Tag: 評価
来月、6月8日(日)合同会社geneさん主催で
「認知症のある方への対応と評価」というセミナーが
広島で開催されます。
私がお話できることは
まず第一に評価を深める過程を実践すること
そのためには知識をもとに丁寧に行動観察すること
困りごとの解決のためには能力を見いだし活用することが大切
ということです。
当たり前すぎるくらい、当たり前のこと
でも、なぜか臨床では実践され難いこと
WFOTも開催間近ではありますが
臨床でお困りの方、ご参加お待ちしております。
詳細は合同会社geneさんのサイトをご覧ください。
http://www.gene-llc.jp
セミナー情報
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1389319079-184177
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認知症のある方へのリハから
変化が起こる可能性だってあると考えています。
「評価」が深まらないと五里霧中なのが
認知症のある方へのリハですもの。
たとえ、担当ケースが
HDS-Rが3点の方でも0点の方でも
わずか2週間の評価実習であったとしても
実習に来た学生は
評価の過程を体験学習していきます。
「評価を深める」ということは
何も特別のことじゃない。
本当に基礎的な一連の過程を丁寧に行うということ。
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認知症のある方に対して
「評価」というのは文字通り、「評価を深める過程」
なのだと感じています。
検査ができない場合も多々あります。
疎通困難な場合も少なくありません。
わかっていることを明確にして
わからないことは区分けしてわかることを増やしていく
その繰り返しです。
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検査=評価ではない
頭ではわかっているけど
実践ができなくて困ってしまう
。。。というケースがとりわけ多いのが
認知症のある方を対象にした場合に表面化する
というのが現状なのではないか
と感じています。
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認知症のある方の評価を
イメージで伝えるとしたら
山を登るように…とも言えると思う。
いきなり頂上にはたどり着けない。
3合目、5合目、7合目…
一歩一歩歩き進めるしかない。
歩くしかないけど
歩いた分は着実に先に進めているし
振り返れば、登ったことを実感できる。
山を登る時には
準備も知識も必要だし
歩きながら見える風景も
同じ山でも同じではない。
けれど、まったく違うというわけでもない。
当然
道のないところは歩かないから
知らない風景だってたくさんある。
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私たちはどうしても言葉の能力に重きを置きがちです。
会話が巧みにできると
その他の記憶や遂行機能も得てして実情よりも高く見積もりがちです。
その反対に
会話が困難だと記憶や遂行機能や判断力も
低下しているように思い込みがちです。
アルツハイマー型認知症のある方はもちろんですが
若年性認知症のある方や
前頭側頭型認知症のある方は
能力と障害のバラツキがもっと顕著です。
言葉は言葉として尊重しながらも
もう1つの行動という言葉にも
耳を傾ける必要があることを感じています。
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たぶん、OTの他の分野でも同じなのではないかと思うのですが
こと、認知症のある方に限定していえば
わからないことはわからないまま
観察を続けていく方が建設的だと考えています。
わからない時に
あれも考えられる、これも考えられる、もっと他に考えられることは…
とは考えない。
それをやったって
袋小路に追い込まれるだけだと思うし
OTの考えつける範囲の中での選択肢の中からの
原因探しをやってるだけになっちゃってて
目の前の方を本当に見ていることになってないもの。
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「認知症は難しい」という言葉をよく聞きます。
確かに難しいけれど、認知症だから特別に難しい…とはあんまり感じたことがありません。
むしろ特性なんかはかえってわかりやすいようにも感じています。
そこで、認知症のどこが難しく感じられるのか、考えてみました。
もしかしたら…と思ったのは、他の障害たとえば片麻痺の場合には評価(すべき?)「項目」を教えられています。関節可動域、麻痺の状態、感覚…etc。etc。
そしてそれらは標準化された方法があり、それに則って検査することが求められています。
つまり、何をやるのかがはっきりしている。
(もちろん、検査=評価ではありませんが)
ところが、認知症は…もしかして評価(すべき?)「項目」を列挙できないから、何をどうしたらいいのかがわからない…のではないかと考えました。
だから、認知症のある方の状態像が把握できないのかも。
だから、表面的なハウツーを結局望んでしまうのかも。
だから、看護介護職員はBPSDで困っているのに「ROM、筋力強化、座位訓練」といったパターン化したリハが提供されることになってしまうのかも。
そこで、最初の最初。
評価実習の学生さんがアルツハイマー型認知症のある方を担当したと想定していくつかの記事を書いてみようと思います。
そうすれば、学生さんにも就職したばかりの若手作業療法士にも認知症のある方を久しぶりに担当した中堅・ベテランの作業療法士にも、もしかしたら…臨床での指導という側面で教員の方にも何かお役に立つことがあるかもしれない…などと思いつつ (^^;
まずは、中核症状を評価するように促します。
学生さんでよくあるパターンが、学生が気になったことを意味や優先順位も考えずにどんどんと掘り下げていこうとしてしまうことです。評価しなくちゃ、考えなくちゃ…と気持ちばかり焦っていると陥りやすいところです。
そうではなくて、まずは中核症状を評価することの意味を説明します。
生活障害は中核症状に起因して起こること、そして生活障害を改善するためには症状の裏返しとしての能力を把握してはじめて対応の工夫を考えることができるのだということを伝えます。
(この段階では学生さんは聞いていてもおそらく本当には意味がわかっていません。でもそれでも今はよいのです。伝えておくことに意味があります。)
能力を把握するための前段階として障害の有無とその程度を把握するのだということを伝えます。
中核症状とは…記憶障害、見当識障害、言語機能障害、高次脳機能障害、実行機能障害など。です。
まず、これらの言葉とその概念を確認します。
私は学生さんに概念を尋ねて答えてもらうようにしています。そうすると学生さんの理解の程度を把握しやすくなるからです。
概念が答えられれば次に進みます。答えられなければ復習することを促します。
蛇足ですが…私は中核症状と能力のスクリーニングは最低限、最初にしておく必要性があると考えています。
たとえ、トップダウンのアプローチや対象者のやりたい作業を決めることから始めたとしても、対象者の現状のおおまかな把握ができずに適切なアプローチを選択することは困難だと考えます。
詳細な評価は必要に応じて後から追加で実施しても間に合うと思いますが、スクリーニングだけは不可欠と考えています。
次回から、中核症状のそれぞれの説明と臨床での体験談をからめてご説明していきます。
Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/1216
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