Tag: 状態把握

POST記事掲載☆

バリデーションセミナー2013紹介

8月1日に
PT・OT・STのための働き方・学び方発見サイトさんに
「ICFで評価・対応する食事介助」の記事が掲載されました。

200名を超える方に「いいね」を押していただき
50名を超える方にシェアしていただき
1,300名を超える方に閲覧していただいて
とても嬉しく思いました。

1つの記事に論点を2つ盛り込むという
ちょっと無謀な構成にもかかわらず。。。(^^;
読者のみなさまの寛大なご対応に感謝いたします。

はい。
論点は2つ。

1)嚥下5相にそっての観察による障害と能力の把握が大切
もしもこの対応が的確に為されていたとしたら
「ムセ→トロミ」というパターン化した対応はできないはず

2)ICFを学んではいるはずなのに
臨床の場面ではICIDHの呪縛から脱しきれていないという
現状認識から始めませんか

という内容です。
もしよかったら是非、記事を読んでみてください。
https://1post.jp/2458

 

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ICF相互関係論だからこそ

ICFは相互関係論です。
現状を否定しない。

時間軸・場の多様性というさまざまな相互の影響の中で
イマ・ココで対象者と対峙している。

だからこそ
私たちが対応の工夫をする意義があるし
たった1人でも変わることの意義がある。

重度の認知症のある方に
行動変容が起こるという意味の理解は
そのような体験を経たあとに深く実感できるもののように感じています。

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ICIDHの呪縛の強さを自覚

ICFで評価・対応できるようになるために
実は大切なことがICIDHの呪縛の強さを自覚することだと考えています。

ICIDHという因果関係論に、私たちは相当強く影響されています。

認知症は慢性・進行性の病気です。
病気を抱えながら暮らしていく
そのような人に対しては、まさしくICFの観点が求められます。

できないことをどれだけ詳しくわかってもできるようにはならない。
だって、できないことは、トレーニングしてもできるようにはならない
という疾患特性があるんだもの。

そもそも人は
時間という縦軸・さまざまな場という横軸
縦横無尽の影響下にあります。
華厳経の縁起そのもののような関係性の中に
イマ・ココで認知症のある方と自分とが対峙しているのです。
どれもが相互に関係し合っている

唯一の原因などありません。
直接のきっかけとなるコトはあったとしても。

ところが
ICIDHの因果関係論、
何か認知症のある方に原因があってそこから困難が起こる
だから、原因を探索し改善するといった思考回路から脱却できていないと
善かれという気持ちからであったとしても
現状のイマ、ココにいる
認知症のある方の在りようを
そして来し方を否定しているのだ
ということに気がつけなくなってしまうのです。

善意の気持ちによる客観的な現状の否定
このような相反する援助者の在りようは
誰よりも援助者自身の心の奥深くを損なっていくものではないでしょうか。

認知症のある方へ
ICFに基づいた評価・対応を実践しようとした時に
まずICIDHの思考回路かどうかを自らに問うということは
誰にでもできることです。
このような地道な積み重ねの上に
ICIDHからICFへと思考回路を切り替えることができるようになる。
それだけ、ICIDH・因果関係論の影響は根深いのだという自覚をすることが
まず、第一歩なのだと考えています。

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評価の前提:能力を損なわない介助

認知症のある方の食事介助に関して
現状は非常に心もとないものがあります。

食事介助に携わる職員は
美味しく食べていただきたいと願っていると思います。

ところが
知識と技術が伴わないと願いを具現化できない。

今、目の前にいる認知症のある方が
どうやって自らの障害を補いながら能力を発揮して食べているのか
という評価、アセスメントを適切に行いたくても行えない。

なぜならば
嚥下5相にそって評価が適切に行えることの前提要件として
まず、認知症のある方のもっている食べる能力を損なわないということが担保される必要があります。

ところが、現実には、してはいけないスプーン操作・望ましいスプーン操作を
教えてもらっていないがために
不適切なスプーン操作を結果として行ってしまい
その結果として、認知症のある方の能力発揮が損なわれてしまっています。

さらに、嚥下5相にそっての評価が適切に行えていない
(結果として起こっていることなのに、原因として把握されてしまう)
こういったことは日常茶飯事として起こっています。

だから
食べ方の評価全般のことを
ムセの有無のみで、しかも音でのみで判断してしまう
ムセたらトロミをつける
といったパターン化した対応が横行してしまっているのだと感じています。

知識と技術があれば
現状に身もすくむような思いがするのではないでしょうか。

同時に
知識と技術があれば
今すぐにでも目の前の現実を変えることができる可能性に
目を見開かされるような思いを抱くのではないでしょうか。

認知症のある方の食べることに関する評価は
ICFで評価するということの意味を体感できていない人にとって
案外、難しいようです。

でも、現実にはその前段階として
適切な評価ができるための
適切な情報収集ができていないことが圧倒的に多い。
不適切なスプーン操作によって評価の前の情報収集が機能していない場合が多いのです。

だとしたら、まずは適切なスプーン操作によって
認知症のある方の「本来の」食べ方を観られるように
適切な情報収集が行えるように
私たちが適切なスプーン操作を習得することがまず第一歩なのです。

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今の実践→将来の常識へ

いつだって現場が最前線

かつて
仙台の特養の職員の方の講演を聞いたことがあります。
「今、介護保険サービスとして報酬化されているものは
かつて、自分たちがまったくのサービスとして必要に迫られて行っていたものだ」と。
そして「このような変化を嬉しく思う」と語っておられたことを。

科学は過去の知識の修正の上に成り立つ学問

対人援助として
何が適切なのか、どのような考え方が適切なのか
いつだってブラッシュアップされる運命にあると考えています。

必死になっている取り組みも
今は、たったひとつの声かもしれない。

でも、何十年かたったら、それが常識になる可能性だってある。

本当に有効で適切であれば。

私だって
食事介助のことを20年以上にわたり
実践しながら提唱もしてきたら
本を出したり、講演をすることも叶うようになった。
そんなことが私に起こるなんて当初は考えたこともなかった。

継続はチカラなり
1回1回の実践が大切

本当にそう思います。

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講演@在宅医療トレーニングセンター

平成29年7月4日(火)に
神奈川県医師会在宅医療トレーニングセンターさんに伺い
「認知症のある方のもう1つの言葉〜能力を見いだし能力に働きかける」
というタイトルで講演をしてきました。

在宅で認知症のある方に関わるヘルパーさんやケアマネさん
看護師さんや介護職の方などなど多岐にわたる職種の方にご参加いただいたとのこと
ものすっごく蒸し暑かったから、みなさん上気したお顔で来室されていました。
私もちょっと歩いただけで汗びっしょりになりましたもの。
そんな中、担当のIさんがこまめに空調の確認をしてくだったおかげもあって
かなりお部屋の中は快適でお話に集中して耳を傾けてくださった方が多かったんじゃないかと感じました。
おつかれさまでした。

Iさんには事前の準備段階からいつもきめ細やかに明確にご対応いただき
大変感謝しております。
どうもありがとうございました。

認知症のある方への対応の中でも
声かけにポイントを絞ったお話と
ちょっとだけですが、演習にも挑戦していただきました。
いかがだったでしょうか?

結果として起こっている表面的な事象だけをみて
どうしようと考えてもブレークスルーは生まれません。

結果として起こっている一見不合理な言動の中にも
認知症のある方の能力がちゃんと投影されています。

だからこそ
私たちが対応の工夫をする意義があります。

そのことをお伝えすることができてとても嬉しく思いました (^^)

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POST記事 連載中

POST
PTOTSTの働き方・学び方発見サイトさんに
2017年7月1日
「そのそも活動・参加とは何なのか 認知症のある方を担当したら」という
私の記事が掲載されました。

たくさんの方にお立ち寄りいただき嬉しい限りです m(_ _)m

ご自宅にいる認知症のある方は
一日が長く感じられる場合もよくあります。
施設にいる認知症のある方を担当していると
他部門からの「徘徊しないように何かできることない?」
などという要請を受けることもあるでしょう。

結果として現れている表面的な事象に対して
「じゃあ、どうしようか」と考える思考パターンは
もう卒業しませんか?

他の対象疾患を抱える方に対して
目の前に起こっていることから障害と能力を明確化していく
という思考パターンをトレーニングされてきたリハスタッフであれば
認知症のある方に対しても同様の思考パターンで向き合えるはずです。

認知症のある方への活動・参加ということを考える。ということは
ICFの「活動・参加」という概念の本質に深く向き合う。ということを
否が応でも要求されるようになります。
その過程は、辛いこともありますが
認知症のある方に対してだけでなく
リハスタッフが担当している他の対象疾患を抱える方に対しても
一歩深いところでの洞察が働くようになると感じています。

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中身の連携>場の連携

介護保険領域において
「場」の連携は、かなり強化されてきていると感じています。

これからは「中身」の連携が求められてくるのではないでしょうか。

障害と能力と特性
どのような場面で困惑する傾向があって
どのような対応で理解が円滑になるか等

新たに利用を開始した場で
一から情報収集しないですむように
利用する場が変わっても
情報を積み重ねていけるように
そんな中身の連携ができればいいなぁと考えています。

認知症の病状が進行すると
記銘力低下以外の障害の進行や合併が起こることが非常に多く
また、そのことによる生活障害においては
他職種では何が起こっているのか認識できない場合も相当あります。

ただひたすら言葉で説明しようとして
結果としてよけいに混乱させてしまったり
説明する時の言葉の適切な選択ができずに怒らせてしまったり
ということは非常によくあるんです。

「認知症→記憶の低下→不安→言動を否定しない、褒める」
といったような従来のパターンでは対応困難な場合が非常に多い
それなのに、その意味がわからない場合が非常に多い。。。

まずは、転倒・骨折などで急性期病院に入院する時に情報提供。
リハが円滑に進むような声かけの工夫について記載しておくと
特に急性期病院のPTの方には好評とのことです。

そして、モチロン
退院後に利用開始する施設のケアマネさんやご家族に直接面談
必要であれば、障害の状態像が明確にわかるような作品やエピソートを伝えて説明します。
その上で退院時のサマリーで書面による情報提供をしています。
基本、どんな施設に行かれる方にも行っています。

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