箸で線引くように

ある方は箸で線を引くようにしてご飯を食べていました。

お茶碗に残ったご飯は見事に一直線を示しています。

( 几帳面な方だったのかも… )

そう言えば、

挨拶する時にもきちっとした身のこなしで挨拶してる。

言葉使いも礼儀正しい。

えてして

食事場面は自立してるかどうか、ムセや食べこぼしはないか

という観点でみられても

特性をあらわす食べ方に注目する人は少ないようですが

「食事」という場面は本当に豊かな場面です。

対象者の能力も困難も特性も投影される貴重な場面なんです。

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目で意思表示!

もうずいぶん前の話ですが

ADL車いす全介助、自発語がまったくない方がいました。

その方の食事介助をすると

いつも一定の方向を目で見ていることに気がつきました。

何を見ているんだろう?と視線の先を追うと

そこには白いご飯が。

次もその次の時も。

( 白いご飯を見ている? )

そこでお茶碗の位置を変えてみました。

位置がどこに変わってもちゃんと白いご飯を見ています。

( 白いご飯を食べたがってる? )

すごくうれしかったことを覚えています。

目で意思表示してる!

白いご飯が好きな人なんだ!

そういうことがわかってすごくうれしかったことを。

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ホットひといき

 

私は2006年にバリデーションワーカーの資格を取得しました。

自分の公休や有休を使って全額自費で受けた講習だったので

絶対モトをとってやると思いましたし(^^; 

なにしろ、何があっても

バリデーションのことを学びたい、少しでも身につけたい

と必死でした。

休憩時間に飲んだ温かいお茶が

こんなにも心身の緊張をほぐすものなのだと

実感したことを覚えています。

 

 

 

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宝 物

いろいろあるけど

本もその1つ

中でも大切なのが、この2つ

『生命と自由』 渡辺 慧

『暗黙知の次元』 マイケル・ポランニー

どちらもちょっと前の本だけど

私にとっては宝物

文章が美しいから読んでいると心が洗われるように感じる

書かれている内容がとてもとても素晴らしい

いつか詳しく紹介しますね(^^)

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食事摂取は恊働作業

重度の認知症状のある方でも介助だけで食事摂取の様子が変わります。

今までたくさんの方の食べ方が変わるのを目の当たりにしてきました。

舌の不随意運動の激しい方

赤ちゃんのようにちゅうちゅうと吸い込むように食べる方

口のまわりからエプロンまで食塊がびっしりこびりついていた方

なかなか開口してくれない方

どなたも1日1回の食事介助を重ねるだけで食べ方が変わりました。

もっと軽い状態像の方では

コップ1杯のお茶ゼリーの摂取でも変わります。

最初と最後で変わるんです。

過去からの介助という環境への適応の積み重ねが

現在の食べ方なのです。

だから、食事介助という環境をこれから変えていけば

新しい環境に適応して食べ方が変わっていきます。

食事は、対象者の方と私たちとの恊働作業。

その過程を通して

目を見はるほどの能力と特性を知ることができる。

このことを1人でも多くの方に知っていただきたいのです。

 

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口を開けてくれない

口を開けてくれないからといって

歯のすき間から食塊を押し込むように入れるのは基本NG 

開口しにくい方の場合には

口の中に無理矢理食塊を入れるような介助をしていませんか?

無理に食べさせようとはせずに

小さくて平らなスプーンを使って

少しでいいので

食べられるだけ食べられるように介助をすると

段々と開口して食べられるようになります。

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頸部後屈してしまう方への対応

食事時、頸部が後屈してしまう方には

前屈方向へ修正するのではなくて

頸部後屈したままで介助者の前腕などで頭部を支えます。

しばらくすると、頸部が前屈方向へ動くようになるので

その動きを感じたその位置で頭部を支えます。

頸部後屈という状態を修正しようとして

前屈方向へ他動的に動かそうとすると

作用反作用で、ますます頸部が後屈してしまいます。

後屈してしまうという状態を援助するという視点で関わると

前屈方向への対象者の自発的な動きがみられるようになります。

つまり、「直すな、支えろ」ということです。

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上の歯でこそげ落とさない

 

あちこちで

よくよく見かけるのがこのパターン(^^;

口の中にスプーンを入れたら

上の歯でこそげ落としてスプーンを引き抜く。

誰も言葉にしては教えてないのに

なぜ、こんなにも広まっているのだろう?

上の歯でこそげ落とすのはNG

(だって私たち、自分で食べる時にそんな食べ方しないし)

下唇か舌の上にスプーンの背で触れて

対象者の方が上唇で食塊をとりこんだら

そのままスプーンを水平に引きます。

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