Tag: 環境適応
食事介助は
究極のノンバーバル・コミュニケーション
食事という場面において
対象者の方の
食べる能力を発揮できるように援助する
その方の特性を阻害しないように援助する
食事介助をみれば
ふだんの関わりも推測できる
食事介助を適切にできる人は
ふだんの介助もきめ細やか
単に食べさせているような人は
「させる」ことはできても
「する」ことの援助はできない
認知症のある方のケアについて
これだけ、あれこれ言われているのに
食事介助について言われることが少ないのは
食事という場面が
ノンバーバル・コミュニケーションそのものであり
介助の本質が問われる場面だからなんじゃないかな。。。
だからこそ
「食事」という場面が変われば
ケアの現状も変わるに違いない
そう感じているのです。
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良いことをしようとするのではなくて
悪いことはしないようにするのって
案外大切なことだと感じています。
対人援助職としては
良いことをしようとして
えてして結果的に悪いことをしていても
気がつかない…ということは案外多いもの。
良いことをしようとする時には
案外、相手の状況を観ていなかったりする。
けれど、悪いことはしないようにする時には
相手の状況を観ざるを得ない。
観察をする…ということを
余儀なくされるから。
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って、結構あるよね。
いろんなところで
同じコトが違うカタチで現れている。
問題なのは
問題と思ってることじゃなくて
問題設定の仕方が問題だという。。。
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すっごく不思議なのが
立ち上がりを一生懸命練習させるけど
座り方には無頓着…ってパターン
がんばって立ち上がらせても
座る時にはドシーン
マッチポンプになっちゃってる
立ち上がりも座ることも
重心の移動の軌跡は
方向こそ逆だけど同じなのに。
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私は筋力強化はしません。
立ち上がりと座ることを介助しながら練習します。
たとえば
何回も繰り返してからようやく
立ち上がれていた認知症のある方が
この方法を5回練習したら
自分でスッと立ち上がれるようになったのです。
5回で筋力はつきませんよね?
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たとえば。。。「立ち上がり」でも
「食事介助」と同じことが起こっています。
カンタンなこと、ジョーシキ、誰でもできる
。。。と思われています。
立ち上がりができなくなるのは
筋力低下のためって思われています。
だから、筋力強化しましょう。
立ち上がりの練習をしましょう。って。
でも
私が老健に勤務している時に
一日に何回も自分でトランスファーしていたのに
専門家のPTが週に2回も個別リハをしていたのに
立ち上がりができなくなってしまった方がいて
その方に私が立ち上がりの練習をしたら
もう一度立ち上がれるようになった
そういう方が何人もいたのです。
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認知症のある方の
不適切な食べ方をどのような立場で見ているのか
人は案外自覚できないものです。
能力低下しているからと考える人は
1回量を減らしたり
食形態を落とすことに抵抗を感じるようです。
もっと食べられなくなるのではないか。。。と
現実は違うということを知っていただきたい
能力があるからこそ
介助を含めた不適切な食環境に
適応した結果、不適切な食べ方を習得する
能力があるからこそ起こることなのです。
視点が180度違っているのです。
そして、この視点の違いによる関わり方の違いは
食事介助だけに限って起こっていることでしょうか?
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認知症のある方の誤嚥性肺炎は減らせる
私はそう感じています。
仮性球麻痺などの障害がなければ
SDATのある方の食べ方の問題は
介助の適正化によって解消・改善されます。
ADやPick病のある方が
誤嚥性肺炎で亡くなられるケースが多いというのも
ゼロにはならないにしても
今よりは改善できると考えています。
少なくとも食べられる期間を
今よりは維持することはできると考えています。
食事介助については
ちょうど落とし穴のように
今までは「見れども見えず」で
適切に現状把握が為されていなかったから
現状把握が適切におこなえれば必ず変わる。
ケアに携わる方には
「食べる」ことの援助という視点で
もう一度食事場面を見直していただきたい。
とりわけ、作業療法士で食事場面に入っていない方には
ぜひ評価をしていただきたい。
なかでも、精神科病院に勤務する作業療法士は
食事介助に入っていない方が多いようですが
作業療法士として寄与できる場面がたくさんあるのだ
ということを知っていただきたいと思います。
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