認知症のある方や生活期にある対象者が
食事中にひどくムセてしまうと
そこで食事を中止してしまう
という対応をしている施設・病院も多いのではないかと感じています。
この問題はふたつ
ひとつには
「ムセ」がどういう機序で起こっているのか理解せずに
「ムセ=誤嚥=ひどいムセ=ひどい誤嚥=食事中止」というパターン化した思考・対応をしているところです。
ふたつめには
ムセた時に、どうしたら良いのかを教わっていないために
ムセで苦しんでいる方を目の前にすると、食事を中止するしかできないのだと推測しています。
ムセは、確かに誤嚥のサインではありますが
同時に、誤嚥した異物を喀出しようとしている生体防御の働きでもあります。
ひどいムセ、強いムセは確かに目立つものですが
しっかりと喀出しようとしている働きの強さを示してもいます。
むしろ、危ないのは、か細く弱々しくしかムセられないケースなんです。
また、ムセた時には
背中を叩くのではなくて
異物を喀出しようとしている呼気のパワーを強めるために呼気の介助をします。
そして声の清明さを確認して清明な声であれば食事を再開できるし
まだ声が濁っていたり嗄声であれば呼気の介助を繰り返します。
本当に「事実の子たれよ。理論の奴隷たるなかれ。」なんです。
評価が大事
そして後でまた書きますが
評価ができるためには適切なスプーン操作ができないと
評価の入り口にさえ立てないんです。
不適切なスプーン操作をしているために
誤嚥のリスクを高めてしまう恐れがあるのです。
最近のコメント