Category: よっしーずボイス(ブログ)

「NS向けセミナー」無事終了☆

平成29年2月19日(日)に
東京の中央労働基準協会ビルにおいて
(株)geneさん主催の
「ナースのための認知症のある方への対応の工夫と考え方」が
開催されました。

参加されたみなさま、運営を担当されたHさん
おつかれさまでした。
どうもありがとうございました。

私はずっとしゃべっていたせいか
あっという間に一日終わってしまったように感じました。

実技は楽しかったですねー (^^)
実際に体験して、その体験の意味を言語化して理解できると
明日からの臨床で具体的に観察できるポイントが今までとは違ってくると思います。

こんな風にして「変化」を体験できると
「視点」も否応もなく変わってきます。

認知症のある方に行動変容が起こる時には
私たちの側にも新たな気づきが生じます。
どちらの側にも行動変容は起こるんです。

私にとっては初めての
(株)geneさん主催「ナース向けの〜」セミナーでしたが
とても貴重で有意義で本当に嬉しい一日となりました。

どうもありがとうございました m(_ _)m

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お知らせ「認知症評価」@gene

セミナーのお知らせです。

平成29年7月16日(日)に
東京の日本印刷会館において(株)geneさん主催の
「認知症のある方の対応入門〜評価のすすめかた〜」のセミナーの
参加お申込受付が開始されました。

詳細はこちらから
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1487124067-817684

認知症のある方に対して
適切な援助ができるためには
評価(検査ではなくて)が行えることが必要です。

でも検査ではない評価をどうすすめたらよいのか
案外、言語化して教わっていない場合が圧倒的に多いのではないでしょうか。

だから、どうしたらよいのかわからなくて困ってしまう。

そのような方に
評価のすすめ方について、ご提案します。
そして
評価を深めるための情報収集のしかたについても、ご提案します。
(検査ではなくて)

根幹をなすのは
認知症という状態像を引き起こす脳の病気によって引き起こされる
日々の暮らしの困難の改善に寄与することができるために
障害と能力の視点で何が起こっているのかを把握できるように
医学と暮らしの橋渡しができる知識と技術の涵養が必要
という考えです。

そして、その養成課程の特性上
リハスタッフが一番近道にいると思っています。

でも
リハスタッフだから、できるわけでもないし
リハスタッフでなければ、できないわけでもない
そこは、断言しておきます。

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お知らせ「食事」セミナー@gene

まだ先の話ですが
「認知症のある方の食べることの対応」というテーマで
(株)geneさん主催のセミナーが名古屋で開催されます。

詳細はこちらから
http://www.gene-llc.jp/seminar_info/?id=1486545014-978484

平成29年6月25日(日)に
名古屋金山研修センター(ゼミナールプラザ)にて開催予定です。

リハスタッフはもちろん
看護・介護職・歯科衛生士さんその他どの職種の方でも
実際に食事介助に関わっている方ならご参加できます。

ぜひ、お話を聴いて実際に体験していただきたいです。

ほんのちょっとのスプーンの扱い方の違いで
こんなにも食べ方が変わってくるのだということ
そしてその食べにくさが嚥下5相とどんな関連性があるのか
ということについてご説明します。

ご参加お待ちしております m(_ _)m

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体験が引き起こす感情

認知症のある方が施設に入所されたり病院に入院されて
「帰りたい」と言った時に
現実場面においての「帰りたい」という言葉は正当です。

そんな時には「今すぐには帰れずにここにいる理由」を説明すべきです。
そして説明したとしても近時記憶障害があって忘れてしまうとしたら
繰返し「帰りたい」と言われても
こちらも繰返し同じ対応をするしかありません。

そして、その一方で
認知症のある方に
自宅にいる自分とここにいる自分とを天秤にかけて
ここにいる自分の方を善しと感じていただけるような体験を
提供し続ける方策を模索することを考えます。

けれど
もしも現在の暮らしの中の何かがきっかけとなって不安や心配といった感情が喚起され
その感情から過去の同じような感情を抱いた体験を想起したとしたら
別の対応が必要だと考えています。

たとえば
「まだ子どもが小さいから早く帰らないと」
というような言葉を表出された場合です。

見た目にはまったく違うAct.をしながらも
昔とった杵柄時代の思い出とともに感情を表出されるのと
同じコトが違うカタチで現れているのだと考えています。

一方はポジティブに
一方はネガティブに

体験− Occupy – のもつPower は、とても強い。

ピンチはチャンスなのです。

私たちOccupational Therapist は
この強いPowerをもつOccupationを使いこなすことができるプロです。

Powerには向きがありません。
どちらにも転びます。
そして強い効果のあるものほど
用い方によってはマイナスの作用をもたらしてしまいます。

今、ベテランのOccupational Therapistがすべきことは
作業療法の素晴らしさを旗を振って語ることではなくて
若手の作業療法士にも理解した上で実践できるように
Occupationの使い方、用い方を伝えること
マイナスの作用をもたらさないようにするにはどうしたらよいのか
できればプラスの作用をもたらせるようにするにはどうしたらよいのか
その方略をこそ伝えることだと考えています。

今の私に
臨床の場ではない場所で
どこまで伝えることができるのかわかりませんが
最善を尽くしてお伝えします。

 

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Act.の選択

認知症のある方に
Act.の選択をする時に
「昔とった杵柄」をそのまま用いることはしませんが
参考にはしています。

「昔とった杵柄」の要素と共通する要素で今できるAct.を提供する。
そのAct.がピンポイントで適切だった時には
必ず認知症のある方から自発的に
思い出話とともにその体験にまつわる感情を表出されます。

必ず起こります。

この選択過程や体験のもつ意味については
来月3月12日(日)に開催される作業療法総合研究所さん主催の
「「神奈川の地から作業を叫ぶ−愛と毒を込めて”作業”を問う−」」で
お話をいたします。
詳しくは、こちらをご参照ください。

同じコトがカタチを変えて起こっているコト
というのは、とても多いんです。

この体験のもつ意味がわかると
認知症のある方が過去と現在を一見混同して「帰りたい」と
訴える場面で起こっていることの意味がわかるようになる
そんなふうに感じています。

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スタッフへの広め方

「OTジャーナル」を読んで下さった方
あるいは私の話を聴いてくださった方から
最近立て続けに、スタッフへの広め方について
お問い合わせをいただきました。

きっと他にも同じように思っている方がいるだろうな
と思ったので書いてみます。

スタッフへの広め方は大きく分けて2つ
1)自分が実践できるようになる
2)元ネタを一緒に見て今後をこれから一緒に考える
どちらかになるのではないでしょうか。

例えば
新しいトランスファーの方法論を知った
これはいい!と思った時にどうしますか?

私だったら、まず、自分が実践できるように練習します。
それから、こんな風なやり方も開発されているそうです。
とスタッフに知らせます。

状況によっては2)の方法もとれると思います。
スタッフの中にトランスファーに関する理解と力量が
自分と大きく変わらない人がいる場合には
元ネタをその人に一緒に見てもらうことから始めます。

認知症だからといって何も特別なことはありません。

たぶん「広めたい!」と思ってくださった方は
私の話が説得力をもって伝わったのだからこそだと思うので
とても嬉しく思います。

これから広まっていくことを心から願っています。

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伝聞表現を使う その2

実は私も伝聞表現を時々使っています。

「家にはちゃんと帰るんだけど、今日じゃないんですって。
今日はここに泊まっていくんですって」

帰りたいという方に対してそんな風に言うこともあります。
よくよく考えると本来はそういう言い方しかできないですし。

でも往々にして
認知症のある方が帰りたいと言うと
なんとか気をそらしてそんな言葉を言わないように(忘れてもらえるように)
あの手この手を繰り出したり
「ここに泊まるの」と、入院だったら医師しか判断できないはずのことを
他の職種なのに言ってしまったり
そういうことってよくあると思います。

「ここに泊まるの」という言い方をした人が
ここにいることを決定したように認知症のある方が感じるのは
当たり前のことだと思う。
『そんなこと言わないで帰してください』
と認知症のある方が言うのは正当だと思う。
だってあなたが決定したんでしょ?と内心思うもの。

けれど多くの場合に
職員はお茶を濁すような言い方をしているのではないでしょうか?
あるいは説明したのに理解してもらえない。と判断したりとか?

そう言う職員に悪気はないけれど
認知症のある方にしたら
ここにいることを決めたこの人にお願いしてもダメなんだ
という風にしか受けとめてもらえないと思う。

でも、最初から伝聞表現を使っていれば
私が決定したことではないのだということを言外に伝えることができます。

誤解が多いのは
確かに認知症のある方の言葉を聞いて理解するはたらきが低下することはよくあるけれど
(そしてそのことをこちらでも繰返し書いていますが)
言葉のニュアンスや意図や意味をすべて理解できなくなるわけではありません。

認知症という状態像を引き起こす疾患によりけり
障害によりけり
元々の言葉の扱い方に関する特性によりけり
なんです。

伝聞表現を意図的に用いることによって
認知症のある方の会話し続けようとする意思をくじかずに
お話を聴くことが可能となってきます。

言葉に鋭敏になる
意図的に自覚的に扱えるようになる
それらのことをたくさんの方から教えていただきました。

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伝聞表現を使う

MCI〜軽度の認知症のある方に対して
ご家族の方へのアドバイスとして
「伝聞表現を使う」ことをご提案する場合もあります。

実は認知症のある方ご本人は
自分の物忘れを自覚している
でもしっかりしなければ。と自分で自分に言い聞かせている。
ご家族だからこそ、弱音を吐いて心配をかけたくない。
そういう方はとても多いのです。

そんな人に受診する。
薬を飲む。
水分を摂る。

そんな時にご家族の方は一生懸命だからこそ
「病院に行くのよ」
「薬を飲むのよ」
「水分をしっかり摂って」
と直接的な表現をしがちですが
そうすると認知症のある方は
ご家族が味方じゃないように感じがちです。

「うるさいわね!」と言いたくなる気持ちもわからなくないような。。。

「病院に早めに行くといいんだって」
「薬を飲むと身体がラクになるんだって」
「水分を摂るとぼーっとしなくなるんだって」
と伝聞表現を使うと
私はあなたの味方だ。。。ということを言外のニュアンスを伝えることができます。

入院に付き添ってこられたご家族が帰る時に嫌がられたらどうしよう
だからといって黙って帰るのも悪いし
と迷っているような時には
「今日はここに泊まるんですって」と言ってみてください。
とお伝えすることもよくあります。

ご家族の方は私たち職員に気を遣って
「今日はここに泊まるの」と説明しがちですが
そうすると認知症のある方には
ご家族が積極的に入院をすすめたのかと受けとめられる可能性があります。

そうではなくて
伝聞表現を使うと
ご家族は味方なんだけど
入院した方がいいと病院の人たちが言っている
というニュアンスを込められるというメリットがあります。

まったく知らない環境で知らない人たちと過ごすのですから
心配になって当たり前。
ご家族の方は味方なんだということが伝わるといいなと思います。

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