Tag: コミュニケーション

聴覚情報の取捨選択

以前に食事中の音環境を録音したことがあります。
その結果は、まさに、音声多重放送状態。でした。

こんなに大きく聞こえるとは思わなかった音の筆頭は
スプーンに残った食塊を食器に軽く叩いて落とす音でした。
金属音の高い音でカンカンと響きわたっていました。
配膳者のシャッターを上げ下げする音も
ガガガーッと響きわたっていました。

実際の食事場面では
スプーンを食器で叩く音や配膳者のシャッター音は
まったくといっていいくらい気にならなかった…。

そうなんです。

音が小さかった…のではなくて
音が気にならなかった…に過ぎないのです。

私たち職員は、気にならないでいられる
つまり、無意識のうちに脳の中で
スプーンや配膳者の音は
「気にしない」という取捨選択が為されているのです。
耳は聞いているけれど脳は聞いていないのです。

認知症のある方にとっては、どうなのか…

当事者のクリスティーン・ブライデン氏は
スーパーマーケットなどのにぎやかな場所での音環境を
このように表現しています。

「音の洪水」

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/637

情報の取捨選択

私たちは
感知した情報をそのまま認知しているわけではない。

「見た」と認識した時点で
すでに「見たい」もの「見よう」としていたものを
無自覚のうちに取捨選択されたものを見ているし
「聞きたい」もの「聞こう」としていたものを
無自覚のうちに取捨選択されたものを聞いている。

そういう前提条件を自覚していないと
認知症のある方にとっての
視聴覚環境の把握を見落としたり歪めてしまうことにすら
なりかねない…と感じています。

明日はその補足説明をします。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/636

クローズアップ現代「“帰れない”認知症高齢者急増する精神科入院」見ました

今日の午後7時30分からのNHKクローズアップ現代
「“帰れない”認知症高齢者 急増する精神科入院」
を見ました。

NHK ONLINE  No.3278
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3278.html

スタッフの部屋
精神科病院の認知症高齢者の現実
http://www.nhk.or.jp/gendai-blog/100/138605.html

番組の中で紹介されていた取り組みが
厚生労働省がこれからやろうとしていることでもあるのだと思う。

「その場」に行かないとわからないことがある
…というのは本当にそのとおり。
このことについては、改めて書きたいことの1つです。

「作業療法士」が字幕で何度も紹介されていたのも
心強かったです。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/633

身体の具合が悪い

BPSDがひどくなった…と思っていたら
実は、身体の具合が悪かった
ということが結構あります。

体調不良を的確に言語表現できる方は少ないので
これからの季節、要注意ですね。

インフルエンザにノロウイルスに…

もともと、内科疾患のある方も。

もちろん、私たち自身も。
… ちょっと喉が痛いよっしーでした (^^;

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/631

百人一首や諺の活用

言葉で丁寧に1つ1つ伝えるより
百人一首や諺や歌の歌詞のほうが
一言でピッタリと気持ちを代弁できることがよくあります。

今のお年寄りには
百人一首を諳んじられる方も大勢いるし
諺も日常生活に密着していたようです。

そういうことを知っておくと
引き出しがまた1つ増えますよね。

百人一首の中から、私の好きな歌を一首。

滝の音は絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/629

得意が弱点

たとえば、歌手は歌が上手いがゆえに
自分の得意を生業としていけるけど
得意だからこそ
使いすぎて喉を痛めてしまったり…もある。

得意なことが弱点にもなり得る。

だから、たとえば、豊かな感受性がアダになることもある。

自分の武器は武器として
手入れを欠かさないということは
効果を保つ以上の意味があるのかも。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/623

プレゼンは説得

今日は、プレゼンテーションを考える日となりました(^^;

なんと、今日一日で自分も含めて8人のプレゼンを体験。。。

構成や切り口、表現などずいぶん人によって異なっていました。
逆に、自分がやりたいプレゼンを明確に意識することにもなりました。

プレゼンは説得でもあります。

聞く人に、気持ちよく説得されていただけるように
そう考えると工夫は必須です。

中身がなければ
聞くに値しないけれど
中身だけあったって
聞いてもらえなければ始まらない。

そのための工夫…できることは、いろいろあります。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/622

昨日の続き

たとえば
怒りっぽくて怒鳴り散らしている人がいたとして
「 キツい口調」で「注意」したりなんかすると
火に油を注ぐようなものです。

対象者の方も自分もお互いにイヤな感情だけ残って
しかも、状況が改善されない…という。。。

声のトーンや話し方のピッチや表情に気をつけるだけで
その場がおさまったりすることはよくあるし
少なくとも、燃えさしが残ったとしても
火が燃え広がらない
油を注がずにすんだとしたら

良いことはできなかったとしても
悪いことはしなくてすんだのなら
少なくとも状況の悪化を防げたのなら
それだけでも良いと思う。

「良い」ことをしようとして
状況を悪化させてしまうよりも
ずっと適切なことだと思う。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/617