Tag: リハビリテーション

どうでもよくない話

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重度の認知症のある方が対象だと
感覚系・感情系にターゲットを置いてコミュニケートするので
かなり、感情系の回路を使います。

自分としては
それなりに知的労働もしてるつもりなんですが
(知識と合致させながら行動観察)
結構、感情労働してます。

ある程度の知識を持っていても、これだけ疲れるんだから
知識がほとんど無い状態で
感情系を働かせるしかなければ
どれだけ消耗してしまうか。。。思いやられます。
そりゃー、キツいよー。。。

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認知症治療病棟のOTの役割 3

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認知症のある方への対応として
いろいろなツール、方法論、手技が提案されているけれど
ツールはツールだからこそ活用できるようになることは必要だけど
ツールの視点で人を見てはいけない。
そう考えています。

ツールはツールだからこそ
限界もあれば効果もあります。
どんな認知症のある方にも
万能な唯一絶対のツールなんてありません。

ツールをツールとして使いこなせるようになることは大切だけど
ツールに目の前の人を当てはめてはいけない。

目の前にいる人の役に立つように
ツールを活用できるようになることが大切なのだと思います。

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認知症治療病棟のOTの役割 2

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ただし、認知症治療病棟は
良くなり次第できるだけ早く退院していただいた方が良いので
いつまでも自分が
身体的なリハをしたり
Act.を提供したり
生活障害やBPSDの対応をしているだけではなくて
他の誰でも再現しやすいように
起こっていることとどうしたら良いのかの両方を
具体的に言語化して伝えられるということも
認知症治療病棟に勤務するOTのもう1つの役割だと考えています。

たとえば
身体的なリハであれば
より充実したリハが行える老健に「つなげる」ために
どういう状態像だから
どんな声かけや関わり方が有効なのかを
明確に言語化しておくということです。

認知症治療病棟の中で
身体的なリハをどれだけ実践できているかよりも
より良い生活環境の中で
より充実したリハを実践できる施設に
より早くより良い心身能力のあるうちに
退院先の施設のスタッフが困らないように
具体的に明確に言語化して「つなぐ」ことができる

むしろ、こちらの方が大切だと考えています。

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認知症治療病棟のOTの役割

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認知症治療病棟でのOTの役割は
1)ADLの維持・向上
2)能力と特性の発揮の機会提供
3)生活障害・BPSDの軽減
だと考えています。

1)ADLの維持・向上としては
一番重点を置いているのが、食事と移動です。
食事は今まで何度も繰り返しこちらでも投稿してきたとおり
多くの場合に、介助を変えることで食べ方が変わります。
もともと認知症のある方が骨折してしまった場合や
CVAを発症してしまった場合などには
できるだけ元の移動能力に戻れるように
あるいは最低限拘縮は作らずに
できるだけ良い身体機能を維持しておくことは
とても大切だと考えています。

2)能力と特性の発揮の機会提供とは
適切なActivityを選択し、適切な場面設定を構築することです。
たとえ年老いたとしても認知症になったとしても
自分の本質は変わらないのだと再体験できる場があることが
認知症のある方にとってもご家族の方にとっても大切です。

3)生活障害・BPSDの軽減に
OTだからこそ、寄与できるコトがたくさんあります。
それは、こちらでもたくさんの投稿をしてきました。

1)〜3)のいずれも
認知症のある方の「障害」と「能力」と「特性」を評価できるから
OTとしての「役割」が遂行できるのだと考えています。

* もしも「評価」が心もとない方がいましたら
是非「認知症セミナー@合同会社gene」の記事をご参照ください。

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見学実習って難しい

我慢のしどころ

見学実習って一番難しいと思ってる。
だって、ほとんど知識がない学生を対象に
観察する・見学することを学べるように援助するんだもの。

ただ単に
施設の機能を説明したり
自分がしてることを説明するなら
ラクだけど。
それってあんまり有効なテじゃないよね。

知識がないのに
専門家として観察する・見学するってどういうことか
理解してもらえるようにするって難しいです。
いまだに、試行錯誤してます。

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非習慣的遂行機能の評価

「非習慣的遂行機能の評価」

当院に実習に来る学生さんには、遂行機能の評価は習慣的遂行機能と非習慣的遂行機能の2つを評価するように指導しています。
でも認知症の病態が進行してくると、非習慣的な遂行機能評価の「使えるバッテリー」がないのです。
正確に言うと、現存する非習慣的な遂行機能評価バッテリーは要求水準が高すぎて、中等度・重度の認知症のある方には実施できないのです。
そこで、たとえ標準化されていなくても「評価」ができるツールを考えようと思いました。
それがこちらです。

非習慣的遂行機能の評価

「この線の上にシールを3枚貼ってください」という課題です。
もうすでに、講演等で紹介してはいますがより多くの方に知っていただこうと思ってご紹介します。

用意するものは、写真にあるように、真ん中に太い線をくっきりと引いたA4用紙1枚とシール数枚。
写真ではシールがたくさんありますが、通常はシールは6枚提示しています。
その場の言語理解が可能であれば、HDS-R0/30点の方でも行えました。
この課題のオススメは、日々の暮らしの場面で失敗体験を重ねている認知症のある方にとって失敗やわからないという不安を想起させにくい。いかにも「テスト」「検査」という雰囲気が少ないということです。
また手指の巧緻性の低下があっても、シールを「貼る」だけなら失敗もしにくい。
認知症のある方にとっては「紙に○を書く」よりも「丸いシールを貼る」ほうがずっと心理的抵抗感は少ないものです。
それでいながら遂行機能の「意図・計画・立案」「実行・評価・修正」「目標保持」の過程を明確に評価することが可能です。

「線の上にシールを貼る」のは、線の真上に並べて貼っても良いし、重ねて3枚貼っても良い。
線の上の方の空間にシールを貼っても間違いではありません。
肝心なことはそれらのうちどの方法を選択したのかということです。
なかには、どの方法を選択すべきか確認する人もいるかもしれません。

そして指示した枚数よりも多めにシールを用意しておくというのがもう1つのポイントとなります。
3枚で貼り終えることができるのか、それとも「3枚」を忘れてしまって用意されたシールをすべて貼ってしまうのかが観察ポイントになります。

一見単純に見える「ツール」ですが、人によってさまざまな結果を見せてくれます。
もちろん、私は日常生活での行動観察を重視していますが、認知症のある方の非習慣的な遂行機能障害が明確になることによって、日常生活での暮らしの困難がどういうものであったのかより明確になり、ひいてはどのような援助が適切なのか具体的に考えることができるようになります。

当院では重度の認知症のある方が多いので、このような形で実施していますが、もう少し軽度の方であれば課題を複雑にするように工夫できると思います。

認知症のある方に心理的抵抗感がより少ない方法で、重度の認知症のある方の非習慣的遂行機能障害を評価できる「ツール」としてご紹介しました。

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食事介助のセミナー

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今自分がしている介助が
食べさせている・口の中に入れている「使役」なのか
目の前のAさんが食べることの「援助」なのか
その違いが明確にわかるセミナーです。

合同会社gene
「認知症のある方への食べることへの対応」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1421721432-587034

参加された方に
食事介助の奥深さと怖さを感じていただければ
そして
認知症のある方の能力と脳の可塑性の凄さを感じていただければ
と思います。

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食事介助 ≠ 口の中に入れる

ちょっと待った

大きくて根深い誤解の1つ

食事介助 = 口の中に入れること
そんな風に思っている人
そんな風に介助している人
って実はとっても多い

でもそれは違う

食事介助 = その人が食べることの援助

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