Tag: リハビリテーション

適切さの根拠

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認知症のあるAさんに
どんな風に関わったらよいのか

もちろん
Aさんの体調によって
また場面の優先性によって
異なることはあるでしょうが
おおまかな方向性は言えると思う。

なぜAさんにとって
そのような関わり方が適切なのか
根拠を説明できることが必要だと思う。

その根拠は
倫理や道徳面ではなくて
(必要ないと言っているのではありません)
Aさんの能力と障害と特性によって説明でき
実際のAさんの生活障害の改善によって証明される
ものだと考えています。

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感謝の気持ち

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おかげさまで人様の前でお話させていただく機会が
ずいぶん増えてきました。

ありがたいなぁ…と思うのは
私の話って、基本とても地味なんです。
食事介助とか立ち上がりとか目標設定とか対応とか
非常に基本的なことを振り返りながら実践してきただけだし
それに私はあくまで名もない一臨床家に過ぎません。
そんな私に声をかけてくださる…ということに
とても感謝しています。

声の大きな人や
社会的地位のある人や
主流派の人の言っていることだと
安心して賛同を表明できると思う。
でも、私にはそんなの全然ないから
私に声をかけてくださる主催者や
話を聴きにきてくださる人は
勇気があると思うし
中身で評価の人だと思うし
何よりも対象者の利益のために…と
強く願っている人なのだと思う。

そういう人と一緒に仕事できたり
場を共有できることはすごくありがたいことです。
私の話を聞いた後に確認してみた実践してみた変化があった
…というご連絡をいただけるのもまた嬉しいことです。

かつて私はもがきまくっていました。
自分にとってそのもがきは
意味あることだったと思っていますが
若い人たちが同じようなもがきを繰り返すのはもったいない。
その分の時間とエネルギーをより良いリハとケアにふりむけてほしいと心から願っています。

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目標設定の研修会

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平成26年7月20日(日)に
昭和大学保健医療学部横浜キャンパスにて
目標設定に関する研修会が開催されます。
題して「良い目標が設定できる作業療法士になろう」

おそらく、みんな誤解している。
目標なんてカンタン!って。

でも、カンタンそうな
食事介助だって
立ち上がりだって
認知症のある方への声かけだって
見落とされていることがたくさんあって
丁寧に考えていくことで
ブレークスルーの道が開けることもいっぱいある
ということは、こちらのブログにも常々書いてきたことです。

目標こそが羅針盤

目標の設定を共同作業できない対象者も
少なくありません。
その時にお手上げ…じゃ困ります。

詳細は作業療法総合研究所のサイトをご参照ください。

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今の私たちの努力が未来の他部門の知識

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今の他部門のリハ関連の知識って
えぇ〜?って思う時もある。
でも、それって過去の私たちが他部門に伝えてきたことが
現在の他部門に定着しているんだと思う。

他部門はちゃんと伝達してくれているんだよね。

だから
今、私たちがえぇ〜?って思ったとしても
それは過去の私たちの限界でもあったのだと思う。
そういうことを忘れちゃいけないと思うし
逆に言えば
今の私たちの努力が
未来の他部門の知識に結びついていくのだと思う。

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暗黙の前提

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「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで
自分は何が欲しいのかわからない」

これはスティーブ・ジョブズの言葉です。
だからAppleは他の企業のように
事前のマーケティング・リサーチは行わない
そのかわり発売後のユーザー使用感アンケートを重視する
という内容の記載を読んだ記憶があります。

私はこの言葉に
作業療法士として賛同する側面があります。

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わからないことはわからないまま

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たぶん、OTの他の分野でも同じなのではないかと思うのですが
こと、認知症のある方に限定していえば
わからないことはわからないまま
観察を続けていく方が建設的だと考えています。

わからない時に
あれも考えられる、これも考えられる、もっと他に考えられることは…
とは考えない。
それをやったって
袋小路に追い込まれるだけだと思うし
OTの考えつける範囲の中での選択肢の中からの
原因探しをやってるだけになっちゃってて
目の前の方を本当に見ていることになってないもの。

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中核症状をみるーはじめに

中核症状をみる「認知症は難しい」という言葉をよく聞きます。
確かに難しいけれど、認知症だから特別に難しい…とはあんまり感じたことがありません。
むしろ特性なんかはかえってわかりやすいようにも感じています。
そこで、認知症のどこが難しく感じられるのか、考えてみました。

もしかしたら…と思ったのは、他の障害たとえば片麻痺の場合には評価(すべき?)「項目」を教えられています。関節可動域、麻痺の状態、感覚…etc。etc。
そしてそれらは標準化された方法があり、それに則って検査することが求められています。
つまり、何をやるのかがはっきりしている。
(もちろん、検査=評価ではありませんが)

ところが、認知症は…もしかして評価(すべき?)「項目」を列挙できないから、何をどうしたらいいのかがわからない…のではないかと考えました。
だから、認知症のある方の状態像が把握できないのかも。
だから、表面的なハウツーを結局望んでしまうのかも。
だから、看護介護職員はBPSDで困っているのに「ROM、筋力強化、座位訓練」といったパターン化したリハが提供されることになってしまうのかも。

そこで、最初の最初。
評価実習の学生さんがアルツハイマー型認知症のある方を担当したと想定していくつかの記事を書いてみようと思います。
そうすれば、学生さんにも就職したばかりの若手作業療法士にも認知症のある方を久しぶりに担当した中堅・ベテランの作業療法士にも、もしかしたら…臨床での指導という側面で教員の方にも何かお役に立つことがあるかもしれない…などと思いつつ (^^;

まずは、中核症状を評価するように促します。
学生さんでよくあるパターンが、学生が気になったことを意味や優先順位も考えずにどんどんと掘り下げていこうとしてしまうことです。評価しなくちゃ、考えなくちゃ…と気持ちばかり焦っていると陥りやすいところです。
そうではなくて、まずは中核症状を評価することの意味を説明します。
生活障害は中核症状に起因して起こること、そして生活障害を改善するためには症状の裏返しとしての能力を把握してはじめて対応の工夫を考えることができるのだということを伝えます。
(この段階では学生さんは聞いていてもおそらく本当には意味がわかっていません。でもそれでも今はよいのです。伝えておくことに意味があります。)
能力を把握するための前段階として障害の有無とその程度を把握するのだということを伝えます。
中核症状とは…記憶障害、見当識障害、言語機能障害、高次脳機能障害、実行機能障害など。です。
まず、これらの言葉とその概念を確認します。
私は学生さんに概念を尋ねて答えてもらうようにしています。そうすると学生さんの理解の程度を把握しやすくなるからです。
概念が答えられれば次に進みます。答えられなければ復習することを促します。

蛇足ですが…私は中核症状と能力のスクリーニングは最低限、最初にしておく必要性があると考えています。
たとえ、トップダウンのアプローチや対象者のやりたい作業を決めることから始めたとしても、対象者の現状のおおまかな把握ができずに適切なアプローチを選択することは困難だと考えます。
詳細な評価は必要に応じて後から追加で実施しても間に合うと思いますが、スクリーニングだけは不可欠と考えています。

次回から、中核症状のそれぞれの説明と臨床での体験談をからめてご説明していきます。

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「リハビリっぽいことをしなくちゃ」?

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って思う時もあるのかな?
でも、他職種の眼を気にして
リハビリっぽいことをしよう、させようとしても
肝心の対象者の方が苦痛や不安や困惑を感じるようなら
元も子もない。

他職種の眼なんて気にしないで
対象者が良くなることを考えればいいんだと思う。
(ただ「良くなる」ということの吟味は必要だけど)
他職種だってプロだから
対象者が良くなればちゃんと認めてくれる。
というか認めざるを得ない。
現実に良くなっているんだから。

こういうことに関して
作業療法士自身がいろいろと誤解してることがあるんじゃなかろうか。
そう思う時がよくあります。
そのことに関しては、いずれまた。

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