POST連載「認知症のある方を担当したら」

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新たな連載開始のお知らせです。
「認知症のある方を担当したら その1:事前準備」
http://1post.jp/1706

なぜなのか本当に疑問ですが
認知症のある方に対して
「どうするか」ばかり議論されて
どのように評価するか。ということや
どのように情報収集するか。ということが
あまり検討も議論も言語化もされていないように感じられます。

現状の的確な把握が為されていないのに
方法論ばかり考えたって
そりゃたまには「当たる」こともあるでしょうし
認知症のある方の能力がそれなりに保たれていれば「合わせてくれる」から
表面的には困る場面に遭遇しないかもしれません。

「でも本当にこれで良いのだろうか。。。?」

そんな疑問を抱いている人は決して少なくはないのだと感じています。
ただ、自らの疑問を明確には言語化できないから
悶々とした気持ちを内に抱くしかない。。。
なぜなら、あまりにも現行言われている方法論を微塵も疑うことなく言い切る人がとても多いから、
その強さに押されてしまうのではないでしょうか。

でも、納得できないことは納得できないですよね。

科学は過去の知識の修正の上に成り立つ学問です。

私たちの目の前にいる、認知症のある方こそ、最前線。

目の前で起こっていることを
できるだけ曇りなき眼で見定められるように

認知症のある方とご家族の余分な困難が少しでも少なくなるように

不遜なことかもしれませんが
たぶん、困っている人にとっては、本当に現場で役に立つことなんです。
かつての「どうしたらいいのかわからなくて、とても辛かった」時の自分を思い出しながら
記事を書いてまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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勉強@第35回日本認知症学会学術集会

 

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平成28年12月1日(木)〜3日(土)に
東京国際フォーラムで開催された
第35回日本認知症学会学術集会に行ってきました。

純粋に勉強しに行けるのは楽しい (^^)

企画・運営も、講師もしないので
ただ集中して貴重なお話を聞くことができます。
こんなに楽しいことはないです。

本当は12月1日(木)も行きたかったのですが
あいにく、どうしてもはずせない仕事のために参加できず
(というか、この日が一番行きたかった。。。残念 (^^;
でも、2日間も参加できて良かったです。

すっごく勉強になったし
何よりも認知症のある方のために
熱心に誠意をもって取り組まれているたくさんの医師のお話を聞くことができて
胸が熱くなったし、勇気と希望の気持ちが湧き上がってきました。

この学術集会は
8時始まりのモーニングセミナーもいつもたいてい満員なんです。
今日は昨日より早めに到着したのですが
それでも2/3くらいの席が埋まっていました (@ @)
プログラムも一日ギッシリ
会場の中は早歩きで移動
さすがに疲れたー。

でも、頑張るー!
明日へのエネルギーをもらえました (^^)

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チームワーク考:注意

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抽象的なことばかりじゃなくて
具体的なアドバイスをするとすれば
相手の動線と工程を考える
ということかな?

案外、盲点になってると思いますが
看護介護職に新たに何か対象者のことでお願いする時には
相手の動線と工程を考えたひと工夫をしています。

たとえば
ベッド上のポジショニング

当然、写真を撮ってお部屋のどこかに写真を掲示します。
その写真には、クッションをどこに入れるのか順番を書き込みます。

その上でポイントについては部分的に拡大して
まちがいやすいところやポイントについてコメントを入れておきます。

できれば
使うクッションに、どの部位に使うものかの書き込みもできるとベストだと思う。
書き込みが難しければ、後で剥がせるように貼っておくとかしておくと良いと思います。

そして
掲示するための写真とは別に持ち運べるように
カードケースの中にもまったく同じ写真を用意しています。
そうすれば、たとえば、写真が頭の方に貼ってあって
でも足下のクッションの入れ方を確認したい時に
いちいち動いて頭の方にある写真を見に行かなくても
カードケースを持って足下で写真を手元で見ながらクッションを入れられます。

あまりよく知らないことをやらなくてはいけない人の立場になって
ポジショニングが完了するまでに
できるだけ移動距離を少なく、工程も少なく、手間ひまかけずに
あまり悩まずにラクにできるような方法と環境を作ることって
とっても大切だと感じています。

ふだんはあまりやらない苦手なことを自分がやる時って
そうじゃないですか?
できる人にしたら、そのくらい工夫しろよって言われるかも。ですが
苦手なことはやるだけで精一杯だから、工夫する余裕なんてない。と思う。

使う場所に使うものを用意する。
説明は使う場所で見られるようにする。

ポジショニングの説明はナースステーションの中の申送り簿に入れておくのもいいけど
それはあくまで説明用だから
実際の設定するお部屋にポジショニングの写真は貼っておかないと。

同じ理由で
車いすのシーティングだったら
写真を撮った説明は、車いすのポケットに入れておくとか。

相手の動線と工程を考えた対応をする。

連携や協力や情報伝達を考えた時に
「伝え方」に工夫をするのは、こちらが努力できること。
こういったところに手を抜かないことが大切だと感じています。

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チームワーク考:機会

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状況が変わる時が絶対に来ます。

チャンスがやってくるんです。

でも、諦めてぼーっとしてると
チャンスがきてるのに、チャンスだということに気がつけない。
見逃してしまうんです。

「チャンスの神様には前髪しかない」
「チャンスは前髪をつかめ」
って言うじゃないですか。

諦めずにその時できる最善を尽くしていれば絶対に状況が変わる。
その時を牙を研ぎながら待っていればいいんです。
そして、チャンスがやってきたら
研いでいた牙を使って最大限できることをすればいいんです。

そのためには
雌伏の時をぼんやり過ごしてはいけないのです。
牙を研いでおかなければ巡ってきたチャンスを活かせない。

具体的にこういう展開があった
ということをご説明した方が良いかとは思いますが
詳細はこういうところでは書けないので (^^;
どこかでお会いした時にでもお声かけください。

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チームワーク考:戦略

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その上で
長期的な視野で戦略をもつことです。

よく言われる飲みニュケーションですが
個人的な関係性は良くなりますが、組織的にはあんまり変わることはないんじゃないですか。

というか
個人的な関係性によって組織の在りようが変わってしまう組織なんて
健全じゃないと思いますが、どうなんでしょうね。

説明すればわかってもらえると思って
必死になって説得しようとして
「どうやって説明したらいいでしょうか?」と質問される人もいますが
『説明する→理解してもらえる→望んでいるイメージ通りの状態になる』
ということの方が少ないでしょう。

それよりも
現状を否定せずに戦略を立てることです。

対象者にとっても
他職種にとっても
自分の職種にとっても
みんなにとって今よりも良くなるような戦略です。

ここで決して「作業療法の有用性を理解してもらう」なんてことを考えてはいけません。
案外そういう作業療法士がいるようですけど
理解してもらえるのは結果なのですから
説明よりも対象者の方が良くなるように結果を出せるように努力することのほうが先です。

これについては
「自分が変われば世界が変わる」
の記事でも書いていますので詳細はご参照ください。

ところが
他の施設とあまり交流がないところで働いていたり
文献を読んだり研修会に出ることもない人だと
上記記事の中にある50%と90%の違いが分からなくなってしまうんです。
30%だったのが50%になっただけなのに
本当はさらにその上があるのに
あたかも90%為したみたいに勘違いしたり。。。(^^;

勉強は大事です。

話を戻すと。。。
あるべくしてなっている「今」の背景や経過に関する情報収集します。

何も直接相手に聞くってことじゃありませんよ。
時には聞くことも必要ですが。

多職種の動きをよく観察すれば、
何を優先してどのように行動しているのかその規範を理解できます。
誰も言葉にはしていないその部門の背景や経過がぼんやりと見えてきます。
その上で誰か信頼できる人に具体的に尋ねてみると
見えてきた情報をさらに補足する事柄を教えてもらえると思います。

得られた情報をもとに
何を優先して何の優先順位を下げるのかを考えます。
優先順位達成のためにどうするのかを考えます。

そんな風にしていると
ある時状況が変わる時がくるんです。

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チームワーク考:視点

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いろいろなところでお話をすると
決まってチームワークについてよく質問されます。

「多職種連携について、どうしたらいいでしょうか?」
「協力してもらうには、どうしたらいいでしょうか?」

どうも、セラピストには養成課程において
「リハスタッフの指導をありがたく受け取って実践してくれる看護介護職」
とでもいうようなイメージが刷り込まれているようで (^^;
「いくら説明してもやってもらえないんです」的な内心を吐露されることもあります。

あぁ大変なんだなぁ。。。とは思いますが
ちょっとその大変な感情は横に置いておいて。
何が起こっているかというと。。。

まずは
セラピストが頭の中で
「本来あるべきチームワーク」や「看護介護とのあるべき連携」とでもいうような
イメージを明確にこしらえている。という前提要件をしかと認識していただきたいです。

モノゴトを考える時には
まずは自分が無自覚に抱いている前提要件を意識化することって
とても大切なことだと考えています。

前提要件って、立場によって状況によって人によって異なったものを抱いていて当たり前なのですが
前提要件を明確化も共有化もしていないことを確認もせずに
その前提要件の上に立つ考え方や方法論を検討してもズレてしまっても当然でしょう。
と思うわけなのです。
案外、ここが盲点になっている人っていっぱいいると感じています。

その上で
職場の状況はさまざまで
いろいろな背景と経過があって今があるという認識をすること。

「他」部門の現状と今後を考えるのは
他でもない「他」部門のトップであって
自分という「他の部門の一個人」ではないということを認識すること。

こういうと抵抗を感じる人もいるかも。ですが
逆の立場で同じことを想像してみてください。
リハ以外の部門の一個人から
「リハでこうこうこうしてほしいんです」って仕事内容の変更を要請されることを。
ビックリしませんか?
もちろん、下話としてはありだし、希望としてもありだし
でも、要請としては「?」ですよね。
こういうことっていっぱいあります (^^;

ここで誤解のないように付け加えると
私は仕方ないから諦めろと言っているわけでは決してありません。

どんな関係性においても言えることだとは思いますが
相手の現状を否定しても良いことはない。からなのです。
だって「今」あるべくして「今」なのです。

今を否定しない。
あるべきイメージから差し引きマイナスで現状を見て判断しない。
今をそのまま認識して、今も良いけど今より良くなったらもっと良いよね。
という視点で積み重ねていく。
Bestを望むのではなく、Betterを積み重ねていく。
そういう視点が重要なのだと考えています。

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講演@日精看第23回学術集会

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平成28年11月27日(日)に
新潟コンベンションセンター朱鷺メッセで開催された
第23回日本精神科看護専門学術集会
【認知症看護】作業療法士から学ぶ技「食事介助を変えれば食べ方が変わる」
というテーマでお話とデモンストレーションを行ってきました。

プログラム集の14ページに私の講演の抄録が掲載されています。

日本精神科看護協会のAさんには
事前のご連絡の時からきめ細やかなご対応をいただきました。
どうもありがとうございました。

座長は日本精神科看護協会の大塚副会長さんで光栄でした。
大塚副会長さんには、とてもきめ細やかでさりげないたくさんのフォローをしていただきました。
デモンストレーションの時に初めての場面にもかかわらず
これだけきめ細やかなフォローを迅速に対応されるということに感服いたしました。
本当にどうもありがとうございました。

以前に当院で認定看護師取得のための実習に来ていた
複数の看護師さんもお話を聴きにきてくださり
お久しぶりにお会いすることができてとても嬉しかったです (^^)

抄録を読んで「この話は是非聞きたい」と会場にお越しくださった方や
入れ替え性なのに2回続けてお話を聴いてくださった方もいらして
本当に嬉しく思います。

ぜひ、職場で実践してみてください m(_ _)m

そうして
少しずつでも適切な食事介助がおこなえる人が増えていって
認知症のある方が1人でも多く
ラクに食べられるようになることを
心から願っています。

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ちなみにこちらは
会場へ向かう途中の新潟市内でみかけました。
朱鷺のポールスタンドが可愛い (^^)

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そして
ちゃんと食べてきました!
新潟名物
な、なんと!南魚沼産コシヒカリ新米ですー!!!
すっごく甘くてすっごく美味しかったー♡
お刺身も小ふぐの天ぷらも焼き魚もお味噌汁も
みんなみーんな美味しかったのですが
こんなに美味しいご飯だけでも大大大満足です☆

至福のひとときでした。。。(^^)

あら
やっぱり食べ物の話で終わってしまった。。。あれ?

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伝わるのは根底の考え方

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いろいろなところに出かけて
いろいろな方に出会えて
いろいろなお話を聞くことができるのは
とてもありがたいことです。

その人の主張されるお話を聴いていると
その人が言葉にしていない
根底にある考え方が透けてくるように感じます。

認知症のある方に対して
〇〇という方法論をとるというお話の前提として
その人は認知症のある方をこんな風に捉えている
だから〇〇という方法論をとるというお話をされているのだ
ということがよくわかります。

いろいろな立場があって
いろいろな考え方があるのでしょうけれど
私は信頼をベースに置いている考え方が好き。
性に合うんです。

紙は細部に宿りたまふ。
この考え方も好き。

私は作業療法士だから
「体験」をともにすることで
その人を理解しやすいです。

表現と実践
主張と考え方

逆に言えば
私自身もこんな風に書くということや話すという体験を通して
自分自身をさらしていることにもなるわけで
それは恐ろしい一面でもあるけれど
そういった体験を通して鍛えられている一面もまたあります。

自分自身の立ち位置という根本を
問い返され、吟味を要求される。

どうしたって表現の過程で
日頃の実践が透けてみえるわけで
問われているのは日頃の実践と
その実践を為すにあたっての自分の根本的な考え方なのだと
しみじみと感じています。

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