「座るー立つ」身体は総体として働いている

お年寄りに対して

筋力強化を主体としたリハを行うということは

「個々のパーツの能力の総和=身体能力」

という考え方に基づいています。

でも、それは本当でしょうか?

 

身体は常に全体として 総体として働いています。

身体のあるパーツの能力が

低い時には低いなりに

高い時には高いなりに

 

身体は常に総体として働いている。

 

それなのに

筋力強化を主体とするということは

逆に言えば、

総体として働いている身体を

無自覚であったとしても

否定してしまうということを意味します。

 

抽象的な「正常な身体」を 勝手に設定して

そこからの引き算として

お年寄りの現状をとらえる

…という考え方は

いろいろな人生経験をしてこられたお年寄りの生き方までも

暗に否定してしまうことにもなりかねません。

 

判断基準が「正常な身体」であるならば

追い求めているのは「正常化」ということです。

それは、はたして、

「その人らしさを大切にする」と言えるでしょうか。

「お年寄りを尊重する」と言えるのでしょうか。 

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