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まず、暮らしの援助をするために協働して行うことの理解を得る
そのためのコミュニケーションを考える時には
1)自分のノンバーバルな表出をコントロールする
2)その場の状況や場面を評価し可能であれば修正する
3)伝える言葉は明確にシンプルに
4)視覚情報を提示する
5)アメありとアメなしを使い分ける
というような工夫をしています。
2)その場の状況や場面を評価し可能であれば修正する
案外、実際の臨床ではこぼれ落としてしまいがちなところがこの部分です。
・認知症のある方にとってイマ、ココがどんな場面と認識されているのか確認する
例えば、
聴覚情報について:
難聴のある方だけでなくて
聞き間違いはとても多いものです。
また、耳で聞いたことを全て拾ってしまう状態の方もいらっしゃいます。
視覚情報について:
見間違いはとてもよくあることですし
視覚的被影響性亢進という症状(目で見たものに影響される)がある方は
するなと言われても、病気としての症状なので自己修正ができません。
認知症のある方の言動だけでなく
まずは、自分の言動を意識化する
そして、認知症のある方と自分が存在する環境からの聴覚情報・資格情報を意識化する
私たちは無意識のうちに、取捨選択して脳内処理してしまっている環境情報を意識化する
ということはとても大切です。
・可能であれば情報整理という意味で環境調整をおこなう
例えば
廊下で話している人の声を聞いて反応してしまう方であれば
「私の話を聞いて」と言うのではなくて
お部屋のドアを閉めて、余分な聴覚情報が入らないようにします。
食事の時に周囲をキョロキョロと見渡してしまい集中できない方であれば
「キョロキョロしないでご飯を食べて」と言うのではなくて
食堂の角など職員の動きが少ないところへ移動していただくようにします。
私たちは当たり前にごく自然に
聴覚情報、視覚情報の取捨選択や脳内処理をした上での認識ができていますが
認知症のある方にとっては常にそうとは限りません。
私たちだって目で見た風景と写真で撮った風景が違って見えたという経験があると思います。
例えば、この二つの写真は屋外にある階段を上から撮った写真ですが
何の説明もなく、段差を段差として認識することは難しいのではないでしょうか。
![](https://kana-ot.jp/wp5/wp-content/uploads/2019/05/IMG_0880-300x273.jpg)
認知症のある方にとって
イマ・ココが
どんな風に聞こえ、見えているのかは
評価してみないとわからないし、その評価の的確性については確認してみないとわかりません。
そういう意味で
環境認識を仮定し、実際に調整してみて、反応を確かめる
ということは、とても重要なことだと考えています。
声かけの工夫ーどんな風に伝えたら、わかりやすいのか
考えることは大事ですが、独りよがりにならないように、的確さや有効性を担保するためには
目の前にいる方にとって、イマ・ココがどんな風に認識されているのか
その上での声かけの工夫だと考えています。
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