自分にわかることしか観えない

古今東西、当たり前のことだと思いますが
私たちは自分にわかることしか観察できない。

その時の自分にわからないことは
見れども観えず。になってしまっています。

そこからスタートするしかない。

そこからスタートすれば
今まで観えていなかったコトが何なのか
注意を向けることができるようになります。
注意を向けることができれば観察することができるようになります。

その過程を繰り返すしかない。

ただし
ここは誤解されていることが多いようですが
注意を向けようと意思すればできるようになるわけではなくて
その「意思」を具体化する「行動」として
目標設定の基準と条件の明確化をするという「自分の能力」を発揮することによって
注意を向けるポイントが明確化されるのです。

意思しているだけでは変わらない
「意思」を「行動」として表現することが必要なのです。

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NS向けセミナーのお知らせ

平成29年9月24日(日)に
(株)geneさん主催で
「ナースのための認知症のある方への対応の工夫と考え方」が
(株)geneさん本社セミナールームにて開催されます。

対象は
看護師・介護職・歯科衛生士・その他
認知症のある方を対象にお仕事をしている方ならどなたでも参加できます。

詳細はこちらから
http://www.gene-llc.jp/seminar_info02/?id=1489973249-467038

教科書には書かれていない
他の誰も言っていない
実際の現場で役立つお話と自負しています (^^)

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汎化していく

目標設定のトレーニング過程において
概念の明確な理解が要求されます。

実践において
すりかえられがち、混同されがちな
目標と目的と方法

言葉の使い方が曖昧ということは
概念の理解が曖昧ということを示しています。

自分コトとして
概念の区分けができるようになると
目標設定において
実は重要な臨床能力というものは
対象者の能力を見いだすというセラピストの能力である
ということが明確に理解できるようになってきます。

最初は大雑把にしか能力が把握できないセラピストでも
目標を目標として設定する過程において
否応もなく細分化された能力の把握を要求されるので
自分で自分をトレーニングするようになってきます。

もしかしたら
世の中には天才的にパッと対象者の能力を
感覚的に明確に把握できて
常に適切に対応することが可能なセラピストも
いるのかもしれません。
そういう人には関係ない話ですが
目の前にいる方にちゃんと役立てるようになりたい
少なくとも不毛なことはしないですむようになりたい
そう願っていた私にとっては切実な問題でした。

能力を細かく明確に把握することができる
ということと
目標を適切に設定できる
ということは
別の問題ではなく相当深いところで関連し合っている。

なぜなら
目標というのは行動のカタチで表される
行動というのは生きている人にしかできない

このことの意味に気がついた時には身震いしました。

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苦手なコトは武器になる

よく実習に来る学生さんに言っています。

今できないコトや苦手なコトは
苦しいけど、辛いけど、心配はいらないよ。

苦手なコトは武器になる
って言っています。

なんとなくできてしまうことは
できてしまうからこそ、人に伝えられなかったりする。
つまり、はっきり自分で理解できていなくてもできちゃう。
良くも悪くも。

苦手なコトに直面するのは辛いけど
苦手だからこそ明確に理解しようとするし
できないことがわかっているからこそ、できるようになったこともよくわかる。

なんとなくできちゃう人より
はっきりわかったうえでできるようになってる。

どうしようもないのは
困ることすらできないってこと

ピンチはチャンス☆なんです。

元・目標設定が全然わかっていなかったかつてのOTSより

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目標設定の研修会(平成29年度)

「よい目標が設定できる作業療法士になろう(仮)」
平成29年11月12日(日)に
作業療法総合研究所さん主催で開催される予定です。
まだ詳細は決定していませんが
速報として掲載されています。

養成校で
実習地で
必ず教えてもらう目標設定ですが
わかったようなわからないような
モヤモヤした気持ちになりませんでしたか (^^;

誰でもできそうで
案外できていないのがこの目標設定です。

老年期においてよく為される目標が
「現状維持」
「安全に移動できる」

この設定のどこがどう不適切なのか
言語化できますか?

目標と目標でないものの区別がつく
目標でないものを目標として設定できる

そうすると、その後の展開が変わってきます。

目標は対象者の目標なので
対象者とセラピストが恊働で設定することが要件ではありますが
恊働は言葉だけで為されるものではありません。
対象者のもう1つの言葉を聴き、提案することができるのは
Occupational Therapist の強みです。

重度の認知症のある方を対象にOTRとして働いているからこそ
自分の中で明確にする過程をもう1つのtaskとして行ってきたからこそ
お伝えすることができると感じています。

重度の認知症のある方とともに行ってきたOTによって
認知症でない方にも通じる普遍的なことを
(Act.設定や意味、注意点など)
ある程度の確かさをもって言えると感じています。

ありそうでないのが「目標設定」の研修会

詳細が決まりましたら
作業療法総合研究所さんのサイトに掲載される予定です。
そうしたら、こちらでもお知らせしますね (^^)

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バリデーションセミナー2017のお知らせ

「バリデーションセミナー2017」のチラシが我が家に届きました!

毎年開催される体験型の1日セミナー
今年は7月に開催されるそうです。

まだ未体験の方は是非!
オススメします☆

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ご家族の不安

不安すぎて言葉にできない

もしかしたら
そんなこともあるのかもしれません。

入院して
元気で暮らしているのかどうかわからない
自分がお見舞いにきていない時はどうなんだろう

不安な気持ちが先立つけれど
不安だからこそ、心配だからこそ、言葉にできない、したくない。

そういう気持ちは、何となくわかるような気がします。

ご家族には、まずふだんの様子を伝えるようにしてる。

とりわけ、その方の特性がよく現れている行動を

そうすると
ご家族の方から
「そういえば昔こんなことがあって」と語り出してくださることが多い。

過去のその方の特性を知ってるご家族と
現在のその方の特性を知ってる私とで
「体験」をベースに話をすることができるようになる。

そうすると
未来へ向けて
その方の特性を知ってるご家族と私とで話ができるようになる。

意味をいつ付け加えるかは、その時それぞれだけど

「最初は心配だったんです」
とご家族の方から言葉にできるようになると
結構具体的な話までできるようになる。

いきなり、症状や障害の説明をするのではなくて
体験を通してその方らしさは変わらないということを共有化できるように
まず、そこを最初に

言葉だけに頼らない。のは
認知症のある方に対してだけでなくて
ご家族に対しても同じだと考えています。

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特別なことではなく

OT Labでお話したように
私は自分で計画的に決めて実行してきたというより
肝心なことは結構その時々のコトに影響されやすかったりして
そんなにカッコよくはないOT人生なのです。

世間では
「私=認知症専門のOT」と言われるようになっていますが
それだって、なんだか、いつのまにかそうなっていたという。。。

その時々で
目の前にいる方に
ちゃんと役に立てるようになりたい
お題目を語るのではなくて
困りごとが少しでも少なくなるように
できれば善いことができるように
少なくとも、私が担当して悪くなることがないように
痛切にそのことは願い続けてきました。

私の話は(つまり実践は)
なんにも特別なことはしていなくて
本当に基本的なことを地道に積み上げてるだけなのです。

でも、だから
多くの人の臨床場面と重なることが多いのかもしれませんね。

私とある方との体験という個別のケースが
お話を聴いてくださった方とその方が担当している方にも
通じることになるのかも。

「個を突き詰めていくと普遍に通じる」
とは河合隼雄の言葉ですが
そのようにつながる実践やお話の途上に
もしも、私がいることができているとしたら
それは本当に心底嬉しいな。

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