Tag: 食事介助
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重度の認知症状のある方でも介助だけで食事摂取の様子が変わります。
今までたくさんの方の食べ方が変わるのを目の当たりにしてきました。
舌の不随意運動の激しい方
赤ちゃんのようにちゅうちゅうと吸い込むように食べる方
口のまわりからエプロンまで食塊がびっしりこびりついていた方
なかなか開口してくれない方
どなたも1日1回の食事介助を重ねるだけで食べ方が変わりました。
もっと軽い状態像の方では
コップ1杯のお茶ゼリーの摂取でも変わります。
最初と最後で変わるんです。
過去からの介助という環境への適応の積み重ねが
現在の食べ方なのです。
だから、食事介助という環境をこれから変えていけば
新しい環境に適応して食べ方が変わっていきます。
食事は、対象者の方と私たちとの恊働作業。
その過程を通して
目を見はるほどの能力と特性を知ることができる。
このことを1人でも多くの方に知っていただきたいのです。
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口を開けてくれないからといって
歯のすき間から食塊を押し込むように入れるのは基本NG
開口しにくい方の場合には
口の中に無理矢理食塊を入れるような介助をしていませんか?
無理に食べさせようとはせずに
小さくて平らなスプーンを使って
少しでいいので
食べられるだけ食べられるように介助をすると
段々と開口して食べられるようになります。
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食事時、頸部が後屈してしまう方には
前屈方向へ修正するのではなくて
頸部後屈したままで介助者の前腕などで頭部を支えます。
しばらくすると、頸部が前屈方向へ動くようになるので
その動きを感じたその位置で頭部を支えます。
頸部後屈という状態を修正しようとして
前屈方向へ他動的に動かそうとすると
作用反作用で、ますます頸部が後屈してしまいます。
後屈してしまうという状態を援助するという視点で関わると
前屈方向への対象者の自発的な動きがみられるようになります。
つまり、「直すな、支えろ」ということです。
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あちこちで
よくよく見かけるのがこのパターン(^^;
口の中にスプーンを入れたら
上の歯でこそげ落としてスプーンを引き抜く。
誰も言葉にしては教えてないのに
なぜ、こんなにも広まっているのだろう?
上の歯でこそげ落とすのはNG
(だって私たち、自分で食べる時にそんな食べ方しないし)
下唇か舌の上にスプーンの背で触れて
対象者の方が上唇で食塊をとりこんだら
そのままスプーンを水平に引きます。
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使うスプーンも対象者の方に合わせます。
大き過ぎるスプーンは
とりこみの1回量が多過ぎたり
大き過ぎるというスプーンの特性が
口の奥に入れすぎるという動作を誘導してしまうのでNGです。
人によっては
小さくて浅いスプーンが必要です。
ベビースプーンや
100均で売られているティースプーンの中に
安くて使い勝手の良いものがたくさんあります。
詳細はこちらをご参照ください。
OT Tips & PDF「小さくて軽いスプーン」
http://kana-ot.jp/wpm/tips/post/92
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お年寄りに食事介助をする時には
必ず口もとで1度スプーンを止めて
お年寄りが食塊認知をする時間をもちましょう。
この1秒がとても大切。
スプーンですくった食塊を
いきなり口の中に入れるのはNG!
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食事に必要な機能のリハをしていても
実際の食事場面で適切に介助をしている人は多くはありません。
「してはいけないこと」「望ましい方法論」を
知らない人が多いのです。
卒業前の養成過程において
食事介助の時の具体的なスプーンの扱い方を指導されていない
という現状があります。
適切に食事介助をするだけで
お年寄りのアブノーマルな食べ方は激減します。
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「食事介助=口の中に食塊を入れてあげる」
ことではありません。
「食事介助=対象者が食べることの援助」です。
対象者の食べ方には必然性があります。
正常の食べ方に照らして、
そこから「引き算」をして、
正しくない食べ方を「修正する」のではなくて
現状の食べ方を否定はせずに
より安全に、より食べやすくなるように
「足し算」の考え方で関わっていきます。
「食べることを援助する」
という視点で関わるとは
「引き算」で考えるのではなくて
「足し算」で関わっていくことなのだと考えています。
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