「非習慣的遂行機能の評価」 当院に実習に来る学生さんには、遂行機能の評価は習慣的遂行機能と非習慣的遂行機能の2つを評価するように指導しています。 でも認知症の病態が進行してくると、非習慣的な遂行機能評価の「使えるバッテリ …
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徘徊や暴言、暴力、異食や大声等のBPSD(Behavioral and Psychological Smptoms of Dementia:認知症の精神・行動症状)は、ご本人も介助者も困ってしまいます。 タイトルに引かれ …
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「認知症本人と家族介護者の語り」ディペックス・ジャパン NPO 健康と病いの語り ディペックス・ジャパンが運営するサイトをご紹介いたします。 認知症の家族介護者35名と7名の当事者のインタビューを動画で視聴することができ …
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2013年が始まり、最初の1ヶ月がそろそろ経とうとしています。 今年もナオミ・フェイルさんが5月に来日してバリデーションセミナーが開催されます。 詳細はこちらをご参照ください。 公認日本バリデーション協会http://w …
シンプルかつ効果的で快適な、立ち上がり機器をご紹介します。 その名は、「ステッキレスチェア」 ユニークな発想で開発された素晴らしいトレーニング機器です。 詳細は、(株)OGAさんのサイトをぜひご覧いただきたいと思います。 …
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私は今精神科の認知症治療病棟で勤務していますが
必要であれば、身体面のリハも行います。
骨折手術後の方
CVA後遺症のある方
エピソードはないけど移乗動作などに困難のある方。。。
とりわけ、ものすごく多いのが
移乗時に腰が引けて膝が伸びず重心が後方に落ちてしまう方
(後日改めて記載しますが)
重度の認知症のある方でも
移乗動作は楽になる方が大勢いらっしゃいます。
でも
筋力強化やROM-ex.は基本していません。
(橈骨神経麻痺の方など必要な方にはしますけれど)
入院期間との兼ね合いはありますが
ゆっくりできる方には、じっくりと積み重ねていきますし
できるだけ早期にもといた施設に戻られる方やご家庭に戻られる方には
評価と対応の工夫の明確化を中心に行なっていきます。
つまり、つなげるリハを意識しています。
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目の前の対象者に
適切なスプーン操作ができるためには
スプーン操作の基本が習得できている必要があります。
なぜか
ここをすっ飛ばしてしまう人がいるんですよねぇ。。。
「寄り添った食事ケアを」と言いながらも。。。
摂食・嚥下5相を理解した上で
・食塊認識を確認できる
・スプーンをまっすぐ正面に差し出すことができる
・スプーンを奥に入れすぎずに下唇or前舌を操作できる
・上唇を丸めて取り込むことを促すように操作できる
・スプーンは斜め上に引き上げずに水平に引き抜くことができる
・一口量を調整できる
できるということは
意味の理解もできているから
行動として常に実行できるということ
摂食・嚥下5相という言葉を聞いたことがある、知っている
という人は多いと思いますが
自身のスプーン操作を摂食・嚥下5相と結びつけて
なぜそうしてはいけないのか、なぜそうする必要性があるのかを
理解している人は、残念ながらそう多くはありません。
自身のスプーン操作を摂食・嚥下5相と結びつけた理解ができていないから
目の前の対象者の食べ方を摂食・嚥下5相と結びつけた観察ができないのです。
自身のスプーン操作と他者のスプーン操作の違いすら認識できないのです。
スプーン操作の違いがどれだけ対象者の食べ方に影響を与えるのか想像もできないのです。
逆に言えば
そこを学べば変われるということです。
自身のスプーン操作を
摂食・嚥下5相と結びつけた理解の上で修正習得できるようになれば
対象者が必死になって食べようとしていることを身に染みてわかるようになります。
「ちゃんと食べてよ」
という言葉の残酷さを痛切に感じるようになるでしょう。

「認知症のある方も食べられるようになるスプーンテクニック」
という本には基本的なスプーン操作とその意味が具体的に記載してあります。
ここまで実践的に基本操作とその意味が記載されている本は他にありません。
摂食・嚥下5相と結びつけたスプーン操作の基本を習得することは
対象者の食べ方の評価の入り口に立てることを意味します。
基本は大切
高い志を掲げるのなら、なおのこと
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適切なスプーン操作ができないと
対象者の方の準備期を阻害してしまいます。
準備期の過剰適応・誤学習が
口腔期を混乱させ
咽頭期を低下させてしまいます。
逆に言えば
適切なスプーン操作ができれば
対象者の方の本当の食べるチカラを現前させることができます。
ここからが本番
対象者の方の食べ方をよく観察すれば
食べることの困難と能力を洞察できるようになります。
(ただし、知識があればの話です)
食べることの困難と能力を洞察できるようになれば
どうしたら食べやすくなるのか
どうしたら今の状態でも食べられるようになるのか
長期的な見通しとともに今すぐにできることが自然と浮かび上がってきます。
だから
具体的にどうしたらいいのかがわかる
最初に
「〇〇という状態の方には、△△したら良い」があるわけではありません。
適切なスプーン操作ができることが
評価の入り口に立てるということなのです。
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人の身体は
解剖学的にも生理的にも連続性があります。
嚥下5相は
それぞれの相が前後の相と関連しあっています。
あまり知られていないようですが
「飲み込みが悪い=咽頭期の問題」とは限りません。
準備期の不合理な能力発揮
つまり不適切なスプーン操作に代償的に適応した結果
口腔期の能力低下を来し
ひいては咽頭期の能力低下を来してしまう
ということは実は珍しいことではありません。
(続く)
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食事介助において
スプーン操作って想像以上に重要です。
ちょっとしたスプーン操作の違いで
食べやすくもなり
食べにくくもなります。
対象者の食べようとする働きを
促しもするし
阻害してしまうことすらあり得ます。
なぜなら
介助者のスプーン操作とは
対象者にとっては
嚥下5相準備期の協働を意味するからです。
(続く)
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頸部後屈は誤嚥しやすい肢位だ
という知識があっても
実際の食事場面で
「あ、頸部後屈してる」と気がついても
どうしたら良いのかわからない、教えてもらっていない
という人はすごく多いのではないでしょうか。
お年寄りや認知症のある方、脳卒中後遺症で生活期にある方に
「首を起こしてね」と言ったり
枕を当てたりしても
後屈位が解消されず
「マズいことだ」と感じながらも
その現実を改善するためにどうしたら良いのかわからないと
とても怖いですよね。
そのような時には
頸部を前屈させようとしてはいけません。
頭部の重さを支えてあげてください。
介助者の手掌で支えながらの介助は疲れてしまうし
どうしても前屈させてしまうような力が入ってしまうので
手掌で支えるのではなく
介助者の前腕で対象者の頭部を支えてあげてください。
そうすると
対象者の後屈方向への力が抜けてきて
頸部中間位になってきます。
頸部後屈位で拘縮してしまったように感じる方でも
動きを感じられるケースがかなり多く見られます。
詳細は
「介護人材」という雑誌の特集「介護施設の『食』を考える」で
イラスト入りで記載してありますのでご参照ください。
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全介助の方の食べ方の評価として
小さな氷片もよく使います。
歯の上にのせて
咀嚼の様子を観察できるし
スッと溶けやすいので安全です。
その延長で
食べ方の訓練として使うのがこちら
アイスの実
丸ごとは大きすぎる時には
2〜3つに切り分けて使います。
いろんな味があるのも良いところ
対象者の好きな食べ物・手続記憶として馴染みのある味を選べます。
適度な固さと崩れかたが絶妙なバランスで成り立っています。
ちょっと努力すれば食塊として崩れるけど
努力を続けないと崩れ続けてくれないという。。。
咀嚼にパワーはあまりいらないけれど
咀嚼そのものは促される。
促された結果として明確な「美味しさ」のフィードバックがある。
自然と舌で味わうことによって口腔期の働きを促しやすくなります。
食事全介助の方は
1回にそんなにたくさんは食べられないから
小袋の中に入っている個数で調整できると衛生管理上でも助かります。
前は3種類の味のミックス版があって重宝してたけど
今はないのかな?
復活したら良いなー。
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スーパーで売ってる
かっぱえびせんミニ4
食事訓練に愛用しています。
小袋タイプなので
1袋を1〜2回で使い切ることができるし
4袋入って100円くらいと安価で購入できます。
なんといっても
幅広い年代の方が食べたことのある
パッケージの見た目と味
手続き記憶に残っているから
目で見て舌で味わって
「食べる」を再認しやすいのが良いところ
食事を全介助で咀嚼の能力を発揮してもらいたい時にも
スプーン操作の前段階として「手」を「手」として使う上肢操作の練習として
手で摘んで食べる時にも
どちらにも使えます。
重度の認知症のある方に
食べる練習をする時には
言葉だけに頼った声かけをするのではなくて
体性感覚、とりわけ視覚を意識して伝える工夫が大切です。
だから、パッケージは捨てずにとっておきます。
「〇〇さん、これ食べてみましょうか」
と言う時に、かっぱえびせんのパッケージを見せながら声をかけると効果的
いつでもすぐに使えるように
職場に常備してあります。
私のおやつ用ではありませんよー。
れっきとしたリハ用としてキープしてあります。
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