Tag: 食事介助

上の歯でこそげ落とさない

 

あちこちで

よくよく見かけるのがこのパターン(^^;

口の中にスプーンを入れたら

上の歯でこそげ落としてスプーンを引き抜く。

誰も言葉にしては教えてないのに

なぜ、こんなにも広まっているのだろう?

上の歯でこそげ落とすのはNG

(だって私たち、自分で食べる時にそんな食べ方しないし)

下唇か舌の上にスプーンの背で触れて

対象者の方が上唇で食塊をとりこんだら

そのままスプーンを水平に引きます。

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使うスプーンもセレクト

使うスプーンも対象者の方に合わせます。

大き過ぎるスプーンは

とりこみの1回量が多過ぎたり

大き過ぎるというスプーンの特性が

口の奥に入れすぎるという動作を誘導してしまうのでNGです。

人によっては

小さくて浅いスプーンが必要です。

ベビースプーンや

100均で売られているティースプーンの中に

安くて使い勝手の良いものがたくさんあります。

詳細はこちらをご参照ください。

OT Tips & PDF「小さくて軽いスプーン」

http://kana-ot.jp/wpm/tips/post/92

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口もとで一時停止

お年寄りに食事介助をする時には

必ず口もとで1度スプーンを止めて

お年寄りが食塊認知をする時間をもちましょう。

この1秒がとても大切。

スプーンですくった食塊を

いきなり口の中に入れるのはNG!

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スプーンの扱い方を知ってる?

食事に必要な機能のリハをしていても

実際の食事場面で適切に介助をしている人は多くはありません。

「してはいけないこと」「望ましい方法論」を

知らない人が多いのです。

卒業前の養成過程において

食事介助の時の具体的なスプーンの扱い方を指導されていない

という現状があります。

適切に食事介助をするだけで

お年寄りのアブノーマルな食べ方は激減します。

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足し算で関わる

「食事介助=口の中に食塊を入れてあげる」

ことではありません。

「食事介助=対象者が食べることの援助」です。

対象者の食べ方には必然性があります。

正常の食べ方に照らして、

そこから「引き算」をして、

正しくない食べ方を「修正する」のではなくて

現状の食べ方を否定はせずに

より安全に、より食べやすくなるように

「足し算」の考え方で関わっていきます。

「食べることを援助する」

という視点で関わるとは

「引き算」で考えるのではなくて

「足し算」で関わっていくことなのだと考えています。

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常に環境適応しようとしている

あんなに大変な食べ方をしていた方が

こんなにも上手に食べられるようになる。

お年寄りの能力、学習、環境適応のすごさを思い知らされる日々。

そしてそれはウラを返せば…。

でも、だからこそ

私たちの努力で変えられる部分なのだということを伝えたい。

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食事介助を大切に考える

食事介助は生命に直結しています。

そして、認知症のある方にとっては、最後まで残るADL。

最後まで残る行為。

たとえ、歩けなくなったとしても自分でご飯を食べられる。

たとえ、自分でご飯を食べられなくなったとしても

介助されれば、ご飯を咀嚼し、飲み込むことができる。

食事には、その人の「能力」と「困難」と「特性」が投影される。

それは、全介助であったとしても。

全介助の方だからこそ、食事という場面でわかることがある。

もしも、その人らしく暮らすことの援助を考えるなら

レクやリハやお話もいいけれど

食事介助をもっと大切に考えてほしいな。

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介助で変わる!お年寄りの食事

イメージ_スプーンADL車いす全介助、食事も全介助、意思疎通困難で唸り声をあげるCさん。
ADL車いす全介助、食事も全介助、発語も発声も困難なDさん。

Cさんは、お食事の時に舌を前にぐーっと突き出して食塊をとりこみます。
Dさんは、下顎を前にスライドし受け口のようにして食塊をとりこみます。

このような方に口腔機能訓練なんてできようはずもありません。
けれど、この食べ方は仕方ないのか…といえば、そんなことは決してありません。

お2人とも、毎日の昼食時、おやつ時に食事介助をしただけで
3ヶ月後には、上唇をつかったとりこみができるようになりました。

この現実は、いったい何を示しているのでしょうか?

重度の認知症のある方も学習している!環境適応している!のです。

不適切な介助に適応しようとして、不適切な食べ方をしていた。
適切な介助に適応しようとして、適切な食べ方ができるようになった。

認知症のある方の食べ方は
その方の能力と障害と特性を反映しているだけではなくて
こちらのありようをも映し出している…。

ちょっと相当こわいことです。

と、同時に希望を強く感じた体験談。でした。

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