会話の工夫14

何か綺麗なものを作れたり
誰かと楽しく話をしたり
それは素晴らしいことで
その可能性を追うことも大切だけど

ADLは認知症のある方の身体に密接に関係していること
手続き記憶を活用できる場面でもあるから
何か特別のことをすることが難しくなってしまった方には
とりわけ、意思疎通困難な方には
ADLをもっときめ細やかに観察・評価・検討することが
ブレークスルーにつながっていくことが多々あります。

「食べられるようになるスプーンテクニック」
に詳述していますので是非ご覧ください。

ADLを単にADLと捉えるだけだと
できるところはやっていただき、できないところは介助する
で終わってしまいますが、それではもったいない。

ADLという「場面」に反映されている
その方の能力と困難と特性を把握できる貴重な場面だからです。

Activityは、過去の経験の有無や得手不得手が
大きく関与してしまいますが
ADLはしたことがない人はいないし
(例え介助下であっても経験はしている)
得手不得手に関係なく、遂行してきた活動です。

できることのでき方を観察・質的評価をきちんと実施し
能力と障害の反映を洞察すると
認知症のある方がどんな風に環境を把握し環境に働きかけようとしているか
ありありと実感できるようになってきます。

そうすると接し方が変わる。
変えるのではなくて自然に変わる。
認知症のある方の現状の理解の深度が滲み出る。

認知症のある方に
話しかける言葉の一つ一つに滲み出る。
そう感じています。

 

  

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