認知症のある方へのAct.選択@小田原OT勉強会

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9月9日(水)の小田原OT勉強会

予定されていた「リハビリテーションとお金の話」は
事情により延期となりました。
楽しみにしてくださった方、申し訳ありません。

今回は、「認知症のある方へのAct.選択」について
私が担当でお話させていただきます。

認知症のある方に
「ご希望は何ですか?」
「お困り事は何でしょう?」と言葉で尋ねても
なかなか的確な答えが返ってこないことも往々にしてあります。

尋ねられていることそのものが理解できない方だって
少なくありません。
イラスト見せたって、意味がわからずに
紙を破ってしまう方だって
いらっしゃいます。

だからといって
ご本人に尋ねても仕方ない…とは思えません。
認知症のある方のもう1つの言葉である「行動」
そして私たち作業療法士の業である「体験」
これらを通して、言葉にならない声を聴くこともできると
感じています。

じゃあ、何でもいいからやってもらえば。とか
昔やってたことをやってもらえば。とか
そんな風にも考えていません。

どのようにAct.選択を考えたらよいのか
提供にあたって、どんなところに気をつけたらよいのか
有効な方法について、実はあんまり
言語化されていないように感じています。

Act.選択の考え方・留意点を
体験談を通して具体的にお伝えいたします。

詳細は神奈川県作業療法士会のサイトからご確認ください。
http://kana-ot.jp/wpm/lecture/post/3580

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困りごと ≠ 悪いこと

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生活障害やBPSDは
確かに本人にとっても周囲の人にとっても
困りごとではあるけれど、悪いこと=問題点じゃない。

悪いからなくそう、良くしようという視点で現実を眺めることで
事実を見誤ってしまっているのだと思う。

悪いことをなくすためにどうしたらいいのか
という問いの立て方が不適切だったのなら
問いを立て直せばよいのだと思う。

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誤介助による食べ方の誤学習 3

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認知症のある方の「食べる」ことの困難は
当初は、先行期や準備期、口腔期にあって咽頭期にはないことが多い。

そして、それらの困難は
実は、認知症のある方「だけ」の問題に由来するのではなくて
認知症のある方のちょっとした困難に
プラスαして、介助者側の不適切な介助によって
悪循環として起こっていることが圧倒的に多い。

その結果、当初は問題のなかった咽頭期に
喉頭挙上の遅延や不完全挙上、複数回挙上などが起こる
そして、誤嚥性肺炎になってしまう場合が多い。

人の手によって
助長された事柄なら
人の手によって
改善することもできる。

そのようなケースをたくさん体験しています。

なぜなら
「食べる」という行為は
赤ちゃんの時から繰り返し繰り返し行ってきた
究極の手続き記憶だから

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150歩への可能性

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そんな状態でも
ちゃんとした介助−スプーン操作をすれば
開口時に舌先が下の歯の付け根についた状態に戻る。

最重度の認知症のある方でも
残っている能力で
常に環境適応している。

食事介助中に
ムセの有無しか見ていないと
この変化に気がつけない。

人間を含めた大自然の神秘に比べれば
気づきの違いは、五十歩百歩かもしれない。

でも、50歩と100歩は厳然として違う。

その違いの差は
まだ気づけていない150歩への可能性を開いてくれる扉でもある
そう感じています。

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誤介助による食べ方の誤学習 2

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多くの場合
そんな状態になっているのに気がつかれていない。

なぜなら、ムセないから。

「ムセない=食べ方全般がOK」という誤解があるから。

そのまま、誤介助が続けられると
もっと食べ方が乱れてくる。

開口した時に
舌が丸まって奥の方にひっこんでいたり
舌先が上顎にくっつきそうなくらい丸まって上がっていたり

そんな状態でも、ムセないから
食べ方が乱れていることに気がつかれないで
誤介助が続けられる。

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誤介助による食べ方の誤学習

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適切な食事介助をしていない時に
重度の認知症のある方でも
その不適切な介助に適応しようとして
自らの食べ方を崩してしまいます。

口腔器官の運動や感覚の麻痺のない方で
驚くような食べ方をしている(させられている)方は
実はとっても多いのです。

その1
開口した時に
舌が舌の歯の付け根についていなくて
後にひっこんでしまっている人。
舌先と下の歯の付け根との間に隙間がある人。

このような場合
たとえ重度の認知症があったとしても
適切な介助により正の学習の結果
適切な食べ方を再学習できます。

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事実を積み重ねる

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事実を積み重ねると浮かび上がってくる。

〇〇という言動が見られた。
だから、△△と考えた。なんて無理矢理考えなくていい。

実習に来た学生さんには必ずそう伝えています。

認知症のある方の言動に
無理矢理意味を当てはめようとするのではなくて
認知症のある方の言動を
今日、明日、あさってと
積み重ねていくと
時系列の縦糸
異なる場面での横糸
どちらの方向にも、自然とつながってくる「線」が浮かび上がってくる。

浮かび上がってきた線を
手元にある情報と照らし合わせると
自然と明確になる「意味」が見えてくる。

見えてきた「意味」と
これから見える言動を照らし合わせると
「意味」に無理があったのかどうかも浮かび上がってくる。

「無理」だったら「意味」を見直せばいいし
無理がなければ「意味」をスタートに進めばいい。

「線」が浮かび上がってこない時には
見てるようで見えていないから
見ることを積み重ねればいい。

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連携の出発点

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チームワーク、多職種連携において
出発点となるのは
まず、自分がやってみせられることだと思う。

自分が関わったことによって
こんなに変わったよ、お互いにラクになったよ

他の職種にも
はっきりとわかるくらいに

「言う」よりも「やる」方が先。

80%「やれる」人なら
話の土俵に乗れる。

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