Tag: 状態把握

POST掲載「誘導」

POST 理学療法士作業療法士言語聴覚士のためのリハビリ情報サイトさんに
昨日、私の記事が掲載されました。

「認知症の方のリハビリ室への誘導のしかた」

「作業療法ジャーナル」vol.51No2にも一部掲載されている内容です。

リハ室に来てしまえば
ニコニコして楽しそうに過ごされるけど
誘導の時に拒否するという認知症のある方は少なくありません。

それは誘導の仕方が「態度として悪い」のではなくて
適切ではない。だけなのです。

リハ室に行ってしまえば楽しまれるんだから
誘導が多少強引だっていいんじゃない?とは思いませんよね。

デイサービスなどにも
行ってしまえば楽しく過ごされるのに
行くまでが大変、お迎えが大変。というケースは案外多いと思います。
そういう場合にも応用できるかもしれません。

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伝聞表現を使う その2

実は私も伝聞表現を時々使っています。

「家にはちゃんと帰るんだけど、今日じゃないんですって。
今日はここに泊まっていくんですって」

帰りたいという方に対してそんな風に言うこともあります。
よくよく考えると本来はそういう言い方しかできないですし。

でも往々にして
認知症のある方が帰りたいと言うと
なんとか気をそらしてそんな言葉を言わないように(忘れてもらえるように)
あの手この手を繰り出したり
「ここに泊まるの」と、入院だったら医師しか判断できないはずのことを
他の職種なのに言ってしまったり
そういうことってよくあると思います。

「ここに泊まるの」という言い方をした人が
ここにいることを決定したように認知症のある方が感じるのは
当たり前のことだと思う。
『そんなこと言わないで帰してください』
と認知症のある方が言うのは正当だと思う。
だってあなたが決定したんでしょ?と内心思うもの。

けれど多くの場合に
職員はお茶を濁すような言い方をしているのではないでしょうか?
あるいは説明したのに理解してもらえない。と判断したりとか?

そう言う職員に悪気はないけれど
認知症のある方にしたら
ここにいることを決めたこの人にお願いしてもダメなんだ
という風にしか受けとめてもらえないと思う。

でも、最初から伝聞表現を使っていれば
私が決定したことではないのだということを言外に伝えることができます。

誤解が多いのは
確かに認知症のある方の言葉を聞いて理解するはたらきが低下することはよくあるけれど
(そしてそのことをこちらでも繰返し書いていますが)
言葉のニュアンスや意図や意味をすべて理解できなくなるわけではありません。

認知症という状態像を引き起こす疾患によりけり
障害によりけり
元々の言葉の扱い方に関する特性によりけり
なんです。

伝聞表現を意図的に用いることによって
認知症のある方の会話し続けようとする意思をくじかずに
お話を聴くことが可能となってきます。

言葉に鋭敏になる
意図的に自覚的に扱えるようになる
それらのことをたくさんの方から教えていただきました。

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伝聞表現を使う

MCI〜軽度の認知症のある方に対して
ご家族の方へのアドバイスとして
「伝聞表現を使う」ことをご提案する場合もあります。

実は認知症のある方ご本人は
自分の物忘れを自覚している
でもしっかりしなければ。と自分で自分に言い聞かせている。
ご家族だからこそ、弱音を吐いて心配をかけたくない。
そういう方はとても多いのです。

そんな人に受診する。
薬を飲む。
水分を摂る。

そんな時にご家族の方は一生懸命だからこそ
「病院に行くのよ」
「薬を飲むのよ」
「水分をしっかり摂って」
と直接的な表現をしがちですが
そうすると認知症のある方は
ご家族が味方じゃないように感じがちです。

「うるさいわね!」と言いたくなる気持ちもわからなくないような。。。

「病院に早めに行くといいんだって」
「薬を飲むと身体がラクになるんだって」
「水分を摂るとぼーっとしなくなるんだって」
と伝聞表現を使うと
私はあなたの味方だ。。。ということを言外のニュアンスを伝えることができます。

入院に付き添ってこられたご家族が帰る時に嫌がられたらどうしよう
だからといって黙って帰るのも悪いし
と迷っているような時には
「今日はここに泊まるんですって」と言ってみてください。
とお伝えすることもよくあります。

ご家族の方は私たち職員に気を遣って
「今日はここに泊まるの」と説明しがちですが
そうすると認知症のある方には
ご家族が積極的に入院をすすめたのかと受けとめられる可能性があります。

そうではなくて
伝聞表現を使うと
ご家族は味方なんだけど
入院した方がいいと病院の人たちが言っている
というニュアンスを込められるというメリットがあります。

まったく知らない環境で知らない人たちと過ごすのですから
心配になって当たり前。
ご家族の方は味方なんだということが伝わるといいなと思います。

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掲載「OTジャーナルVol.51No.2」

本日、三輪書店さんから発刊された「作業療法ジャーナル」の第51巻2月号
特集「認知症−身体障害合併症を中心に」の中で
「「認知症のある方への対応−能力と障害の把握」」が掲載されました。

認知症のある方は単に能力が低下した結果として
不合理な言動をするわけではない。ということ。

低下した能力もあるが、残っている能力もあって何とか対応しようとした結果として
不合理な言動というカタチで現れているのだから
表面的なカタチに対して表面的に対応を考えても有効な方法とはなりにくい。

どのような障害とどのような能力が不合理な言動というカタチに投影されているのかを観て
能力をより合理的なカタチで発揮できるように援助することが大切。という論旨です。

読んでいただければ嬉しく思います。

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能力に胸がいっぱいになる

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認知症のある方の能力に胸がいっぱいになる

そういうことって
本当によくあります。

食事介助の最初と最後で食べ方が大きく変わった方がいます。
舌で食塊を押し出してしまい食べこぼしが多かったのに
文字通り押し出さずに食べられるようになって食べこぼしもゼロに
それだけではなくて
意思表示としてうなづいているということが明確にわかるようにうなづけるようになりました。

私がしたことは
姿勢を少し変えて
スプーンを小さくして
スプーン操作を少し変えて
それだけ。

あとは、その方がもっていた能力なんです。

埋もれていて表面には出ない
でもちゃんともっていたその方の能力

こんなにわかっていて
こんなに能力があって
だとすると
今までどれだけ頑張って食べていたか。。。

そうなんです。
その方にイマ、ナニが起こっているのか
ということが明確に把握できるようになると
その方がどれだけ頑張っていらっしゃるのかがものすごく伝わってきます。

認知症のある方の能力に胸がいっぱいになります。

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読んでね「OTジャーナルvol.51 No.2」

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三輪書店さんから
1月25日に発刊される「作業療法ジャーナル」2月号の特集に
私の書いた「認知症のある方への対応-能力と障害の把握-」が掲載されます。
(1月号の次号予告でご覧になって既にご存知の方もいるかもしれませんが)

障害と能力のプロである作業療法士が作業療法士として寄与するとはどういうことか
認知症のある方に対して評価をもとにした対応の工夫とはどういうものか
臨床でよく遭遇する、あるあるな場面について記載してみました。

きっと、記載した方法論が役に立つことが多いと思いますが
その方法論が依って立つ考え方をお汲み取りいただければ、とても嬉しく思います。

なぜなら
本当に役に立つのは
方法論ではなくて、考え方なのです。

その考え方をもとに
それぞれの場で展開していただければ
きっと目を見開かされるような体験があるのではないかと思います。

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「認知症介護」能力を活用した対応

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お知らせです。

日総研から出ている季刊誌「認知症介護」2016冬号
「こんな時どうする?認知症ケア相談事例集〜認知症のある方の能力を活用した対応」
が掲載されました。

いろいろなところで
いろいろな方を対象に
お話をさせていただきますが
やっぱり圧倒的に多いのは
方法論だけ、ツールとして、消費されてしまうこと。

仕方ないことなんだと自分に言い聞かせますが
少数でも、私が言っていることをど真ん中直球で受けとめてくださる方もいらっしゃいます。

脳の病気によって引き起こされる障害なのだから
障害と能力をきちんと把握することから始める。
そうすれば能力を活用して、
目の前にいる方に対してピンポイントで対応の工夫を
具体的に、現実的に、提案できるようになる。

読んでくださったら嬉しいです (^^)

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POST連載「認知症のある方を担当したら」

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POST PT・OT・STの働き方・学び方発見サイト
http://1post.jp

新たな連載開始のお知らせです。
「認知症のある方を担当したら その1:事前準備」
http://1post.jp/1706

なぜなのか本当に疑問ですが
認知症のある方に対して
「どうするか」ばかり議論されて
どのように評価するか。ということや
どのように情報収集するか。ということが
あまり検討も議論も言語化もされていないように感じられます。

現状の的確な把握が為されていないのに
方法論ばかり考えたって
そりゃたまには「当たる」こともあるでしょうし
認知症のある方の能力がそれなりに保たれていれば「合わせてくれる」から
表面的には困る場面に遭遇しないかもしれません。

「でも本当にこれで良いのだろうか。。。?」

そんな疑問を抱いている人は決して少なくはないのだと感じています。
ただ、自らの疑問を明確には言語化できないから
悶々とした気持ちを内に抱くしかない。。。
なぜなら、あまりにも現行言われている方法論を微塵も疑うことなく言い切る人がとても多いから、
その強さに押されてしまうのではないでしょうか。

でも、納得できないことは納得できないですよね。

科学は過去の知識の修正の上に成り立つ学問です。

私たちの目の前にいる、認知症のある方こそ、最前線。

目の前で起こっていることを
できるだけ曇りなき眼で見定められるように

認知症のある方とご家族の余分な困難が少しでも少なくなるように

不遜なことかもしれませんが
たぶん、困っている人にとっては、本当に現場で役に立つことなんです。
かつての「どうしたらいいのかわからなくて、とても辛かった」時の自分を思い出しながら
記事を書いてまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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