Tag: コミュニケーション
イチローのインタビューがおもしろかったのは
インタビュアーの存在にも因ると思う。
稲葉という人がいたから
イチローも語ることができた。
私自身も過去にインタビューを受けたことが何回かありますが
その時に思ったことは
インタビューって恊働作業なんだな
ということ。
インタビュアーがインタビュイーに質問する。
インタビュアーの深みに応じて
インタビュイーが触発されて答えが発せられる。
だから
普段意識していなかったことが引き出されることもある。
言葉にして初めて
言った本人がそうそうその通りと思ったり (^^;
優秀なインタビュアーは
十分な準備をして、なおかつ
話を聴く時にはいったんその準備を頭の中から捨てる
って書かれていたのを読んだことがあります。
その時に、「あ、似てるな」って思いました。
認知症のある方と関わる時には
事前情報はちゃんと確認するし、
今までの経緯は頭の中に入ってる
でも、頭の半分は空っぽにして接するようにしてる。
(常にできてるとは言えないけれど)
じゃないと
見過ごしてしまうことがあるから。
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POSTさんのサイトでおもしろい記事が掲載されていました。
http://1post.jp
「療法士にも通じるイチローの考え方とは」
http://1post.jp/2016/03/21/choukanpost20160321/
先日テレビで放映されて大反響を呼んでるそうですが
確かにおもしろい。
そして、確かに療法士にも通じる部分があると感じました。
人によって、感じたことは違うところもあるとは思いますが
私がその通りと思ったのは
「目に見えてる部分しか言えない人が多い」
です。
「認知症は難しい」「よくわからない」
という療法士の声をよく聞きますが
「目に見えてる部分しか言えない」から
起こっているわけで
だとしたら「目に見えない部分を言える」ようになること
(することの援助)が必要だと考えています。
またイチローの言葉はすごく的確で
「目に見えてる部分しか言えない人が多い」
という言葉には
イチロー自身が説明してるように2つの意味があって
「目に見えてる」ということと「言う」ということの2つで
本来、療法士は「できるようになる」ことの援助が仕事なんだけど
つまり、行動変容の援助をすることなのに
「変えろ」って言うだけの人もいるという…
イチローの立場ではコーチが該当するのでしょうが
私たちの分野では療法士が該当する。
イチローが終始言ってるのは
「身体の使い方」「運動学習」
というリハの分野でも共通していること。
自分の身体だから
自分自身との対話が大切だし、その意味で遠回りこそ意味がある。
対話を大切に十分に行ってきたことになるから。
対象者の心身との
「直接の言葉」や「手を通した言葉」「行動というもう1つの言葉」
による対話。
そこをすっとばして語られる言葉に深みがないのは当然と思う。
異分野の一流の人が違う視点から違う言葉で語っているので
非常に勉強になりました。
記事掲載してくださったPOSTさん、
どうもありがとうございました m(_ _)m
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目の前にいる方の
可能性を確信しているから、待つことができる。
小さなことの積み重ねと
その意味を確信しているから
スモールステップを大切にできる。
「食べさせなきゃ食べられるようにならない」
「歩かせなきゃ歩けるようにならない」
「やらせなきゃできるようにならない」
目の前にいる方の可能性を確信できたら
こんな言葉を使わずにすむ。
確信とは、情緒的な盲信ではない。
行動という
もう1つの言葉によって語られている
言葉にならない声を聴くこと。
常識とか
パターンとか
そういう雑音に混じりながらも
消えずに語られている声を聴き分けること。
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講演をした後に
アンケートを拝見する機会もときどきあって
そんな時にすごく嬉しく思うことがあります。
それは
「もっと勉強しようと思った」
「頑張ろうと思った」
という記載を見た時。
頑張って準備をして良かった…と思う。
心底、嬉しい。
講師冥利に尽きます m(_ _)m
だって
もっと勉強する、もっと頑張るという言葉って
自分自身の可能性、そして認知症のある方の可能性を
みつめる言葉だもの。
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POSTさんのサイトhttp://1post.jpに
「食事介助」の記事が掲載されました。
http://1post.jp/2016/03/14/interview_ot_dementia_colum03/
よかったらお立ち寄りください m(_ _)m
・・・追記・・・2016/03/15 21:20
POSTさんのFacebookに
たくさんの方から「いいね!」「シェア」していただき
とても嬉しく思います。
どうもありがとうございます。
スプーン操作を変えるだけで、多くの方の食べ方が変わります。
これからもそのことを一人でも多くの方に伝えていけるように
ガンバリマス!
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3月5日(土)に名古屋熱田区にある労働会館において
愛知民医連リハビリテーション部会さん主催の研修会が開催され
「認知症のある方へのリハビリテーションー障害と能力の把握」というタイトルでお話をしてきました。
お招きくださった担当のみなさま、どうもありがとうございました。
参加してくださったみなさま、お疲れさまでした。
目の前にいる認知症のある方に
何とかして良くなっていただきたいと強く感じていながら
現行の方法論では限界を感じて悩んでいる方が少なくないのは
本当にもったいないことだと感じています。
小澤勲医師の「ケアを感情労働から知的労働に切り替える」
斎藤正彦医師の「科学的で合理的なケア」
をどのように実践していくか…ということが
これから切実に求められるようになってくると考えています。
認知症のある方は
さまざまな脳の病気によって
慢性・進行性に認知症という状態像が引き起こされ
日々の暮らしの困難が起こってくるのだ
という根幹の認識に立ち戻れば
結果として起こっていることへの対応を考えるのではなくて
まず評価・状態把握から始めることの重要性を
実感できるのではないかと思います。
現れ方は、さまざまで
現れ方の意味も、さまざまで
それによっては、対応も全く異なってくるからです。
科学は過去の知識の修正の上に成り立つ学問です。
これから先の未来に向かって
認知症のある方とご家族の
余分な困難を少しでも減らせることが目的なのですから
修正を恐れずに
変化を恐れずに
できることを積み重ねていけたら
と考えています。
最後になりましたが
今回の講演の準備のやりとりにおいて
窓口となってくださったMさんが
いつもきめ細やかにご対応くださったので
何の心配も不安もなく当日伺うことができました。
また、当日の移動時におつきあいくださったSさん、Aさん
お忙しい時間帯なのにご足労いただきご配慮に感謝します。
本当にどうもありがとうございました。
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開口が良い
って言われている方の中に
視覚的被影響性亢進という症状のある方が
少なからずいて
しかも、そのことを知らない職員も
少なからずいるという現実があります。
視覚的被影響性亢進というのは
前頭側頭型認知症の症状の1つで
「眼で見たものに強く影響を受けてしまう」という症状ですが
臨床的には
アルツハイマー型認知症の進行したケースでも
よく見かける症状の1つです。
食事場面でどんな風に現れるかというと
たとえば
食欲がなくても
目の前に食塊がのったスプーンを差し出されたら
開口してしまうというカタチで現れたり。
たとえば
まだ口の中に飲み込んでいない食塊があるのに
開口してしまったりというカタチで現れることもあります。
「食べたいのね」
「食欲があるのね」
「開口がよくて介助しやすい」
などと誤解されることもよくあります。
気をつけないと
満腹感を失わせてしまったり
誤嚥性肺炎を起こしてしまうことになりかねません。
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ずいぶん前のことですが
食事介助をしながら
(お腹いっぱいですか?それとももっと食べられますか?)
って尋ねた時に
「そんなのわからないわよ」
って答えられたことがあって、すごく驚きました。
その方はもともと小食だったそうですが
記録上は、常に100%完食
朝100 昼100 夕100
後になって
他のところでお会いした時に同じように尋ねてみました。
(お腹いっぱいですか?それとももっと食べられますか?)
そうしたら
「そんなに食べられないわよ」
って答えられた。
私はもう一度驚いた。
満腹感を失うことも取り戻すこともできるのだと。
100%完食することが本当に良いことだろうか?
それって、誰にとっての良いことなのだろうか?
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