Tag: 食事介助

講演@「芳徳の郷ほなみ」

昨日、2月28日(木)に
芳徳の郷ほなみさんにて
「認知症のある方の食事介助」をテーマにした研修会で講師を務めてきました。

勤務終了後のお疲れの中、熱心にお話を聞いてくださり
どうもありがとうございました。

窓口になってくださったTさん、お世話になりました。
ありがとうございました。

適切なスプーン操作ができて初めて
認知症のある方の食べ方を評価することが可能となります。

評価することができるから
どんな食形態を選択するか
どんな介助方法をするか
具体的に考えることが可能となるのです。

評価の前段階としての
適切なスプーン操作の基本
してはいけないスプーン操作
そして、その意味をお話いたしました。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/4094

事実の子2:?「ひどいムセは食事中止」

認知症のある方や生活期にある対象者が
食事中にひどくムセてしまうと
そこで食事を中止してしまう
という対応をしている施設・病院も多いのではないかと感じています。

この問題はふたつ

ひとつには
「ムセ」がどういう機序で起こっているのか理解せずに
「ムセ=誤嚥=ひどいムセ=ひどい誤嚥=食事中止」というパターン化した思考・対応をしているところです。

ふたつめには
ムセた時に、どうしたら良いのかを教わっていないために
ムセで苦しんでいる方を目の前にすると、食事を中止するしかできないのだと推測しています。

ムセは、確かに誤嚥のサインではありますが
同時に、誤嚥した異物を喀出しようとしている生体防御の働きでもあります。
ひどいムセ、強いムセは確かに目立つものですが
しっかりと喀出しようとしている働きの強さを示してもいます。
むしろ、危ないのは、か細く弱々しくしかムセられないケースなんです。

また、ムセた時には
背中を叩くのではなくて
異物を喀出しようとしている呼気のパワーを強めるために呼気の介助をします。
そして声の清明さを確認して清明な声であれば食事を再開できるし
まだ声が濁っていたり嗄声であれば呼気の介助を繰り返します。

本当に「事実の子たれよ。理論の奴隷たるなかれ。」なんです。
評価が大事
そして後でまた書きますが
評価ができるためには適切なスプーン操作ができないと
評価の入り口にさえ立てないんです。
不適切なスプーン操作をしているために
誤嚥のリスクを高めてしまう恐れがあるのです。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/4007

事実の子1:?「ムセたらトロミ」

多分ほとんどの施設・病院で
「ムセたらトロミ」
「まだムセたらもっとトロミ」
ムセの頻度や強さによって、トロミの粘度をどんどん強くする
というパターンで対応しているところが多いのではないかと感じています。

この対応の問題は2つ

ひとつには
対象者の食べ方や飲み方の観察・評価が為されずに
「ムセ」という結果だけを見て「トロミ」という
パターン化した対応をしているということ

もうひとつは
嚥下5相(機能解剖が大切なので、4相でも6相でも流派は問わない)の関係性
食べ方のいつ、どこで、どんな風にムセているのか
観察・評価が為されていないこと

現実に起こっていることは
嚥下5相でいう「咽頭期」の問題は「口腔期」の易疲労によって
二次的に引き起こされているケースもあるということです。
だから、トロミをつけたら逆効果になってしまうということも起こり得ます。
このような場合には、ごく薄い粘性の液体の形状で栄養を摂取してもらうことから始めた方が良いのです。
いわば、逆・嚥下ピラミッド

「ムセ→トロミ」という「パターン化された思考・対応」ではなくて
「ムセ→観察・評価→トロミの要・不要と粘性の判断」が必要だと考えています。
その結果、もちろん、咽頭期そのものの問題というケースだってあるでしょう。
そういう場合には、トロミをつけていくことが適切です。

先日、ある人から(すごく信頼している優秀な人です)
私の他にも同じことを言っている人がいることを教えてもらいました。
すごく心強かったです。
そのことについては、ただいま情報収集中です。

本当に「事実の子たれよ。理論の奴隷たるなかれ。」なんです。
評価が大事
そして後でまた書きますが
評価ができるためには適切なスプーン操作ができないと
評価の入り口にさえ立てないんです。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/4001

適切なスプーン操作が評価の入り口

適切なスプーン操作ができて初めて対象者の食べ方、本当の能力がわかる。

適切なスプーン操作は評価の入り口

適切なスプーン操作ができないと評価のドアがくぐれない。

今、目の前に見えていることそのままが事実ではないこともありえます。
事実の一旦しか見えないこともありえます。

かつて
地球は動かないという天動説が常識だった時代がありました。
確かに、空を見上げれば太陽が動いていて私たちの足元は動いていません。
私たちの目の前に見えるのは「太陽が動いている」ということです。
でも、本当は太陽の周りを地球が回っている。
そのことを日々の暮らしの中で直接実感することは叶わないけれど。

だからこそ
観察力と洞察力が大切なのだと強く感じています。

 

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/3990

@家族懇談会「みのりの会」

平成30年10月13日(土)に
認知症の人と家族の会神奈川県支部さんの主催で
横浜市健康福祉総合センターで
家族懇談会「みのりの会」が開催され
そこで食事介助の話をするようにとのご依頼があり
行ってきました。

懇談会という貴重なお時間の一部を割いてのことでしたので
「そんなこともあるんだ」「じゃあ気をつけてやってみよう」
と思っていただければ。という目的でお話とデモンストレーションを行いました。

「知らなかった」「もっと早く知っていれば」というお声もいただき
機会をいただけたことに感謝するとともに
本来は、ご家族よりむしろ、直接、仕事として食事介助に関わる職員にもっと知ってもらわないと。
という思いを強くしました。

私たちが適切なスプーン操作ができて初めて
認知症のある方の本当の食べ方、困りごと、能力を目にすることができるのです。
12月に東京で丸一日、実技もたっぷり体験できる食事介助のセミナーが開催されます。
どうぞ、ご参加ご検討ください。
https://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1530953120-030808

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/3927

講演@NEXT10

平成30年10月4日(木)に
南足柄市のりんどう会館にて
「NEXT10 介護の力で南足柄を一番にする会」さん主催の研修会で
「認知症のある方への食べることの援助」
というタイトルで講演&実技体験を行ってきました。

窓口になってくださったIさん
代表のTさんはじめスタッフのみなさま
当日参加されたみなさま
お疲れさまでした。
どうもありがとうございました。

アセスメントしなければ
どう工夫したら良いのかわからない。
アセスメントするためには
観察をしなければわからない。
観察ができるためには
知識が必要だし
知識をもとにして適切な介助ができなければ
対象者の本当の能力を見出すことができない。
そういう内容でお話をしました。

一人でも多くの方に届くことを
そして、一人でも多くの対象者の方の食べ方が良くなることを
心から願っています。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/3918

適切なスプーン操作ができて初めて能力を見いだせる

認知症のある方の食べることに関する困難はいろいろありますが
まず、私たちが適切なスプーン操作をすることができて初めて
認知症のある方の本当の食べ方、本来の食べ方、食べる能力に
触れることができるようになります。

言い換えれば
私たちが適切なスプーン操作を実行できなければ
認知症のある方の本当の食べ方
何に困っていて、何ができるのか
気がつくことができないということになってしまいます。

相手の能力がないということと
相手の能力に気がつけないということは全く違います。

いったい、どちらの能力がないのか。。。時々そんな風に感じることもあります (^^;

認知症のある方の能力に眼を見開かされた経験をしたことのある人は
自らの見落としに細心の注意を払うようになると思います。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/3601

医学書院「精神看護」9月号に掲載

医学書院の隔月誌「精神看護」9月号特集2に
私の原稿「スプーン介助を変えれば食べる力は復活する」が掲載されます。

うわっ!カラーだ。。。とまず最初はビックリ
次にげげっ!顔写真がのってる。。。
と最初は本論に無関係なコトを気にしておりました(^^;

でも、担当してくださったIさんがとても良い方で
Iさんの心意気に触発されるようにしてお話していたような気がします。
Iさん、本当にどうもありがとうございました。

スプーン操作に気をつけるだけで
認知症のある方も
食事介助をする私たちも
確実に困りごとが少なくなります。

そして
スプーン操作に気をつけることができて初めて
認知症のある方の食べる能力に気がつくことができるようになるんです。

だからこそ、もっと広まってほしいし、広めたい。

職場に「精神看護」がある方、是非お手にとってみてください。

知らないために
介助者も認知症のある方も
食べることに困難を感じていることを
知ることによって確実に困りごとを減らすことができます。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/3595