認知症セミナー@gene「評価」

平成30年10月21日(日)に
東京の中央労働基準協会ビルにて
(株)geneさん主催のセミナー
「認知症のある方への対応入門〜評価のすすめ方」というテーマで
講師を務めてきました。

運営を担当してくださったTさん
参加してくださった方々
どうもありがとうございました。
お疲れさまでした。

認知症のある方をcontrolするということと
認知症のある方の環境認識を援助するということは全く違う。
全く違うけれど紙一重。
容易にすり替わってしまいがちだから自戒が必要。
この立ち位置を明確にしておかないと
その上に積み上がっていかないというところからご説明を始めました。

援助という視点を明確にした
意図的な観察をすることによって
評価が深まっていく。
そのために必要な考え方、展開の仕方を具体的にご説明したつもりです。

今回は「評価のすすめかた」がテーマでしたが
次回11月25日(日)の「認知症のある方への評価から対応まで」では
評価をどのように対応に活かすかについて
具体的な事例を紹介しながらご説明いたします。

そして
生活障害やBPSDを表面的に修正しようとしてはいけない
ということの意味をもう一歩深く踏み込んでお伝えしたいと思います。

「こういう時にはどうする」というハウツー的展開へ違和感を抱いている方や
自分のしていることは認知症のある方を言いくるめたりごまかしたりしているだけ
なのではないかという疑問を抱いている方には、きっとお役に立てる内容と自負しています。

ご参加、お待ちしております。

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違和感がヒント

仕事でも講演でも
自分が組み立てて何かを為した時に
ふと違和感を感じたとしたら
それは私にとってのブラッシュアップのヒントだった
ということって、とても多い。

どこがどう。と明確に言語化できなくて
でも、何か心に引っかかることがある。

そんな時には
まず言語化できるように努力するけど
必ずしもすぐに「あ!そうか!」とわからない時だってある。

わからないことって、抱え続けるのは
モヤモヤした気持ちでいることになるけど
忘れないようにする。エイやって放り投げないようにする。
違和感を感じたところを心に留めておく。
それだけでも違う。

そうすると、後になって、ひょんな時に
「あ!そういうことだったのか!」と気がつくことが多い。
気がついてしまえば何てことはないことでも
気がつけない時は、どうしたって通り過ぎてしまう。

違和感がブラッシュアップのヒントになる。
そういうことって、とても多い。

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@家族懇談会「みのりの会」

平成30年10月13日(土)に
認知症の人と家族の会神奈川県支部さんの主催で
横浜市健康福祉総合センターで
家族懇談会「みのりの会」が開催され
そこで食事介助の話をするようにとのご依頼があり
行ってきました。

懇談会という貴重なお時間の一部を割いてのことでしたので
「そんなこともあるんだ」「じゃあ気をつけてやってみよう」
と思っていただければ。という目的でお話とデモンストレーションを行いました。

「知らなかった」「もっと早く知っていれば」というお声もいただき
機会をいただけたことに感謝するとともに
本来は、ご家族よりむしろ、直接、仕事として食事介助に関わる職員にもっと知ってもらわないと。
という思いを強くしました。

私たちが適切なスプーン操作ができて初めて
認知症のある方の本当の食べ方、困りごと、能力を目にすることができるのです。
12月に東京で丸一日、実技もたっぷり体験できる食事介助のセミナーが開催されます。
どうぞ、ご参加ご検討ください。
https://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1530953120-030808

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認知症セミナー@gene(10月〜12月)

(株)geneさん主催で下記概要でセミナーが開催されます。

「認知症のある方への対応入門ー評価のすすめかた」
https://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1527050709-519360
「検査=評価」ではありません。
できないことをどれだけ詳しくわかってもできるようにはならない。
一見できないことのように見える中にこそ、能力が反映されている。
評価とは何か、能力を見いだすためにはどうしたら良いのか
評価をどのようにすすめていくのかというお話です。

「認知症のある方への評価から対応まで」
https://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1527045939-796344
「〇〇という方にどうしたら良いのか?」「こうしたら良い」というハウツー的思考と対応は
認知症のある方一人ひとりに寄り添ったケアという理念の真逆にあるものです。
評価できるからこそ、ピンポイントで対応の工夫を具体的に提案できるというお話です。

「認知症のある方への食べることへの対応」
https://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1530953120-030808
認知症のある方への食事介助は
認知症という状態像の理解と食べるということの知識・技術の両方が必要ですが
病態像が異なるCVA後遺症のある方への対応とは違う対応が求められます。

いずれも通底しているのは
認知症のある方の埋もれていて表面には現れていない能力を
どのように見出しどのように活用できるように援助するか、という視点です。

認知症のある方とご家族の暮らしの困りごとが
少しでも少なくなることを心から願っているけれど
日々の臨床でどう考えたら良いのかわからなくて
苦しかったり困っている方のお役に立てると自負しています。

かつて
現行で良いと言われていることは全てやってみたけれど
その都度、これは違う、自分の求めているものではないということを
繰り返し体験し、不全感と苦しみの日々を経て
ようやく納得できる考え方と展開を実践できるようになった臨床家として
一人でも多くの方へ、そして次の世代へ向けて
更なる実践の蓄積と深まりへの願いを込めてお話させていただきます。

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講演@文京学院大学

平成30年10月6日(土)に
文京学院大学本郷キャンパスにて
「認知症のある方に本当に役立つセラピストになるために」
というタイトルで講演をしてきました。

ほぼ定員いっぱいのたくさんの方にお話を聞いていただくことができました。
貴重な機会を作っていただけたことに心から感謝申し上げます。

私は認知症のある方を取り巻く現状に強く危機意識を抱いています。
優しく親切に快適さを心がけて接するだけでは
認知症のある方とご家族の暮らしの困りごとを少なくしていくことは難しい。
認知症という状態像は脳の病気によって引き起こされるからです。
同じ脳の病気によって引き起こされる脳卒中後遺症片麻痺のある方に対して
優しく親切に快適さを心がけるだけでは
麻痺が改善するわけでもADLが良くなるわけでもありません。
専門的なリハを受け、動作のポイントを踏まえて
毎日の暮らしの中で繰り返し繰り返し実践していくことが求められています。
認知症のある方だって全く同じなのです。

そのためには
認知症のある方に今、ここで、何が起こっているのか
評価、アセスメント、みたてができなければ。

そのためには
知識をもとにした観察ができなければ。
その観察をするにあたり
どんなに自戒してもしすぎることがないのが
私たち自身の在りようで
援助と使役は紙一重だということ
そして自分が何をしようとしているのか、自分自身が明確にしておくことが
肝要なのだということをお伝えしました。

一人でも多くの方に伝わって
明日からの臨床に活かされ
認知症のある方とご家族の暮らしの困難が少しでも少なくなることを
心から願っています。

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講演@NEXT10

平成30年10月4日(木)に
南足柄市のりんどう会館にて
「NEXT10 介護の力で南足柄を一番にする会」さん主催の研修会で
「認知症のある方への食べることの援助」
というタイトルで講演&実技体験を行ってきました。

窓口になってくださったIさん
代表のTさんはじめスタッフのみなさま
当日参加されたみなさま
お疲れさまでした。
どうもありがとうございました。

アセスメントしなければ
どう工夫したら良いのかわからない。
アセスメントするためには
観察をしなければわからない。
観察ができるためには
知識が必要だし
知識をもとにして適切な介助ができなければ
対象者の本当の能力を見出すことができない。
そういう内容でお話をしました。

一人でも多くの方に届くことを
そして、一人でも多くの対象者の方の食べ方が良くなることを
心から願っています。

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ムセ=嚥下機能低下?

ムセたら、嚥下機能低下
とすぐに判断するのではなく
ムセた時に、何が起こっていたのか
きちんと状態を確認することが重要です。

えてして
食事中にムセたら、まずトロミをつけて様子観察する。
という対応をしてしまいがちですが
ムセは必ずしも嚥下機能低下が本質的な原因ではないことが少なくありません。

姿勢や身体の使い方の問題がメインで
ムセは二次的に引き起こされていることがよくあります。
そのような場合には、身体状況にアプローチすることでムセが良くなります。
トロミをつけるだけでは本質的な問題は改善されません。

ムセを問題として捉えるのであれば
ムセが起きている状況をきちんと観察することで情報収集し
その方がどんな風に食べているのかをきちんとアセスメントしなければ
何が起こっているのかがわからない。
わからないから、的確な対応ができない。
だったら、わかるようにすれば良いだけです。

生活歴は確かに大事です。
その方の好き嫌いなどの嗜好を確認することも大事です。
それと同じように、食べ方に反映されている困難も能力も把握しなければ。

お年寄りは、口腔内にちょっとしたウィークポイントを持っています。
身体全体にも何らかのウィークポイントを持っています。
なおかつ、ウィークポイントをなんとか代償しようとして頑張って食べようともしています。
この部分を「観る」ことが一番大切。

ムセという結果だけ見て、嚥下機能低下という判断は早計です。
食べるという行為は、決して「口」だけで為されているわけではありません。
私たちは文字通り全身を使って食べているのです。
だから、食べ方では全身を「観る」必要があります。

認知症があってもなくても必要性には変わりありません。

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既成概念に囚われない

ノーベル医学生理学賞を受賞した
本庶 佑 さんの言葉「教科書を信じるな」

受賞会見の一部を見て
凛とした佇まいに圧倒されました。

科学は過去の知識の修正の上に成り立つ学問だから
その時代時代での正しさが認識されたとしても
その時代では測定不可能なために正しいとされ
後の時代で測定可能となって初めて異なる正しさが提示される。

教科書に書かれていることは
その時々での確からしさに過ぎない。

私たちの世界で言えば
目の前にいる対象者の方が最前線

対象者を知識に当てはめるのではなくて
対象者のために知識を活用する。

良くなるはずなのに対象者が良くならないとしたら
知識の活用の仕方が悪いのか
知識がどこか違っているのか
だとしたら修正すべき知識は何なのか

具体的に身をもって教えてくださるのは
目の前にいる対象者の方に他ならない。
だからこそ、目の前で起こっていることに誠実に。
その思いを一層強くしました。

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