ブレてないこと:具体的に考える

我慢のしどころ

自分の中でブレてないんだ…と
後から思うことって、いくつかある。

最初は意識していたわけじゃないから
よくわかってはいなかったんだと思う。

でも、方向性としては今と変わらないんだ
…って、今はわかる (^^;

たとえば、具体的に考える。とか。
抽象化されたマジックワードは使わない。とか

QOLの向上って
今は殆ど聞かない言葉だけど
かつて、私が若い時には、よく使われていた言葉だった。

でも、私はそういう言葉を使わなかった。
正確に言うと、使えなかった。かな?

だって、よくわかんないんだもん。

私は本当に恵まれていた
ラッキーだったと思ってるけど
援助と使役について、よくよく考えさせられる機会が多かった。

だから、あんまり「良いことをしよう」とは思わない。
思えない。という方が正確かな。。。(^^;

悪いことをしないで済むように
できうるなら、具体的に現実的に困りごとが減るように。

そういうことを具体的に考えるようにすると
具体的に能力を見られるようになる。

たぶん、良いことをしようと思ってたら
具体的に能力を見られるようには
ならなかったんじゃないかと思ってる。

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(株)geneセミナー「認知症」行ってきました

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昨日、6月19日(日)に
東京の日本印刷会館にて開催された
(株)geneさん主催の
「リハスタッフのための認知症のある方への対応入門
〜評価のすすめ方〜」に行ってきました。

参加されたみなさま、おつかれさまでした。

準備から運営を担当して下さったOさん、ありがとうございました。

認知症のある方の
障害と能力と特性をどう評価していったらよいのか
多くの場合に、明確に言語化された説明はありません。

だから
認知症のある方を目の前にした時に
戸惑ってしまうリハスタッフが多いのではないかと思います。

これは
私からみなさまへのご提案です。

もしよろしかったら
こちらのセミナーもご検討ください。

7月17日(日)
「リハスタッフのための認知症のある方への
評価から対応まで 東京会場」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1458697576-118908

8月7日(日)
「認知症のある方の食べることへの対応 大阪会場」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1460074517-340536

実は、この日のセミナーは
私にとって感慨深いものがありました。
昨年、座骨神経痛であんまり身動きできなかった時期に
車いすで伺ってgeneさんのスタッフの方に
ご迷惑もご心配もたくさんおかけしてしまいました。
今日は、車いすを使わずに会場まで来られた。
一日ぶっ通しで立ってお話することもできた。
という体験ができてとっても嬉しかったんです。
途中、演台にもたれかかったり、イスに座ったりはありましたが。
たぶん大丈夫だろうな…とは思っていましたが
本当に大丈夫だった…という体験ができたことが
嬉しかった (^^)

来月はもっとラクに
演台にもたれたりしなくても一日立ってお話できるように
日々のストレッチをガンバリマス (^^)

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情報発信の機会

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日々、いろいろなことは起こるけれど
やっぱり私はすごくラッキーなんだと思う。

今、この時代に生まれて
さまざまな情報発信の機会をいただけている。
そのことにも深く感謝。

かつて、私は本当にもがいて、あがいて、いました。
でも、その時になかなか自分の助けとなるような
情報を得ることができなかった。

言ってることはわかるけど
目の前の方にやってみると、ズレを感じる。

なんか、違う。
いつもそう感じてきました。

結局のところ、遠回りでも
自分なりに勉強と実践を積み重ねるしかなかった。
それは、本当に孤独な過程でもありました。
(今、思えば。。。
でも当時は必死だったから、わからなかった。)

だけど、一番困っているのは
目の前にいる方なんです。

それなりの確かさをもって
根拠とともに、明確に言語化できるようになったからこそ
今もきっとどこかにいる、
かつての私と同じような困難を抱えている人に届けたい。

そういう機会に
私は恵まれています m(_ _)m

こちらの神奈川県の県士会サイト。
POSTさんのサイト
(インタビューと連載記事が掲載されています)
(株)geneさんのセミナー
(今年度は東京・大阪・名古屋で開催予定です)
これらは、誰でもいつでも閲覧・参加できます。

おかげさまで、
その他にもいろいろな職場や団体からお声かけいただき
日頃の実践と今後への提案について
お話する機会をいただいています。

本当にありがたいことです m(_ _)m

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症状を形成することもできない

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「症状を形成することもできない人」
ということを河合隼雄の本で読んだことがあります。

なるほど。。。と思いました。

それって心理面だけじゃないように感じています。

河合隼雄の例とは
ちょっと意味合いが違うとは思いますが。。。

認知症のある方で
お身体が少しずつ弱ってくると
いよいよというところまで
熱も出ないし、目立った症状が出てこない。
「客観的に」数値に現れるようになると
もうかなり具合の悪さが進行してしまっている。。。
そういうケースをたくさん見てきています。

でも
表情とか
活気とか
その人らしさとか

そういうところでは、ちゃんと変化が現れている。

そもそも
「病気」というのは、
「診断」された時から
「病気」になるのだから
逆に言えば
「病気状態」であっても
「診断」されなければ「病気が存在しない」のは
どこにいても、誰でも同じこと。

私は医師ではないので
診断が仕事ではない。
その人の暮らしの援助をするのが仕事だから
「客観的な数値」ではなくて
あ、言うまでもないけど
客観的な数値を軽んじているわけではないですよ。
でも、数値に変化がないからといって
ガシガシ、いろいろなことを提供したり、
食べていただいたり
そんなことはしません。

それだったら、ロボットで十分ですよね?

症状がない。のと
症状を形成することもできない。のとでは
表面的な見た目は同じように見えるかもしれないけれど
その実、状態像は全然違う。

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前の前の記事に関連して

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視点を変えて
あの番組を見てみると
老境を迎えた人間の在りようとも見える。

小笠原先生は
ずっと変わらずに自分を貫き通した。

大谷先生は
現役時代にはできなかった自分を悔いつつも
贖罪の気持ちも込めて「らい予防法廃止」に向けて奔走した。

もう1人は
文化勲章まで受けた。
その時にどんな思いを抱いていたのだろう。

かつての患者さんのご家族が
「死ぬ前にこういうこともあったって
誰かに聞いてもらってスッキリして死にたい」
って語っておられて
苦難の多かったろう人生を思わされた。

文化勲章を受けた人は
死の床にあって何を思ったのだろう。
それすらも抑圧したのだろうか?
その抑圧が贖罪の現れだったのだろうか?
それとも…?

私はもう既に立派なオバさんですが
年をとるって大変なことなんだと思いました。
こんな風にして、過去の自分の在りようと対峙させられるんだ
って、そんなことを感じました。

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前の記事に関連して

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小笠原先生は本当に凄い方だと思いますが
身近にいて小笠原先生の実践を支えてこられた方たちの
凄さを同時に思います。

身の回りのお世話はもちろん
関連して必要になるさまざまな暮らしと
治療に関わるものの調達を続けてこられた方たち

小笠原先生とは別の形での迫害をうけたり
時には防波堤の役割だって担ってこられただろう方たち

ハンセン病に罹患した方たちやご家族の受けた迫害や
理不尽なことがらには、想像を絶するものがありますが
一方で
それを間近で見ているからこそ
自らが背負わなくてはならなかった苦難を言葉にすることなく
実践を続けたであろう方たち

歴史の表舞台に出ることはないだろう
その方たちの実践を本当に尊く思います。

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ETV特集:小笠原登を見た

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6月11日(土)に再放送で見ました。
ETV特集「らいは不治にあらず〜ハンセン病 隔離に抗った医師の記録」
http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2016-04-23/31/18163/2259533/

ハンセン病対策の歴史について
きちんと自分で認識したのは
「らい予防法」が廃止された時に
朝日新聞に掲載された大谷藤朗先生の記事を読んだ時だと思います。

その記事には衝撃的なことが書かれていました。
当時まだ100年も経っていない(大昔のことではない時期に)
学会という場で論理的な話をヤジや怒号で制止・中断・退場されるような
非民主的なやり方が行われていたこと
そして亡き師がどんな思いで今を見つめておられるだろうかという言葉で
しめくくられていたこと

それから本を読み、もう少し詳しく知ることができました。
「やがて私の時代が来るー小笠原登伝」皓星社

大谷藤朗先生は、実はリハスタッフにとって大恩人に当たる方です。
私はその一端を教えていただけたに過ぎませんが
リハの黎明期に養成校や宿舎を見学され
その状態を改善するようにしてくださったり
養成校の教員が留学して学べる環境を整備して
日本のリハ教育が進歩していくようにバックアップしてくださったとのこと

今回の放送でも
大谷先生が登場され、過去の自分を振り返りつつ
らい予防法廃止に向けて活動を続けてこられたとのことが
取り上げられていました。

らい予防法と対応の変遷について
全然自分とは関係ない、過去のことと切り捨てるのではなくて
かつてこの日本で起こったことは
カタチを変えて今自分の周囲でも起こりえることだということ
自分がもしかしたら「良かれと思って」
「らい予防法」推進派が為したことと同じことを違うカタチで
してしまうかもしれないこととして受けとめて
じゃあどうしたら少なくとも
そうならないように
万一そうなったとしても
そうなっているという認識をもてるようになるのか
考えることは大切だと思っています。

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急激な症状の悪化は身体の不調を疑う

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80歳代、90歳代の方の
急激なBPSDの増悪は
まず、身体の不調を疑います。

脱水、貧血、電解質異常、肺炎、心不全、慢性硬膜下血腫…などなど
身体の不調って案外とても多いけれど
認知症がベースにあるとこれまた見逃されがちだったりします。

その場の会話ができる方でも
記憶の連続性が低下していて
独居だったり、高齢世帯だったりすると
実は身体的な不調なんだけど
BPSDのようなカタチで現れたりします。

服薬管理が適切に行えなくて
降圧剤を飲み過ぎていたり
薬の副作用によるせん妄だったり。
ほとんど水分をとっていなかったり
満足に食べていなかったり

でも、そのあたりって
なかなか援助する側には見えにくいことでもあります。

だからこそ
一層、もしかしたら…という視点を
忘れないようにすることも大切だと感じています。

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