可否いずれも両方を尋ねる

順次、ご説明していきます。

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声かけの工夫

5本箸

基本中の基本ではありますが
参考になる方もいると思うので掲載します。

認知症のある方に声をかける時には
言語理解力に合わせた声かけをしています。
つまり、まず最初に言語理解力を評価できている必要があります。

ところが
現実には、この過程をすっ飛ばしている人がとても多いのです。
その時その場での言語理解力に応じた対応をしていないので
拒否されたり、合目的的な言動を促せないのは当然です。
逆に言えば
その時その場での言語理解力に応じた対応をすれば
拒否されることが減り、合目的的な言動を促せるようになります。

どういうことかというと
たとえば、認知症のある方をトイレ誘導しようとして腕を引っ張る人もいます。
もちろん、この時職員は無理やり強く引っ張るわけではなく動作介助の一環として行うわけです。
ところが、その方の立場に立ってみれば
自分で歩くことはできるのに
「トイレ行きますよ」と言われてトイレに向かおうとしていたのに
足を出すより先に腕を引っ張られて怖かった、だから余計に足が前に出なかった
すると、余計に腕を引っ張られたから「嫌!怖い!」と発言した。

似たような場面を見聞きしたことのある人は少なくないと思います。

上述の場面には職員側の問題が複数あるわけですが
それは別の機会に説明するとして
ここでは、言語理解力の評価に的を絞って記載していきます。

 

 

1)まず、アイコンタクトをとる
2)行動の目的を説明する
  (場合によってはここを割愛することもあります。
   目的の言葉ではなく、手段・方法の言葉を使った方が良い場合など)
3)行動を1工程ずつ分けて何をしてほしいか説明する
4)行った行動が適切であったことを伝える

たとえば
車椅子からベッドに移乗してほしい時には
いきなり「〇〇さん、ここ(手すり)につかまって立ってください」と言うのではなく
1)「〇〇さん」と正面から顔を見ながら声をかけます。
2)ここは〇〇さんの言語理解力に応じて方法を選択します。
  「ベッドに移ってください」もありだし
  「こちらにおかけください」もありだし
  「(ベッドをポンポンと叩いてから)どうぞ」もありです。
  目的の言葉ではなく手段・方法の言葉を使った方が良い場合は割愛します。
3)ここも〇〇さんの移乗能力と言語理解に応じて言葉を選択しますが
  「操作対象を眼で見ることを促す」
  「1工程ずつ分ける」
  「必要であれば最小限の言葉と手差しで伝える」
   例:手すりにつかまることが必要であれば、「どうぞ」と言いながら手すりを手で指し示す
     手すりをつかんだことを確認してから
     「どうぞ」と言いながらベッドを指し示す
4)「完璧です」「バッチリです」「OKです」「ありがとうございました」など
  笑顔で端的な言葉で「行った行動が良かった」ことを伝えます。

認知症のある方への声かけの工夫とは「優しく」「丁寧に」「否定しない」などの接遇に限りません。
「こちらのベッドに移乗していただいてもよろしいでしょうか」
という表現では理解・遂行できない方もいます。
そこだけを切り取って「認知症だからできない」と判断して移乗を全介助してはもったいないです。

本来、人は誰でも生きている限り能力を発揮しています。
ただ、能力は状況によりけり、発揮されるものです。
支持的な環境ではできることでも、プレッシャーのかかる環境ではできないことはよくあることです。
人の成長成熟とは、どんな環境であっても能力を発揮できるようになっていくことです。
認知症という病気であっても、かつてはその過程にいたのです。
たとえ認知症が進行しても限定した環境であれば、できることは多々あります。
認知症のある方がどれだけ円滑に能力を発揮できるかは
私たちが、その限定した環境をいかに見出し、適切に調整できるか、ということにかかっています。

 

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開口してくれない方への口腔ケア:じゃあどうするか?

イメージ_猫

関与の適切さが担保されていれば
開口してくれない、開口できない、という行動には
口唇を開けてくれない、開けられない、
もしくは、
歯を噛み締めていて開けてくれない、開けられない
と大きく分けると2つのパターンがあるこちに気がつくと思います。
  
まず、どちらなのか、
口唇を開けることと顎を開けることのどちらが困難なのかを把握します。
この時に同時に頸部や体幹、上肢などのアライメントと筋緊張も把握します。
口を開けてくれないのではなくて
開けたくても開けられない
姿勢の問題、ポジショニングで対処すべき問題もあるからです。

意外に多いのが
顎の開閉は可能でも口唇閉鎖のままというケースです。
口輪筋に力が入ってしまっているので開口したくてもできない状態です。
そのような時には、介助者の示指を口唇中央にそっと当てて円を描くように動かします。
この時穏やかな口調で「くちびるが楽になります」と語りかけます。
すると口唇閉鎖が緩んできますから
「そうです。いいですね。その調子です。」と語りかけます。
   
口輪筋が十分に緩めば、すぐにその方の手続き記憶を確認しながら(前記事参照)
前歯もしくは奥歯からブラッシングを始めます。
口輪筋がまだ硬くて少ししか開口しない場合には
緩んだ部分から介助者の示指を口唇の内側にいれて
決して無理やりはしないで、可能な範囲で円を描くようにマッサージを行います。
すると、だんだん口輪筋が緩んでくるので口角や下唇の裏側など
まだ緩んでいない部分のマッサージを行います。
(この時に 口唇小帯 の部分は避けるようにしましょう。)
口輪筋が十分に緩んだことを確認できたらブラッシングが可能となります。

次に口唇は開いても歯と歯を噛み締めてしまっていて開口できない
顎がしっかり閉じてしまっている場合の対応について記載していきます。
口唇を開くことはできるので一部でも歯を見ることは可能です。
その見えている可能な範囲で(無理に範囲を広げずに)歯をブラッシングします。
穏やかな口調で
「歯を磨きますよ」「歯が綺麗になります」「お口の中がさっぱりします」
などの感覚や感情に働きかける声かけをしながらブラッシングをします。
すると、前歯からだんだんと奥の方に歯ブラシを移動させることが可能となります。
奥歯の表側をブラッシングできたら十分に時間をかけると緩みを感じられると思います。
緩みを感じたら奥歯の上側をブラッシングします。

相手の身体とのノンバーバルコミュニケーションをとりながら介助するのです。
緩んでいない→まだなのね、じゃあこれ以上は無理やりはしない→介助という動作で相手に伝える
口腔ケアという介助というを通して
相手の身体反応という行動と自身の行動というコミュニケーションを行うことです。

当然、昨日はすぐに緩んだのに今日はなかなか緩まない
ということだって起こり得ます。
人間ですから。
逆に自身の介助だって、昨日はきちんと感受できたのに今日はちょっと強引だったかも。
ということだって起こり得ます。
人間ですから。
状況だって違うでしょうし。

  大切なことは
  常に毎回100%の完璧な実践が為されることではなくて
  常に毎回自覚できていること。
  少なくとも自覚しようと意思することです。
  その時起こった事実をきちんと感受し自身の認識を自覚しようと意思することです。
  この過程にゴールはありません。
  イマ、ココでの言動には
  カコ、タシャとの関係が顕在的にも潜在的にも反映されるものだからです。

奥歯の上側をブラッシングできるということは
わずかであっても歯と歯の噛み締めが減少し、顎が開いたことの証左ですから
そうなれば、もう大丈夫です。
決して焦らずにここできちんと時間をかけて
「いいですね。歯がすごく綺麗になります。」と声掛けしながらブラッシングすると
もっと大きく開口できるようになりますから
奥歯の裏側もブラッシングできます。

噛み締めがきつくて上述の対応でも困難な時にはKポイントを刺激します。
いきなり指を口の中に突っ込もうとすると噛まれてしまいますから
緩んでいる口唇の間から示指を入れて
下の歯の表側と頬の間を通って奥歯まで指を入れてから
歯ぐきの内側に示指を入れて該当箇所を押します。
すると開口してもらえます。
これは最後の手段として、できるだけ上ふたつの方法で
開口してもらえるように関与していきます。

口腔ケアに協力してもらえない、開口してもらえない
時には、必ずその方にとっての必然があります。(理由や原因ではなくて必然)
   
まず、開口してもらえない場面そのものをきちんと観察する情報収集から始めましょう。
「開口してもらえない時には〇〇する」というようなハウツーは卒業しましょう。
その時その場でのその関係性において関与していくことができるようになるために
まず、今、その方に何が起こっているのかを洞察できるように
そのために自身の「行動」というもうひとつの言葉(自覚的に選択された行動)で働きかけ
対象者の「反応行動」というもうひとつの言葉をきちんと聴くことから始めましょう。

 

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