POST連載記事 7

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POST 理学療法士によるリハビリ職者のためのサイトに
私の連載記事が掲載されました。
http://1post.jp/2016/07/13/interview_ot_dementia_colum07/

同じコトが違うカタチで現れているだけ
だから食事介助が適切にできるようになることは
食事介助だけにとどまらず
生活障害、BPSDへも適切に対応できるようになることと
大きな関連があります。

「食べさせる」ことしかできない人は
他の場面でも「〇〇させる」ことしかできない。
それが、たとえ、優しい言葉と口調によるものであったとしても
使役は使役に過ぎない。

でも
「食べることの援助」ができる人は
他の場面でも「〇〇することの援助」を
具体的に考えられるようになる。

「具体的に」
自分の介助を気をつけられること
相手の反応を観察できること

そのための知識であり
現実化するためには技術が必要

当たり前のことですが (^^;

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結果なのか原因なのか関連なのか

我慢のしどころ

結果なのか原因なのか関連なのか
本当はわからないことなのに
あたかも認知症のある方の「せい」ー「原因」
にされてしまっていることって
とても多いように感じています。

私は基本的に「原因」という言葉を使わないようにしています。

いわく
BPSDは、それを引き起こす不安や不快などの
何らかの原因があるから、それを探索して改善する。。。etc.

原因探索改善というのは
因果関係論としてのICIDHの考え方で
ICFには、なじみません。

ICFになじむ言葉ーつまり概念として
私は「必然」という言葉を使っています。

そうなる必然があって現状がある

自分で使っていて自分で言うのも、何ですが
私はこの言葉ー考え方がすごく好き
自分の実践にぴったり合うんです。

今を否定しない
治療的態度、治療的関係性を駆使して
結果として行動変容を援助する

結果なのか原因なのか関連なのか
わからないけど
わからないことはテキトーに判断はせずに
わかるときまでは、わからないままに
思考を停止せずに関与していく

そうすると
日々の臨床の中で
いろいろな発見があって
それは、まさしく

「大事なのは…まだ誰も見ていないものを見ることではなく、
誰もが見ていることについて、
誰も考えたことのないことを考えることだ」
(エルヴィン・シュレディンガー)

というような見方ができるようになって
結果として、認知症のある方のあれこれが改善されていく

それは本当に私自身が励まされる過程でもあるのです。

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パターンに当てはめるだけなら専門家はいらない

ちょっと待った

巷にあふれる
「こんな時にはこうしたらいい」という手合いの本。

ある意味、購読者のニーズにはマッチしているんだろうなー。
とは思う。

でも、そういうことをやるから悪循環になっちゃう
悪循環に結果として関与してしまっている
ということをどんな風に考えているんだろう?

パターンに当てはめるだけなら
専門家はいらない。

パターンに当てはめるって
対人援助の対極にある態度なんだけど。

今から20年以上前から
専門家と素人の垣根が低くなってきた
って言ってきたけど
ネットの定着もあってどんどん拍車がかかってきてると思う。
良くも悪くも。

その一方で
本物のプロは
必ずどこかにれっきとして存在してる。

本物のプロは凄いです。

専門家と素人の垣根が低くなった分
本物のプロとその他との垣根が
相当高くなりつつあるんじゃなかろうか。

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【速報】 認知症疾患医療センター 曽我病院「研修会」

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平成28年9月16日(金)14:00〜15:45
小田原お堀端コンベンションホールにて
認知症疾患医療センター曽我病院主催の研修会が開催されます。

28年度認知症研修会

講師は
東京都立松沢病院の齋藤正彦院長先生です。
「認知症の理解とケア」というテーマでお話いただきます。

参加費は無料

対象は
神奈川県内で認知症のある方の支援・ケアに従事する専門職の方

申込受付期間は8月1日から31日

必ず、上記チラシの注意事項をご確認いただき
メールにてお申込ください。
(チラシにカーソルを合わせクリックすると
拡大された画面が開きます)

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家族支援にもなるような援助を

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表面化しつつある大きな課題

「介護殺人」当事者たちの告白 NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/d-navi/link/kaigosatsujin/index.html

昔に比べて
多様な施設が増えてきたのは良いことだと思う。

でも、使える施設というハードが増えても
ご家族の抱える困難を
具体的に改善できるようなソフトが充実しないと
ご家族はかえって追いつめられてしまうと思う。

番組によると
75%もの方が何らかの介護保険サービスを利用していたとのこと。
にもかかわらず。。。起こってしまった介護殺人。

何らかの介護サービスを使うことによって
心身の距離をとって介護者の自分1人の時間を確保するのは大切。
(でもこれだって実際には買い物や家事等に忙殺されて
終わってしまう人だって少なくない)
間接的な家族支援になるから
これがあるだけでも、ないよりはずっと良いと思う。

ただ
どんな介護サービスでも
使うのは手段であって目的ではない。
介護サービスを使うことで、ご本人の能力を発揮できるようになる
そのことによってご家族もラクになる
ということが本来の目的だと思うけど
介護サービスの提供目的は
結果としてバラバラで
それぞれの介護サービス提供者側は
自分たちのやることを一生懸命やってるんだけど
ご家族の困りごとは改善されない。
家庭での困りごとは、ぽっかりと穴が空いたように
見逃されてしまう。

生活障害が強くなっていても
サービス利用時に「問題」がなければ
生活障害を起こしうるような「状態像」が
「家庭で」起こっていることに気がつけない。

あるいは
他人に対しては感情を抑制できても
身内に対しては難しい方もいる。

介護者が認知症のある方の言いたいことを
忖度することが難しい場合だってある。

ご家族の困りごとを実感をもって提供者側が理解できないと
相談を聴くこともできないし
具体的に対応方法を提案することもできない。

ご家族が休憩できる時間を増やしましょう
デイの利用回数を増やしましょう
それは情報収集し評価する時間を確保するという意味で有効だけど
それが為されないと単なるその場しのぎに過ぎず
結果として、新たな問題の表面化・拡大化を招き
ご本人をさらなる困難に陥れてしまうことになりかねない。

「褒めてあげることが大事」
「認知症のある方を怒ってはいけない」
などと言ってるだけだと、結果としてご家族を追いつめてしまう。

具体的に現実的に困りごとを改善する方法論を提案できるように
それは決して誰にでも通用するような
「あぁすればこうなる」というマニュアルではなくて
目の前にいる方の障害と能力を把握して初めて提案できること
ただそれが結果として似たようなパターンで現れるということはあっても。

パターンはあるけど、パターンじゃない。

この先
絶対に、私たち支援に携わる側の人間が
突きつけられる大きな課題。

パターンしか見えないのか
パターンに当てはめるのか

パターンという形で現れる、能力と障害と特性を
評価することができるのか

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(株)gene主催セミナー7月17日(日)@東京

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(株)geneさん主催で
「認知症のある方への評価から対応まで」
というセミナーが
平成28年7月17日(日)に
東京都千代田区にある中央労働基準協会ビルにて開催されます。
詳細はこちら
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1458697576-118908

今、認知症のある方への対応について
「その人に寄り添って」
「ナラティブな見方が大切」
「不安や不快な原因を探索して改善」
「言動を否定しない」
「褒めてあげる」
といったマジックワードが席巻しています。

これらの言葉を否定することって
すごく難しい。
あまりにイメージが良い言葉だから。

でも、よくよく考えてみると
実践するには抽象的すぎる概念です。

「どういう実践が寄り添ってることになって
どういう実践だと寄り添ってないことになるの?」
「ナラティブな見方をどんな風にしたら食べ方がよくなるの?」
「原因探索・改善ってICIDHの考え方なのでは?」
「言動を否定しないとしたら、どうしたらいいの?」
「褒めてあげるって、年上に人に失礼じゃない?」

こういった疑問を解消してくれるような具体的な説明を
私は見たり聞いたりしたことがありません。

認知症のある方の生活障害やBPSDは
脳の病気によって起こる障害と
何とかしようとする能力と
その人の判断基準となる特性によって
引き起こされます。

まず、根本には障害があります。

さまざまな障害に対して
心理社会的なアプローチをするというのは
脳血管障害後遺症で重度の運動麻痺によって
上肢操作が困難な方に対して
あるいは、立ち上がり困難な方に対して
「どうしたら対象物を操作しようと思ってもらえるか」
「どうしたら立ち上がる気持ちになるのか」
「その人の興味のある物・好きな物を用意しよう」
「麻痺への不安や不快な気持ちの原因があるから
それを探索して改善しよう」
「やろうとしたら褒めてあげよう」
と言っているのと同じことです。

そんなことを言ったり実践したりしている人が
いるのでしょうか?

なぜ、同じ脳の病気によって起こる
暮らしの困難に対して
一方には全く考えもしないことを
他方には当然のごとく喧伝されてしまうのか

耳に心地良いマジックワードによって
思考停止してはいけないと思います。

目の前にいる認知症のある方に
一生懸命何とかしたいと努力している
ご家族や対人援助職の人が
見当違いの方向で努力することによって
心身のエネルギーを余分に消耗することなく
より建設的な方向に向かって発揮していただけるように
私からの提案としてお話させていただきます。

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POST連載記事 6

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POST
理学療法士による、リハビリ職者をめざすためのサイト
http://1post.jp

こちらに私の連載記事の最新号が掲載されました。

タイトルは
「誤介助が原因の 改善できる食べ方」
http://1post.jp/2016/06/29/demenia_ot_colum06/

こちらの記事で示した状態像のある方は
あるあるなケースです (^^;

今まではムセていなかったのに
最近よくムセる。。。という方は
早く適切に対応することによって
もう一度ムセなく食べられるようになります。

是非、記事を読んでみてください m(_ _)m

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「一芸に秀でる人は多芸を理解する」

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世の中に
スゴイ人は本当にたくさんいる。

でも
有名だからスゴイというわけでも
資格をもってるからスゴイというわけでも
地位が上だからスゴイというわけでも
経験年数を重ねているからスゴイというわけでもない。

先日、とても嬉しいことがあったんです。

講演活動などで、リハスタッフ以外の方と
一緒にお仕事をする機会があるのですが
「認知症のある方」と私が意図的に使っている言葉を
説明することもあります。
その方にも説明したら、よくわかって受けとめてくださって
久しぶりにやりとりをした際に
その方が私以外の人に対しても
「認知症のある方」という言葉を使ってくださっていることを
知って、とても嬉しかったんです。
この方は
実際の臨床には直接には関係のないお仕事をしています。
にもかかわらず
私が言いたかったことを明確に理解してくださったんだと
そして
私に対して、ではなくて、ご自身のお仕事の上で
つまり、ご自身のこととして
この言葉を使ってくださっているんだということが
とても嬉しかったんです。

ところが
私はリハスタッフが企画する講演にもよく呼ばれますが
「なんでよっしーさんは
『認知症のある方』という言い方をしているんですか?」
とはあまり聞いてもらえない。。。 (^^;
とか
私が「認知症のある方」という言い方をしているのに
相手は「認知の人」や「認知症への対応」
って言い続けていたり。。。
とか
よくある。。。(^^;

その時に話してみて、その様子で
説明する場合も
説明しない場合もあるけれど
基本的には、あんまり期待しなくなっちゃたかも。。。

「一芸に秀でる人は多芸を理解する」

この言葉は、ソニーの元副社長の言葉ですが
本当にその通りだと思う。

何でもいいんだけど
何かを極めた、極めようとしている人というのは
「何か」という具体的な現れに秀でているだけじゃなくて
「何か」を通して「メタ」な感受・認識・表出を
鍛えようとし、また鍛えられているのだと思う。
だから
違う「何か」も感受・認識・表出を
自分は実践できなくても理解はできるのだと思う。

かつて、私は
一流は一流同士、違う分野でも話ができる。
一流と三流じゃ、同じ分野でもお話にならない。
と思っていたことがありました。
だから、自分がレベルアップするしかない。って。

「一芸に秀でる人は多芸を理解する」
元の記事はこちら
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/031800001/053000008/?ST=print

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2547