講演@gene「食事」

平成29年6月25日(日)に
名古屋金山研修センター(ゼミナールプラザ)にて
株式会社geneさん主催のセミナー「認知症のある方への食べることへの対応」
で講師を務めてきました。

参加してくださったみなさま
おつかれさまでした。
朝方に大きな地震があったので
電車がとまってしまって身動きできなかった方もいらしたとのこと
そんな大変な状況にもかかわらずご参加くださった方もいらして
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

また、準備段階からお世話になりました
geneさんのYさん、あ、おふたりともYさんですね。
どうもお世話になりました。
ありがとうございました。

一番最初にgeneさんのセミナーの講師をお引き受けする時に
「喜んで!是非!」とお答えしたものの
内心「丸一日お話なんてできるだろうか?時間が余っちゃったらどうしよう」
ととても不安に思っていたものです。
ところがどっこい、いざお引き受けしてみると
丸一日なんてアッという間。
今日もアッという間にお昼ご飯をいただき
アッという間に夕方になってしまいました。

それにしても、実技は楽しいですね (^^)

みなさまが和気あいあいと行ってくださったので
とても良い雰囲気の中で体験しながら学ぶということができたのではないでしょうか。

この春に上梓した「食べられるようになるスプーンテクニック」
という本のタイトルに込められた意味を
参加してくださった方は実感していただけたように感じました。

既に本をご購入いただき、セミナーの時にご持参くださった方が数名いらして
本当に嬉しく思いました。
ありがとうございます m(_ _)m

また本の出版はgeneさんからではなくて他社さんの出版ですのに
いつも懐深くPRについてもご快諾くださいますgeneの社長さんはじめスタッフの方には
心から感謝申し上げます。

こういうところに
「リハビリテーションを『かたち』にする会社」というgeneさんのポリシーが
よく現れていると改めて感じています。

私の話や本が『かたち』となって
セミナー参加者を通して
認知症のある方の食べることが変わっていくと
geneさんが考えてくださっているからこそご了承くださっているのだと。

逆に言えば、私の話がそこまでに至らないものであればきっとお断りされてしまうでしょうし
そもそも本当は了承する義務はgeneさんにはまったくないのですから
本当にありがたく感じるとともに
セミナー参加者に当日「参加してよかった」と思っていただけるのはもちろんですが
それぞれの職場に戻って実践してみた時に
「参加してよかったんだ」と感じていただけるに足るようなお話をできるようになろうと
改めて気持ちが引き締まる思いがしました。

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講演@総武病院

本日、千葉県船橋市にある総武病院さんにお招きいただき
「介助を変えれば食べ方が変わる」というタイトルでお話をしてきました。

ずっと以前からやりとりをしてくださったTさん
副看護部長のAさん
看護部長のKさん
大変お世話になりました。
どうもありがとうございました。

とても暖かく迎えていただき
リラックスしてお話をすることができました。

精神科病院は今二極化の中にあり
早期退院・地域以降と
長期入院患者の高齢化の狭間にあって
高齢入院患者さんや重度の認知症のある方への食事介助が
とても負担になってきている状況が全国的にあるのではないかと推測されます。

美味しく食べていただきたい
ご自身の能力を発揮しながら食べていただきたい
そのような願いを抱いていても
知識と技術を知らないために
結果として職員の人も対象者の方も
辛い思いをするような現状は本当にもったいないと感じています。

私のお話が終わった後に
A副看護部長さんが「看護は実践学」「今日学んだことを病棟でもやってみましょう」と
即座にみなさまにお声かけくださり、とても胸が熱くなりました。

本当にどうもありがとうございました!

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カタチにできること:「カンブリア宮殿」を見て

今さらですが。。。
「カンブリア宮殿」見ました。
「さらば寝たきり!注目のリハビリ病院」

村上龍が「可視できるヒューマニズム」って言ってるけど
それがプロなんだと思う。

カタチにできること

さまざまな現実の中でどうやって具現化していくか

願えば叶うわけではない
唱えれば叶うわけではない

目の前の現実を生きる認知症のある方の暮らしの困難を減らすためには
唱えるだけでは現実を変えることはできないと思ってる。

旗を振る役割の人も必要だと思う。
そのことによって状況も変わる。
でも、それだけでは不十分。
ようやくスタートラインに立っただけ。

問題はその先。

カタチにすること
カタチにできるための道しるべ

誤解のないように補足すると
カタチ=ハウツーじゃない。

私たちの仕事は
相手が人間だから
「あぁすればこうなる」はない。

結果としてのパターン、類似性はあっても。

一番ベースとなる考え方
こうやって考えていくといいよ。
少なくとも、悪い手を打たずにはすむよ。
それはある。

その次の表現の仕方には、
時により場により人により、さまざまあれど。

認知症のある方への対応について
いろんな人がいろんなレベルでいろんなコトを言ってるけど
「何を」言っているのか耳を澄まして傾けるとわかることがいろいろ出てくる。

小澤勲医師が言った
「ケアを感情労働から知的労働へ切り替えなければならない」
という言葉の意味を具現化することが大切。
具現化の道筋を明確化することが大切。
でなければ、私たちはいつまでたっても
旗ふりと現実との狭間で葛藤に陥って自らを追いつめるか
都合の良いように言葉をもてあそぶかの選択肢を突きつけられ
どちらにしても本当の意味の希望を胸に抱くことが難しくなってしまう。

まだ、表面化していないかもしれないけれど
必ず、それらが求められる時がくる。

必ず来るから、牙を研ぐ。

 

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講演@テルウェル東日本

今日、平成29年6月14日(水)に
テルウェル東日本さんにお招きいただき
「認知症のある方のもう1つの言葉〜能力と障害の把握〜」というタイトルで
お話をしてきました。

ケアマネージャーさんや現場のサービス提供責任者さんが参加者とのこと。
みなさま、おつかれさまでした。

アセスメントが大事ということを
よくある現場のあるあるを通してお話をいたしました。

最後に退室する際に
拍手で送り出されるというのは、ちょっとこそばゆく恥ずかしく
でもみなさまのお気持ちが嬉しかったです (^^)

準備段階でいろいろとご配慮くださったYさん
どうもありがとうございました。

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初台リハ@「カンブリア宮殿」

あさって、6月15日(木)21時54分からテレビ東京の「カンブリア宮殿」において
東京の初台リハビリテーション病院が特集されるそうです。

番組名は「さらば寝たきり!奇跡のリハビリ病院」
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/

私が高校生の時に進路指導の先生に
「おい、よっしー、おまえ大学はどこに行くんだ?」と聞かれ
「先生、私は大学には行きません。リハビリテーションの学校に行きます」と答えたら
「リハビリテーション?何だそれは?」
と言われた私としては隔世の感があります。。。

私はふだんあんまりテレビは観ないけど
これは観てみようと思いました。

番組の詳細は
POST PT・OT・STのための働き方・学び方発見サイトさんに
【カンブリア宮殿】今週、木曜日「さらば寝たきり!奇跡のリハビリ病院」として
詳しく記事が掲載されています。

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福利部主催歓迎会に参加してきました

6月11日(日)に横浜リハビリテーション専門学校にて開催された
新入会員オリエンテーション&歓迎会に
私も認知症対策委員長として参加してきました。

会場にはたくさんの方が参加されていて
若者パワーで満ちあふれていました。

配布された資料を見て認知症対策委員長の私に声をかけてくださった方もいたり
県外の養成校を卒業されてお一人で参加してくださった方もいたり
お名前だけは聞いていた方と偶然声を交わすことができたりと
参加してよかったなーと思いました。

若手ゆえの悩みもあるでしょうけれど
未来あるたくさんの作業療法士の方をみて
彼ら彼女らがどんな時も希望だけは胸に抱いて働き続けられるように
そのための県士会でもありますように
と思いを新たにしました。

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中身の連携:Act.の選択

確か前にも一度記事で書いたことがありますが
認知症のある方に何かAct.を提供することを考える時に
とりあえず、昔とった杵柄、かつての趣味を考える人も多いと思います。

でも、その結果
イメージはあるけど、手指の巧緻性低下のためにできなくなった。とか
イメージはあるけど、工程を思い出し修正しながら実行することができなくなった
といった障害のために、かつて得意だったことが今できなくなってしまったという方も多くて
Act.を提供する作業療法士をはじめとするリハスタッフやデイサービスで働くスタッフが
困ってしまうという場合に一度や二度は遭遇しているはずなんです。

そんな時によく私たちが言いがちな言葉が
「一緒にやるから大丈夫」という言葉だと思いますが
これは実は認知症のある方にとって、非常に難しい場面を設定してしまうことになりかねません。

一緒にやる。。。ということは
認知症のある方の隣でスタッフがやってみせる。ということを指すと思いますが
この時に認知症のある方の脳内で要求される処理としては
1)スタッフの言葉を聞いて理解する
2)スタッフのやっている動作を見て理解する
3)自分がやった動作と上記1)と2)を照合して2)になるように修正する箇所を認識する
4)認識した通りに修正する
ということになります。

もしも、認知症のある方に構成障害があれば
上記3)は非常に難しいことになりますし
そもそも上記1)〜4)を同時に並行して処理するという同時並行課題は
認知症のある方にとって難易度が高い課題です。

かつて得意だったことが今できなくなってしまったという体験
単に目の前の課題ができなくなったというだけでなく
もっと深い喪失体験を認知症のある方にもたらしかねません。

適切なAct.を選択するためには
認知症のある方の能力と障害と特性を把握することから始まります。

施設に退院される方の場合には
施設でのリハやケアで、「参加する」ことが求められるようになりますが
ご本人の特性と能力に合ったもの、
なおかつ障害による困難を最少限にするための場面設定について
スタッフが困らないですむように
認知症のある方の不利益となるような体験を提供しないですむように
そのあたりのことも申し送るようにしています。

介護保険領域において厚生労働省が「活動と参加」を強調している昨今
認知症のある方へ提供された
善かれと思ってのリハやレクが常に良い結果となるわけではないのだ
ということについて
特に作業療法士は
警鐘を鳴らすと同時に
適切な提案ができることが求められていると考えています。

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Act.:輪ぐさりは難しい

作業に語らせる:輪くさり

来月の七夕さまへ向けて
Act.提供の一環として輪ぐさりを考える人は多いのではないかと思います。
輪ぐさりはカンタンと思われるかもしれませんが
結構、難しいものです。

当院の入院患者さんの多くは、輪ぐさりのイメージはあっても
輪ぐさりとして作ることが難しい方が大勢いらっしゃいます。

たとえば
作業に語らせる:輪くさり

多くの場合、「これでできた!」とはおっしゃいません。
「あれ?」「あれ?」と首をひねりながら
輪と輪の側面を糊でつけたりして
また「あれ?」「あれ?」と首をひねっています。

イメージはあるのに、再現できない

これは辛い体験だと思います。

中には「どうせそこまでわからないでしょ」とか「どうせ忘れちゃうからいいんじゃない」
と言う人もいたりして、私は本当に驚いてしまうのですが
認知症のある方にとって、輪ぐさりは難しい場合も少なくありません。

ADLとは違って、Act.は必ずしなくてはいけないことではないので
できないこと、苦手なことを提供するのはどうかなぁ?と思います。

認知症のある方の能力と障害と特性を把握できていれば
どんなAct.ならできるか、どの程度なら行えるのか
あらかじめ見当をつけておくことができると思います。

写真のようなケースになってしまうような方の場合
構成障害が重度にあるので
いくら隣でスタッフが「ここに紙を通して」と声かけしても
言われている言葉は聞こえていても
ご自身の行動として実行することは非常に難しい。

構成障害とは
全体と部分、部分と部分の位置関係を認識し再現することの障害のことですから
「ここに」という「こそあど言葉」を使った声かけでは
かえって理解を難しくしてしまいます。

こういうことって一杯ある。ヤマほどあります。

今回、私が上梓した「食べられるようになるスプーンテクニック」
の日総研出版の中野義之さんは
「一時が万事」っておっしゃっていただいて
障害と能力がどんな風に暮らしの困難を引き起こしているのか
食事介助で起こっていることが日常の対応場面でも起こっている
ということを明確に理解してくださった方のお一人です。
こんな風に理解していただける方は
スタッフの中でもまだまだ少ないので本当に嬉しく思います。

認知症のある方に寄り添ったケアをする
というならば、
このような場面で何が起こっているのか
スタッフの側が認識できることが重要だと思うし
もっと言えば、
このような場面は回避できるように
あらかじめご本人の能力と障害を把握できていることが求められるのではないか
と考えています。

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