Category: よっしーずボイス(ブログ)
認知症のある方に
私はいつも言っています。
「私の名前なんて覚えてなくていいんですよ」
私がこういう風に言う前にたいてい
認知症のある方がこんな風におっしゃるんです。
「あら?あなた誰でしたっけ?」
「前にもお会いしましたっけ?」
「ごめんなさいね。私バカだからわかんなくて」
そこで
「私の名前なんて覚えてなくていいんですよ」
といつも言っているんです。
だって
認知症のある方が一日暮らすだけで
どんなに日々気をつけながら暮らしているのか
その一端は私にもわかります。
私の名前なんかより
認知症のある方が覚えようとしなくてはならないことがたくさんあります。
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認知症のある方に関わる時に、気をつけていることがあります。
それは
症状が進行すればするほど
感情と感覚に対して、はたらきかける。ということです。
だからといって
「あなたの今の感情は?」
「どう感じましたか?」
と尋ねるわけではありませんし
挨拶するたびに手を握ったりするわけでもありません。
認知症のある方が
感情や感覚を言語化しやすいように
言語的・非言語的コミュニケーションをしていきます。
その時その場のその関係性において行われることです。
イマ、ココで
感受されるのが「感情」と「感覚」だから。なのです。
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私が尊敬する群馬大学の岩崎清隆先生が
かつて、機関誌のあとがきで
ある骨董屋さんのお話を書いていらっしゃいました。
「小僧さんには本物しか見せない。
本物だけがもつ品の良さがなんとなくわかってくる」
私がずっと大切にしている言葉です。
本物を知らなければそうでないものとの区別がつかない。
そうでないものしか知らなければ本物の良さがわからない。
本当にそうなのだと思います。
とこや談義のような、評価もどきしか教えてもらったり体験したことがなければ
本当の評価とは何ぞやということがわからない。
評価と評価でないものの区別がつかない。
だから
結果として
巷間取りざたされる事柄をそのまま援用したり
流行している方法論をそのまま適用したりすることしか
できなくなってしまっている。ということはないでしょうか。
でも
それで対象者の方が良くなるはずがないのは当然の帰結です。
評価ができなければ評価ができるようになるしかない。
評価を適切に行えるために情報収集ができるようになるしかない。
そこは
私たちが悩んだり、考えたりするところじゃなくて
行動するところなんです。
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日本精神科看護協会の「ナーシング・スター」に
私が実践している食事介助に関する記事が掲載されました!
関連職種に聞こうという企画の中で私も登場することになりました。
11月27日(日)の日本精神科看護協会学術集会での実践セミナーに関するPRも兼ねてくださっています。
ありがたい限りです。
私たちが食事介助を変えるだけで対象者の方の食べ方が変わります。
認知症治療病棟に入院される患者さんはモチロンですが
精神科療養病棟に入院されている高齢患者さんの中に食事介助が必要な方が増えてきていると思います。
ところが、残念なことに
精神科作業療法に従事している作業療法士が
「食事介助に詳しくない」
「ポジショニングに詳しくない」
ということで看護師さんも相談にのってもらいたいのにのってもらえなくて困っている
という声を聞くことがあります。
精神科作業療法に従事している作業療法士にも諸般の事情があるのだと思います。
診療報酬の枠内でいろいろなことに対応するためには物理的な限界もあるでしょう。
でも、それって精神科に限ったことではありません。
身障系でも診療報酬の枠組みが大きく変わり、そのことへの対応が迫られました。
介護保険の分野でも、大きな変更がたびたび行われ、その都度対応が迫られています。
チャレンジを続けるのは、どの分野でも同じです。
もし使えるようでしたら、この情報誌を活用してくださいませんか?
看護師さんは、「こんなことしてる作業療法士がいるんだって」と
腰の重い作業療法士のお尻をひっぱたいてください。
作業療法士は、「こんな風に変わるんだそうです。試してみたいんです」と
看護師さんにはたらきかけてみてください。
もしかしたら黒船効果?として機能して第一歩を踏み出すことに寄与できるかもしれません。
それは私にとっても嬉しいことです。
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たとえ、自力では立ち上がれない人でも
座れないという人は非常に少ない。
ただ、その座り方が後方へひっくり返るようにドシンとなってしまうけど。
こういう場合には
立ち上がりは重心の移動方向に気をつけた全介助で行い
座る練習を恊働して行います。
言語的指示は
「音がしないようにそーっと静かに座る練習をしましょう」
最初はお一人ではできないので
座る時の重心の移動方向の練習を動作介助も含めて行います。
たいていの場合に
体幹の前傾と前方への体重移動が困難なことが多いので
腰部を伸張するように気をつけて介助をします。
そうすると
だんだんと肩甲帯のretractionを起こさないように軽介助するだけで
音がしないようにそーっと静かに
つまり重心の移動方向を自分で気をつけて座ることができるようになります。
それができるようになると
立ち上がり全介助だった方が軽介助で
立ち上がり軽介助だった方は自力で
立ち上がれるようになってきます。
(続く)
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ある人に
「よっしーさんは理系ですからね」
と言われたことがあって内心ビックリしたことがあります。
いやー高校の時は理系苦手でした。。。
でもある時に数学の美しさに触れて感動して
「年とってから数学にハマると大変だからやめておきなさい」と言われ
なんとなくわかる気がして老後の楽しみに封印してるということは言ってないはず。。。
私が仕事で認知症のある方に接する時には
ものすごく感覚と感情を使ってる。
でも、何が起こっていたのか判断する、どうしようか考える時には
できるだけ論理的であろうと努力している(つもり)
講演などで誰かに伝える時には
なるべく明確に論理的に伝えようと努力している(つもり)
恥ずかしながら白状すると
私、すごく涙もろいんです。
子どもが小さい時に、ドラえもんの映画を観に行って自分が泣いてたくらい (^^;
でも、というか、だから、というか
私、お涙頂戴はキライなんです。
公私ともに。
認知症のある方への対応の話って
なぜだか、感動路線に流されやすい部分もあるのよね。
そういう講演構成にしてる人もいるし。
それを求めて聞く人もいるし。
「泣く=良い」と判断する人もいるし。
でも、そんなことしたって
明日からの臨床の役には立たないのになー。
自分の困りごとも認知症のある方やご家族の困りごとも解決できないのになー。
だから、私は講演で感動路線は微塵も狙わない。
考え方や対応の提案も毒を吐く時も理詰めで吐きます (^^;
inputもoutputもsensitiveに
思考はcoolに
そういう在りようってカッコいいもん。
私の憧れです。
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平成28年11月16日(水)17日(木)に
仙台国際センターにおいて開催される
第5回日本精神科医学会学術大会において
栄養部会のシンポジストの1人として出席します。
http://www.congre.co.jp/japh5/
今すぐに誰にでもできること と
食事全介助で何も食べられなくなり低栄養・脱水に陥った方が
もう一度全介助だけれど円滑に安全に食べられるようになり
栄養状態も脱水も改善したケースについてお話する予定です。
今、話題のサルコペニアについての栄養部会のシンポジウムです。
管理栄養士さんだけでなく
看護師さんや作業療法士の方にもお話を聴いていただければ嬉しく思います。
横浜市立大の若林医師のお話を直接伺えるのも楽しみです (^^)
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騙されたと思って、やってみてほしい。です。
ご自身で立ち上がりができない方に対して
立ち上がりの練習をする時に
まず、最初は
頑張って立ち上がりを練習するのではなくて
座る練習をする
立ち上がりは全介助で重心の移動方向に注意しておこなう
という方法です。
以前にこのブログのどこかに書きましたけれど
随分前なので、探すのも大変だと思います。
(そんなワケで今書いています ^^;)
この方法はいくつかポイントがあるのですが
肝心なことは、
過剰努力をさせるから
立ち上がりの練習をしているのに立ち上がれるようにはならないし
できるけれど腰痛を発症するとか回数を重ねるとできなくなってしまうので
過剰努力をさせないということと
できることのでき方を良くすると、できないことができるようになる
というところにあります。
(続く)
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