質的評価→対応→能力維持

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過剰努力で立ち上がれる
がんばって何とか立ち上がることができる
過剰努力で食べてる
がんばって食べることができる
それらは、確かに能力だけど
それだけでは長続きしない。

がんばるのは、自然な身体のはたらきじゃない。
がんばるのは、一時的なためであって永続的なためではない。

でも、往々にして
「がんばって」食べることを促されるし
「がんばって」立ち上がることを促される
という現状がある。

過剰努力できなくなった時に
一気に食べにくくなり、介助しにくくなり
一気に立ち上がれなくなり、介助しにくくなり
あたかも、その時になって初めて問題が起こったかのように
取り上げられがちだけど
ようやく表面化しただけで、問題はずっと前から起こっている。

まったく同じコトが違うカタチで現れている
そういうコトって、いっぱいある。

本人は文字通り必死になって
がんばってきたのに
できなくなったら
どんなに辛いだろう。
「もっと頑張れ」なんて言われたら、たまらないと思う。

量的に可能な時に
質的な評価にもとづいた対応ができていれば
かなりの確率で防げることがたくさんある。

介護予防の本質って、本当はそっちなんじゃないかと思う。

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重心の移動方向がポイント

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座る練習をする時に
重心の移動方向のコントロールをすることがポイントで
そのために必要な介助をその方に応じて行います。

具体的な声かけとしては
「手をずっと下に
膝から足首にむかってさすりおろすように」
と言いながら
この時前方につんのめらないように
なおかつ、足底にきちんと体重がのるように介助して
それから、最後にお尻を下ろすように促します。

決して過剰努力をさせないように
重心の移動方向の再学習が目的なので
がんばらせる必要はありません。

今の能力で
重心の移動方向の再学習ができるように
援助していくと
再学習が行われ、結果として
ラクに座れるようになっていきます。

食事介助と食べ方の関係と
まったく同じことが違うカタチで
現れているんです。

食事介助も
がんばって食べることを促す。のではありません。
今の能力で食べることの再学習ができるように
援助していくだけなんです。

続きは明日 (^^)

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座る練習をする

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自分で何とか立ち上がれる
という能力って、たとえば
「自力でトイレに行く」ためには必須の能力ですが
その能力維持のために
「立ち上がり100回」なんてナンセンスです (^^;

それよりも
自分で何とか立ち上がれる という状態像の方は
たいてい、座り方も円滑にはできないことが多いです。

ドシンって倒れ込むように座っている方がとても多い。

そのような方には
静かに、そっと音がしないように座る練習をすると良いです。

そうすると
立ち上がりも円滑にできるようになったり
歩き方も円滑にできるようになったりします。

この時大切なことは
「がんばって」「過剰に努力して」座る練習をするのではなくて
一緒にラクに座れるように
介助を主体として座る練習をすることが大切なんです。

ムリさせないことが大切。

そうすると
大抵の場合に、自分で楽に座れるようになってきます。

立ち上がりが困難な方や
あるいは立ち上がりの維持のために
筋力強化や立ち上がりの練習をするよりも
ずっとラクに効果的に立ち上がりができるようになります。

えぇ〜?ホント?と思う方は、試してみてください。
立ち上がりの練習をしている時には
絶対座る機会があるんだから
その時にただドシンと座らせるんじゃなくて
ちょっと手を貸して介助で座る練習をするだけなので
時間は全然かからずに、プラスαの練習をすることができます (^^)

ただ、押さえておくべきポイントはあります。
それはまた明日 (^^)

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量的側面だけでなく質的側面も

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できたか、できないか
どのくらい、できたか
という量的側面は大事だけど
どんな風にできて、どんな風にできないか
という質的側面も大切。

リハスタッフにとっては
当たり前の視点ではあると思うけれど

できていることの質的側面の評価と対応をしておくことが
能力維持には、とても重要。

がんばって何とか立ち上がれている
ということは、1つの能力だけど
そしたら、次に
がんばらなくても円滑に立ち上がれることを
目指した方が良いと考えています。

がんばって何とか立ち上がれていることだけを続けてしまうと
代償が効かなくなって
がんばっても立ち上がれなくなってしまうおそれがあるから。

そういう方って案外とても多い。
老健に勤務している時に
入所の方も通所の方でも、そういう方にたくさん遭遇してきました。
そして、がんばらなくても円滑に立ち上がれるように
リハの機会を担保することで
ふだんの暮らしの場面では
がんばって立ち上がれることを維持できるようになった方にも
たくさん遭遇してきました。

これって
食事介助の場面で起きてることとまったく同じなんです。
同じことが違うカタチで現れてる。

続きは、明日 (^^)

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第14回CM研究大会に行ってきました

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平成28年1月16日(土)に
小田原市民会館にて開催された
第14回神奈川県介護支援専門員研究大会の
シンポジストとして参加してきました。
http://www.care-manager.or.jp/ibento.html

神奈川新聞ニュースにも掲載されています。
「『在宅で看取り』模索 ケアマネージャーが大会 小田原」
http://www.kanaloco.jp/article/146569

お招きくださいました実行委員長
お世話になりました担当部門のみなさま
どうもありがとうございました。

認知症のある方は
能力が低下したから不合理な言動をするのではなくて
能力があるからこそ不合理な言動になってしまう。
だから結果として起こっている不合理な言動を切り取って
どうしたら良いか考えるのではなくて
能力をより合理的な方向へ発揮できるように援助するように考える。
そのために障害と能力をきちんと把握することが大切。
というお話をしてまいりました。

打ち合わせの過程で
食事介助によって誤嚥性肺炎を減らすことができる
そのためには、適切なスプーン操作が必要というお話をしたら
さっそく研修会を企画してくださるとのことで
とてもとても嬉しいです。
本当にどうもありがとうございます。

先にお伝えした
「能力があるから結果として不合理な現れ方をする」
「能力をより合理的に発揮できるような援助が必要」
ということが一番端的にわかりやすいカタチで現れるのが
食事介助の場面です。

認知症のある方は、より安全により食べやすくなり
介助する方は、よりスムーズにより介助しやすくなり
摂取時間もずっと短縮されて
みんなにとって良いことが起こるという体験ができます。

そして、また
食事介助の場面で視点を変換した援助が実践できれば
同じことが違うカタチで現れている
さまざまな生活障害やBPSDに対しても
今までとは異なる視点に基づいた異なるアプローチが
実践できることにもつながっていきます。

少しずつでいいから
こんな風にして
広がっていったらいいな (^^)

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バリデーションセミナー2016のお知らせ

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今年も「バリデーションセミナー」が
5月下旬に名古屋・大阪・東京・福岡の4会場にて開催されます。

今年は、ビッキー・デクラーク氏が来日されるそうです。

詳細は公認日本バリデーション協会のサイトでご確認ください。
http://www.clc-japan.com/validation/seminar.html

過去のセミナーの様子や参加者の感想を見られます (^^)

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研修会「認知症・評価・対応」

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株式会社gene(旧:合同会社gene)さんの主催で
認知症関連のセミナーが下記のとおり開催されます。

1月24日(日)に大阪で
「リハスタッフのための認知症のある方への対応入門
〜評価のすすめ方〜」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1441940291-056336

2月7日(日)に同じく大阪で
「リハスタッフのための認知症のある方への評価から対応まで」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1441940522-714229

今年度のgeneさん主催のセミナーで私がお話しするのは
こちらのふたつ限りとなっています。

リハスタッフのための〜という冠言葉がついていますが
リハスタッフでない他の職種の方でもご参加いただけます。

会場でお会いできたら嬉しいです (^^)

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POST連載記事2

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「POST 現役理学療法士によるリハビリ職者のためのサイト」に
私の連載記事vol.2が掲載されています。
http://1post.jp/2016/01/04/interview_ot_dementia_colum02/

今後の記事の導入となる内容になっています。
よかったらお立ち寄りください。

POSTさんのFacebookに
私の食事介助のセミナーに参加した方が
コメントを寄せてくださっていて
職場で実践したら、食べ方が変わった、ムセが減った
って記載されていて本当に嬉しかった。

一度の体験で自分の介助方法を変える
ということは実は案外難しいことですが
その方は、まず自ら行動変容することができたから
対象者の行動変容も援助することができたのだと思います。
その過程は本当にすごいことだと思いますし
そのきっかけになれたとしたら、私は本当に嬉しく思います。

こんな風にして
認知症のある方が
1人でも多く、より安全によりラクに
食べられるようになったら、いいな。

そして
その過程において
援助する人たちが
認知症のある方の能力と脳の可塑性に眼を向けて
他の場面にも展開していってくださることを
心から願っています。

あー私も負けていられない!
がんばるぞー p(^^)q

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