Tag: リハビリテーション

正しさ?適切さ!

IMG_0442

正しさを求めるのではなくて
適切さを意識すると
ブレークスルーにつながることが多いと思う。

世に
「正しい介助」という言葉が溢れていますが
正しさ、正義…って、
時代により場所により異なるものだし
究極的には振られる旗だから
ケアやリハを提供する側が
標語やスローガンを実践し
結果として、対象者にそれらに合わせることを
求めることになってしまう。
そして、提供者側がそのことを自覚できないという。。。

今、この時、この場の
目の前にいる方に対して
適切さを自らに問うことは
常に「関与しながらの観察」を為すことを求められる。

長い時間と多くの先人たちの努力によって
積み重ねてこられた知識と技術を
目の前にいる方に
当てはめることと活用することことは
全然違う。180度違う。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2442

心底嬉しい

IMG_0443

いったん、ムセっぽくなったり
口の中に溜め込みがちになって
うまく食べられなくなったりした方が
もう一度スムーズに食べられるようになる過程を
恊働して体験できるのは
心底嬉しい

誤嚥性肺炎にならなくてよかった
ラクに食べられるようになってよかった
埋もれていた能力を発揮できるようになってよかった

こんなにも能力がある
ということが伝わってきて
本当に嬉しい

介助が変われば
認知症のある方の食べ方が変わる

機能は変わらずとも
はたらきは変わる

この現実を
たくさんの方に知っていただきたいと思っています。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2443

疲労に注意

ちょっと待った

認知症のある方は
疲れやすいと聞きます。

「疲れたー」
「眼がしょぼしょぼする」
と自覚できることは、とても大切な能力です。

何か作ったりしていたとしても
決して無理させずにお休みしていただきましょう。

身体は疲れてるのに
疲れてるって感じられなくて
そのまま休めずに何か作ることを続けてしまって
後になってぐったりしてしまう方もいらっしゃいます。

どのくらいだったら疲れずに大丈夫なのか
確かめる時には安全パイで確かめるようにしています。
最初は10分程度で
だんだんと時間を伸ばしていきます。
看護介護の記録を参照したり
ふだん過ごしている食堂などでの過ごし方なども観察して
大丈夫と判断できれば
自主トレとしてそれこそ1時間できる方もおられるし
15分でも疲れてしまう方には
疲れる前にこちらから終了を打診する声かけをしたり
その時間でちょうど終わるように材料や設定を準備しておきます。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2409

自分自身への希望

IMG_0441

熊本地方の地震活動が一日も早く収束し
被災された方々の困りごとが一刻も早く改善されることを
お祈りしています。

 

 

このたび
(私にとっては、まだこのたびという言葉の方が実感があります)
座骨神経痛を患い、おかげさまでとても良くなっているのですが
患者という立場になって感じたことや考えたことは
いろいろとありました。

常日頃、使役と援助は紙一重ということを考えさせられている
立場からもいろいろと感じたり考えてもきました。

私が痛切に感じたことは
自分の身体に起こっていることが
自分に一番わからないということです。

痛みや動けない
ということは当然私が一番わかっていますが
その意味とか今身体に何が起こっているのかが
わからない。

良くなっていく時には
右肩上がり一直線に良くなっていくわけじゃない
ということは、仕事柄わかっていたはずですが
それでも焦ったり不安になったり。。。

自分自身への希望を自分1人で持ちこたえるのは
正直かなり難しかったです。。。

いろいろな方に支えられて
希望を持ち続けることができたのだと感じています。
本当に感謝しています。

自分を信じられなくなるということがどういうことなのか
その一端を感じることができたということを
幾分かでも自分の仕事にも還元できればと思っています。
おこがましいかもしれませんが。。。

私の場合には
私の可能性を信じてくれる人がいたということが
私自身が希望を持ちこたえることの大きな支えとなりました。

可能性は
対象者の状態だけで決まるものではない
ということもはっきりとわかりました。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2405

マジックワードによる抽象化

IMG_0945

「日本には物事を抽象化してしまうマジックワードがあって」

その通りだと思う。

とても興味深く読みました。
「決まらないシュートは打たない」、同志社大が示した思考のアップセット
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ichiroozawa/20160412-00056525/

そうか、OBの中西哲生が関わっていたんだ。

耳に優しい、インパクトのあるマジックワードの持つ力は強くて
聞く人を思考停止に陥らせてしまう。

たとえば
「認知症のある方に寄り添ったケア」
「認知症のある方の思いを大切にする」

言葉としては本当に大切な概念だと思う。
でも
この概念とふだんの実践をどうやって照合して改善していくのか
突き詰めて議論、検討されていると言えるだろうか?
という疑問を抱いています。

どういうことが
寄り添ったケアで
どういうことは
寄り添ってないケアなのか

寄り添ってないケアは簡単に言えるかもしれないけれど
寄り添ったケア…って何なのか
迎合とは、どう違うのか
気持ちはわかるけど
他者との関係性において容認できない言動に遭遇した時に
どうするのが寄り添ったケアなのか

その他にも
援助と使役は紙一重ということを
もうさんざん考えさせられてきた私としては
マジックワードは安易には使えない言葉になっています。

マジックワードを唱えていても
現実を改善することはできない。

中西哲生と同志社大が試みていることは
現実を改善するための具体的な手だてであり
その手だてを支える理論と現実化するためのトレーニングを
徹底して実践しているのだと思った。

その挑戦が問いかけているのは
サッカーの世界だけに限ったことではないと思った。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2400

POST連載記事 4

IMG_0518

POST 理学療法士による、リハビリ職者を目指す人のためのサイト
http://1post.jp
に連載記事が掲載されました。
「望ましいスプーン操作とは?」
http://1post.jp/2016/04/05/interview_ot_dementia_colum04/

たくさんの方に
「いいね!」や「シェア」をしていただき
どうもありがとうございます m(_ _)m

前回、食事介助における不適切なスプーン操作について
記載しましたので
じゃあ、どうしたらいいのか…という内容です。

書いてある内容は一般的な内容ですが
このあたりに気をつけるだけで
重度の認知症のある方でも
ムセが減ったり、
喉頭挙上のタイミングが整ってくる方は
かなりたくさんいらっしゃいます。

次号からは
もう少し突っ込んで
認知症のある方特有の食事介助について
お伝えする予定です。

よかったらお立ち寄りください m(_ _)m

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2385

巡り合わせ

IMG_0446

もう何年も前の話になるけど
ふと手にした本とか
ふと眼に留った新聞記事とか
どういうわけか
「常識を覆す発見」をした人と当時の周囲の反応について
書かれていたことばかり
巡り会っていた時期がありました。

常識を覆す発見をした人は皆
当初は煙たがられるどころか非難され追放され名誉を剥奪され…
科学や学問の進歩、人々の幸福に寄与するような発見を
したにもかかわらず、否、したからこそ
迫害の憂き目にあった人ばかりでした。

なんでこういう内容ばかり巡り会うんだろう?
そう思っていたのですが
後になって随分と気持ちの上で助けられました。
覚悟ができたというか
そういうもんだというか

「認知症のある方の食べ方が良くなる」
「認知症のある方の誤嚥性肺炎は減らせる」

こういうことを公言するのは
とても怖かった時期があります。
そんなことを言っている人はいなかったから。
そんなことは誰も思ってもいなかったから。

でも、私の目の前で起こっている事実が私の支え。

そして、当初は迫害されたとしても
後年、必ずや迫害されてきた発見者は名誉復権されています。
時代が追いついてくる。
真実であれば、必ず残って伝わり再発見され理解される時が来る。

かつて
私が言い始めた時よりも
私自身、知識と技術と経験値は上がっています。
(そりゃ臨床家ですので当然ですが)
かつての私ではわからなかったことも今ならわかることもあります。

同時に、
今の私にはわからないことも将来の私にならわかるかもしれない。
今の私にはできないことも
このブログを読んでくださっている将来のあなたになら
できるかもしれない。

巡り合わせって不思議。
その時には巡り会うことの意味がわからない。
でも、後になって腑に落ちることもある。

スティーブ・ジョブズの言葉に
「過去を振り返って初めて点と点を線でつなぐことができる」
という言葉がある。

この記事が私自身だけでなくて
将来の誰かにとっての1つの点、1つの線になるかもしれない。
そう思って書いてみました。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2390

変化は双方向に起こる

IMG_0516

唯一無二の関係性の中で起こる
行動変容は双方向に起こる。
行動変容が深いほど、感覚や感情の動きも大きく伴う。

それらをより深く、より広く、より多く
感受・体験してきたことに「セラピストの経験」の意味がある。

もしも
変化を起こさせることを目的としたならば
それは援助ではなくて、使役ではないのかしら?

その違いを常に鋭敏に
自分自身に問いかけながら行うことの責務を
作業療法はその歴史からも背負っているのではないでしょうか?

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/2376