Category: よっしーずボイス(ブログ)

具体的方法論を支える考え方

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具体的な方法論の提供の仕方で迷った時とか
具体的な方法論を考え出した時に
一度考え方に立ち戻って相互矛盾しないか検証しています。

私は
認知症のある方は常に能力を発揮しながらモノゴトに対応している。
能力があるから結果として不合理な言動にもなる。
と確信しているものですが
目の前にいる方の状態の把握をふまえて
こんな風にしてみようかな?と考えた時に
能力を活かしている援助なのか
使役になっていないか
見た目に惑わされて能力を否定していないか
いったん自分の中で考えてから
具体的な方法で対応してみます。

望ましい言動がみられた後に
もう一度何が起こっていたのか
言葉にする作業を自分の中で行います。

その言葉通りに
もう一度行ってみて
矛盾や迷いや疑問が出てこなければ
善しとします。

認知症のある方への対応について
あまりにも表面的にどうする、こうする
ということが取り上げられがちのように感じられますが
大切なのは、認知症のある方への視点・基本的な考え方で
それは空理空論なんかではなくて
唱えるだけのお題目でもなくて
本当に、日々のその場その場の具体的な関わりを
支えるために大切なんだと実感しています。

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効果と逆効果

我慢のしどころ

知識があるから観察ができる。

観察できるから起こっていることの意味がわかる。

ここをすっとばして
自分の引き出しの中から試しにAという方法が合うかどうかやってみる
ということも現場では少なくないようです。

でも
ここで本当によくよく考えないといけないのは
やってみて効果がないならまだしも
やってみたことによって逆効果になる場合もある
ということ。

そのへんにある薬を手当たり次第に飲んでみる
そんなことをする人はいないと思う。
効果がないだけじゃ済まなくて大変なことになるかも
ってわかってるから。

使い方、用い方って怖い。
本当に効果のある、有効なものほど
副作用とか逆効果って強くでるもの。

認知症のある方への対応の工夫や
なかなか食べてくれない方への工夫だって
まったく同じだと思うんだけど。

でも、なぜか
良かれと思って為されることの害悪について
あんまり検討されていないのかなぁ?
と感じたりします。

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オススメの本

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「私は誰になっていくの?」
「私は私になっていく」

いずれも
クリエイツかもがわから出版されています。
http://www.creates-k.co.jp/books/index.php?searchctgr=7
(タイトルで検索すると詳細を見ることができます)

著者は
クリスティーン・ブライデン
46歳でアルツハイマー病、その後前頭側頭型認知症と診断された方です。

認知症のある方自身が
当事者の声を発信するという活動の先駆けとなった方です。

暮らしの場面で
どんなことに困るのか具体的に記載されていたり
自分自身に起こったことを受けとめる過程において
内面を率直にきめ細やかに描写されています。

私ももう一度読み直してみよう。

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疲労に注意

ちょっと待った

認知症のある方は
疲れやすいと聞きます。

「疲れたー」
「眼がしょぼしょぼする」
と自覚できることは、とても大切な能力です。

何か作ったりしていたとしても
決して無理させずにお休みしていただきましょう。

身体は疲れてるのに
疲れてるって感じられなくて
そのまま休めずに何か作ることを続けてしまって
後になってぐったりしてしまう方もいらっしゃいます。

どのくらいだったら疲れずに大丈夫なのか
確かめる時には安全パイで確かめるようにしています。
最初は10分程度で
だんだんと時間を伸ばしていきます。
看護介護の記録を参照したり
ふだん過ごしている食堂などでの過ごし方なども観察して
大丈夫と判断できれば
自主トレとしてそれこそ1時間できる方もおられるし
15分でも疲れてしまう方には
疲れる前にこちらから終了を打診する声かけをしたり
その時間でちょうど終わるように材料や設定を準備しておきます。

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自分自身への希望

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熊本地方の地震活動が一日も早く収束し
被災された方々の困りごとが一刻も早く改善されることを
お祈りしています。

 

 

このたび
(私にとっては、まだこのたびという言葉の方が実感があります)
座骨神経痛を患い、おかげさまでとても良くなっているのですが
患者という立場になって感じたことや考えたことは
いろいろとありました。

常日頃、使役と援助は紙一重ということを考えさせられている
立場からもいろいろと感じたり考えてもきました。

私が痛切に感じたことは
自分の身体に起こっていることが
自分に一番わからないということです。

痛みや動けない
ということは当然私が一番わかっていますが
その意味とか今身体に何が起こっているのかが
わからない。

良くなっていく時には
右肩上がり一直線に良くなっていくわけじゃない
ということは、仕事柄わかっていたはずですが
それでも焦ったり不安になったり。。。

自分自身への希望を自分1人で持ちこたえるのは
正直かなり難しかったです。。。

いろいろな方に支えられて
希望を持ち続けることができたのだと感じています。
本当に感謝しています。

自分を信じられなくなるということがどういうことなのか
その一端を感じることができたということを
幾分かでも自分の仕事にも還元できればと思っています。
おこがましいかもしれませんが。。。

私の場合には
私の可能性を信じてくれる人がいたということが
私自身が希望を持ちこたえることの大きな支えとなりました。

可能性は
対象者の状態だけで決まるものではない
ということもはっきりとわかりました。

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認知症セミナーのお知らせ

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株式会社geneさん主催のセミナーのお知らせです。

 

平成28年6月19日(日)
「リハスタッフのための認知症のある方への対応入門
〜評価のすすめ方 東京会場」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1458206330-035252

平成28年7月17日(日)
「リハスタッフための認知症のある方への評価から対応まで
東京会場」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1458697576-118908

平成28年8月7日(日)
「認知症のある方への食べることへの対応 大阪会場」
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1460074517-340536

 

3つ目の「食べること」のセミナーは
今年度大阪会場のみで開催される予定となっております。

よろしかったら是非ご検討ください m(_ _)m

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マジックワードによる抽象化

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「日本には物事を抽象化してしまうマジックワードがあって」

その通りだと思う。

とても興味深く読みました。
「決まらないシュートは打たない」、同志社大が示した思考のアップセット
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ichiroozawa/20160412-00056525/

そうか、OBの中西哲生が関わっていたんだ。

耳に優しい、インパクトのあるマジックワードの持つ力は強くて
聞く人を思考停止に陥らせてしまう。

たとえば
「認知症のある方に寄り添ったケア」
「認知症のある方の思いを大切にする」

言葉としては本当に大切な概念だと思う。
でも
この概念とふだんの実践をどうやって照合して改善していくのか
突き詰めて議論、検討されていると言えるだろうか?
という疑問を抱いています。

どういうことが
寄り添ったケアで
どういうことは
寄り添ってないケアなのか

寄り添ってないケアは簡単に言えるかもしれないけれど
寄り添ったケア…って何なのか
迎合とは、どう違うのか
気持ちはわかるけど
他者との関係性において容認できない言動に遭遇した時に
どうするのが寄り添ったケアなのか

その他にも
援助と使役は紙一重ということを
もうさんざん考えさせられてきた私としては
マジックワードは安易には使えない言葉になっています。

マジックワードを唱えていても
現実を改善することはできない。

中西哲生と同志社大が試みていることは
現実を改善するための具体的な手だてであり
その手だてを支える理論と現実化するためのトレーニングを
徹底して実践しているのだと思った。

その挑戦が問いかけているのは
サッカーの世界だけに限ったことではないと思った。

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POST連載記事 4

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POST 理学療法士による、リハビリ職者を目指す人のためのサイト
http://1post.jp
に連載記事が掲載されました。
「望ましいスプーン操作とは?」
http://1post.jp/2016/04/05/interview_ot_dementia_colum04/

たくさんの方に
「いいね!」や「シェア」をしていただき
どうもありがとうございます m(_ _)m

前回、食事介助における不適切なスプーン操作について
記載しましたので
じゃあ、どうしたらいいのか…という内容です。

書いてある内容は一般的な内容ですが
このあたりに気をつけるだけで
重度の認知症のある方でも
ムセが減ったり、
喉頭挙上のタイミングが整ってくる方は
かなりたくさんいらっしゃいます。

次号からは
もう少し突っ込んで
認知症のある方特有の食事介助について
お伝えする予定です。

よかったらお立ち寄りください m(_ _)m

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