Tag: Act.

POST連載記事「Activity:要素の活用」

良い姿勢?

理学療法士作業療法士言語聴覚士のためのサイトPOSTさんに
私の連載記事が掲載されました。
「Activityの選択−要素の活用−」

以前好きだった、得意だった趣味活動ができなくなったり
認知症のために、好きなことややりたいことを言葉にできなかったり
やりたいと言った趣味活動が認知症のためにやってみたらできなかったり
このような場面には臨床上非常によく遭遇します。
その時にどうしたらよいのか、案外難しくて困ってしまうということはよくあります。
身体障害であれば、同じコトでも違うやり方に変えてできるように工夫する
という方法がとれますが、認知症のある方は疾患特性から新しいコトは覚えられないので
現実的には難しいケースが多いのです。

私のご提案をPOSTさんが掲載して下さいました。
よかったらお立ち寄りください。

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POST連載記事「ナウシカに絡めて」

POSTさんのサイト
「風の谷のナウシカから考える認知症対応」という記事が掲載されました。
https://1post.jp/2838

できるだけ早く「続き」を書きたいと思っています。
もう少しだけお待ちください m(_ _)m

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中身の連携:Act.の選択

確か前にも一度記事で書いたことがありますが
認知症のある方に何かAct.を提供することを考える時に
とりあえず、昔とった杵柄、かつての趣味を考える人も多いと思います。

でも、その結果
イメージはあるけど、手指の巧緻性低下のためにできなくなった。とか
イメージはあるけど、工程を思い出し修正しながら実行することができなくなった
といった障害のために、かつて得意だったことが今できなくなってしまったという方も多くて
Act.を提供する作業療法士をはじめとするリハスタッフやデイサービスで働くスタッフが
困ってしまうという場合に一度や二度は遭遇しているはずなんです。

そんな時によく私たちが言いがちな言葉が
「一緒にやるから大丈夫」という言葉だと思いますが
これは実は認知症のある方にとって、非常に難しい場面を設定してしまうことになりかねません。

一緒にやる。。。ということは
認知症のある方の隣でスタッフがやってみせる。ということを指すと思いますが
この時に認知症のある方の脳内で要求される処理としては
1)スタッフの言葉を聞いて理解する
2)スタッフのやっている動作を見て理解する
3)自分がやった動作と上記1)と2)を照合して2)になるように修正する箇所を認識する
4)認識した通りに修正する
ということになります。

もしも、認知症のある方に構成障害があれば
上記3)は非常に難しいことになりますし
そもそも上記1)〜4)を同時に並行して処理するという同時並行課題は
認知症のある方にとって難易度が高い課題です。

かつて得意だったことが今できなくなってしまったという体験
単に目の前の課題ができなくなったというだけでなく
もっと深い喪失体験を認知症のある方にもたらしかねません。

適切なAct.を選択するためには
認知症のある方の能力と障害と特性を把握することから始まります。

施設に退院される方の場合には
施設でのリハやケアで、「参加する」ことが求められるようになりますが
ご本人の特性と能力に合ったもの、
なおかつ障害による困難を最少限にするための場面設定について
スタッフが困らないですむように
認知症のある方の不利益となるような体験を提供しないですむように
そのあたりのことも申し送るようにしています。

介護保険領域において厚生労働省が「活動と参加」を強調している昨今
認知症のある方へ提供された
善かれと思ってのリハやレクが常に良い結果となるわけではないのだ
ということについて
特に作業療法士は
警鐘を鳴らすと同時に
適切な提案ができることが求められていると考えています。

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Act.:輪ぐさりは難しい

作業に語らせる:輪くさり

来月の七夕さまへ向けて
Act.提供の一環として輪ぐさりを考える人は多いのではないかと思います。
輪ぐさりはカンタンと思われるかもしれませんが
結構、難しいものです。

当院の入院患者さんの多くは、輪ぐさりのイメージはあっても
輪ぐさりとして作ることが難しい方が大勢いらっしゃいます。

たとえば
作業に語らせる:輪くさり

多くの場合、「これでできた!」とはおっしゃいません。
「あれ?」「あれ?」と首をひねりながら
輪と輪の側面を糊でつけたりして
また「あれ?」「あれ?」と首をひねっています。

イメージはあるのに、再現できない

これは辛い体験だと思います。

中には「どうせそこまでわからないでしょ」とか「どうせ忘れちゃうからいいんじゃない」
と言う人もいたりして、私は本当に驚いてしまうのですが
認知症のある方にとって、輪ぐさりは難しい場合も少なくありません。

ADLとは違って、Act.は必ずしなくてはいけないことではないので
できないこと、苦手なことを提供するのはどうかなぁ?と思います。

認知症のある方の能力と障害と特性を把握できていれば
どんなAct.ならできるか、どの程度なら行えるのか
あらかじめ見当をつけておくことができると思います。

写真のようなケースになってしまうような方の場合
構成障害が重度にあるので
いくら隣でスタッフが「ここに紙を通して」と声かけしても
言われている言葉は聞こえていても
ご自身の行動として実行することは非常に難しい。

構成障害とは
全体と部分、部分と部分の位置関係を認識し再現することの障害のことですから
「ここに」という「こそあど言葉」を使った声かけでは
かえって理解を難しくしてしまいます。

こういうことって一杯ある。ヤマほどあります。

今回、私が上梓した「食べられるようになるスプーンテクニック」
の日総研出版の中野義之さんは
「一時が万事」っておっしゃっていただいて
障害と能力がどんな風に暮らしの困難を引き起こしているのか
食事介助で起こっていることが日常の対応場面でも起こっている
ということを明確に理解してくださった方のお一人です。
こんな風に理解していただける方は
スタッフの中でもまだまだ少ないので本当に嬉しく思います。

認知症のある方に寄り添ったケアをする
というならば、
このような場面で何が起こっているのか
スタッフの側が認識できることが重要だと思うし
もっと言えば、
このような場面は回避できるように
あらかじめご本人の能力と障害を把握できていることが求められるのではないか
と考えています。

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作業療法士だからできる

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私たちには大きな武器があります。

言葉だけに頼らずに「対象」と「場」を活用できます。

最初に言語を中心としたやりとりで「何を」するのか決める「場」を設けることは重要です。
でも、その「場」を言語だけに限定するのは、もったいないです。
それでは認知症のある方に対して不利益にしかなりません。

言語以外の方法で「何を」するのかを
認知症のある方と「相談」し合うことは可能です。
それはおそらく作業療法士が一番の近道にいる職種です。

そういうことができなければ
少なくとも、認知症のある方に対して適切な「活動・参加」を決定できなくなってしまいます。
決定する過程への参加の機会が保証されなくなってしまいます。

それで本当に良いのでしょうか?
認知症だから仕方がないことなのでしょうか?

私は決してそうは思いません。

状態によっては
HDS-R 0/30 点の方でも
「適切な」Activityを「恊働して決定する」ことは可能です。

私は作業療法士として
認知症のある方に対して
他の疾患の方が保証されている決定過程への参加と選択について、
認知症のある方にも同様の権利が保証できるような方法論の1つとして提案します。

言葉だけでは想起できない
絵カードでも再認できない
けれど体験を通してなら再認できる

そのような体験を私はたくさんしています。
それは私が作業療法士だからです。

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特性が良い方向に現れるように

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それから
認知症のある方の
特性が良い方向に現れるように
もう一度Act.を再設定します。

この時に特性を「形容詞として詳細に把握」できていると
Act.再設定が容易になります。

「丁寧」と「きっちり」と「慎重」では意味合いが異なります。

仕上がりは、どれもみんな綺麗に仕上がるでしょうけれど
その綺麗さは、何によってもたらされたものかを明確化しておくことが大切です。

Act.には、通常複数の側面があるものです。
認知症のある方の「対象への向き合い方」が最前景となるような側面のAct.の中から
その方にできるものを選択します。

たとえば
丁寧に作業する人には、切り紙
きっちりと作業する人には、メモ帳作り
慎重に作業する人には、三つ編み
など(モチロンこれらは一例に過ぎません)

そうすると
「対象への向き合い方」にピッタリと当てはまった時には
必ずといっていいほど
過去の何らかの関連づけられた体験を想起し言語化されます。

その言葉は大きなヒントになりますから
そのヒントをもとにさらに再設定したり継続したりを最終決定します。

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特性をフィードバック

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認知症のある方の
Act.という「対象への向き合い方」をよく観察して
その向き合い方の特性をフィードバックします。

人によって向き合い方は、さまざまです。
早く
たくさん
丁寧に
慎重に
きっちりと
などなど全然異なります。

「手早く為さるんですね」
「もうこんなにたくさんできましたね」
「ていねいに為さったのでとてもよい仕上がりになりましたね」
「間違えないようにとても注意深く為さっていましたね」
「きっちり作られたんでぴしっとできましたね」
などなど。。。

時には
認知症のある方がニコニコして「綺麗ねー」とおっしゃってる時には
私も「わー綺麗。すっごい綺麗。」などと言うこともありますが。

認知症のある方の
「対象への向き合い方」が現れる行動をよく観察する。
認知症のある方の
注意を向けているその向け方に着目して言語化する。

ただ単に
作った、できた、よかった、上手…ではなくて
その過程への向き合い方を理解し、受けとめたということを言葉にして伝えます。

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小田原OTでAct.の話をしました

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本日、小田原OT勉強会でAct.のお話をしてきました (^^)
国際医療福祉大学のU先生、お世話になりました。
どうもありがとうございました m(_ _)m
参加してくださったみなさま、お疲れさまでした m(_ _)m

小田原OT勉強会は、
のんびりした勉強会、勉強会としての機能の最少限に絞っているので
のんびりゆったりした雰囲気なのも、ウリのひとつです。

そのつもりで、私もついのんびりゆったりしていたら
本当にたくさんの方にご参加いただきました。
ありがとうございます。なのに。
資料が足りずにバタバタして、開始までお待たせしてしまい大変申し訳ありませんでした。

テーマは「認知症のある方へのAct.」なのですが
多くの場合に作業療法としての本質的なことは教えてもらっていない場合が少なくないので
困っている人は実はたくさんいるのだと感じています。
だから、今日も通常よりもたくさんの方にご参加いただけたのじゃないかと思う。

いや、この表現だと誤解を招く。
作業療法の理念と現実の臨床をどう結びつけるのか
理念を具現化するための臨床での考え方や
選択・提供したAct.が適切だったのかどうか、どうやって振り返るのか
そういったことは実は教わっていないことが少なくないんじゃないでしょうか。
ということを言いたいのです。。。

いわく
やりたいことが言えない時にどうするのか
Act.の選択と提供をどんな風に組み立てて考えていったらよいのか
そもそも、作業が人を元気にすると言うけれど、作業の何が人を元気にするのか

今日は、あんまり毒のあることは言わないようにしていたけど (^^;
本質的なことほど、明確に言語化されていないように感じています。
でも、それだと一生懸命な人ほど困っちゃうんですよね。

今日の私のお話が少しでも参加してくださった方の
明日からの臨床にお役に立てば、ひいては、対象者の方のお役に立てば、私は本当に嬉しく思います。

そして、
もっと本質的なことを
もっと臨床に即してお伝えしたいと考えています。

作業療法教の信者にならずに
作業療法のプロとして
作業をどう考えるのか、愛と毒を込めて♥ 叫びます(?)

「神奈川の地から作業療法を叫ぶー愛と毒を込めて“作業”を問う」
主催:作業療法総合研究所
日時:平成29年3月12日(日)

詳細は、たぶん、年明けてからの掲載になります。
まだ、明確には考えてない。。。
イメージはあるけど、具体化はこれからなので
逆に、もしもこんなこと聞きたいとかのご希望があれば早めにご連絡ください。
いつか、どこかで会った時にでもお伝えいただいてもよいし
このサイトの上部にある黒い帯のところの「著者の紹介」をクリックして
そのまま画面下にスクロール、《免責・著作権》のところに私のメールアドレスが記載してあります。
そのアドレス宛にメールでご連絡いただいてもよいです (^^)

 

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