Category: よっしーの情報クリップ

靴下の工夫:むくみと認知面

    

こちらは _徳武産業さんのあゆみシリーズ_ から
 _「あゆみが作った靴下のびのび2」_ です。

お年寄りだと足がむくんでしまう方ってとても多くて
普通の靴下だときつくて履けないこともあるかと思います。
そんな時の救世主がこちらです。
「ギプスの上からでも履けます」というキャッチフレーズの通り
本当によく伸びます。
前後の向きを気にせず履けるところもポイント高し!

続いては認知症のある方で
自分で着たり脱いだりする動作能力はあるけれど
前後を間違えたりといった認知面の問題で
更衣が一部介助になってしまうケースに対する工夫です。

認知症で構成障害が出てくると
洋服の前後や上下を間違えてご自身で着ることが困難になってくることがよくあります。

「障害」による「日常生活の困難」なので
本人に障害に対してトレーニングをするのではなくて
環境調整として靴下の選択を工夫することで
更衣というADL能力の改善を目指す時の考え方と靴下の紹介です。

まずは、こちらから。
_「無印良品」_さんの _「足なり直角靴下」_ です。

商品の本来の特性としては
踵を直角に足の形状に合わせて作ったことでズレにくい
というものですが
足の形状に合わせて作られたカタチから
こちらがつま先、ここが踵、と靴下のカタチが履き方を誘導してくれます。
いわば、履く前の認知面、足に靴下を合わせる段階で有効なのです。
1足399円というお値段も嬉しいです。

一方で、色無地の商品なので
履いている最中に靴下をうまく履けずに靴下がズレてしまったりすると
つま先や踵の視覚情報がありませんので修正するのは大変になってしまいます。

そんな時には、普通の靴下でもデザインによって履きやすいデザインを見つけることができます。

例えば、普通に ↑ のようなデザインの靴下も市販されています。
この色のデザインだと、つま先と踵が色情報として視覚的に区別しやすくなっています。
履いている途中でもつま先が足背部とは異なる色なので混乱しにくくなります。

あるいは、こんな風に 足袋型の靴下も市販されています。
親指とその他の指の区別が見た目でわかりやすいので
左右の区別がしやすくなるし、
親指が視覚的に強調されているので
履きながら親指に合わせて修正する。
修正しながら靴下を履く、ということが容易になります。

環境調整というのは
詰まるところ、マッチングです。
本人の能力と障害を明確に把握できれば
どんな靴下(環境)であれば、
履ける履けない(できる・できない)ということがわかります。

能力というのは、環境によりけり、程度によりけり発揮されるものです。
環境調整が的確に行えるために必要なのは、引き出しの多さではなくて
対象者の評価・状態把握であり、能力と障害・困難の把握と
環境が伝える情報を明確化できるというセラピストの能力です。

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ポジショニング術、伝授します(10)手指にスポンジ

 

手指を開くことができずに
爪切りができなかったり
手掌面の衛生管理ができずにいた方でも
スポンジを装着していただくことでそれらが可能になります。
肘の伸展筋群が過緊張状態で更衣が大変だった方の手指にスポンジを装着して
肘の屈伸がスムーズになったこともありました。
もちろん可動域が100%元通りになるわけではありませんが
日常生活上の支障は無くなります。

人の手の筋緊張は
どんなに強い拘縮のある方でも24時間同じ筋緊張ではなく
必ず変動があるものです。
その変動をスポンジの反発性を活かして増幅させるところに意義があります。 
だから、スポンジを外しても、手指が伸展・開排肢位を保つことができるのです。
よくある市販品やタオルやガーゼを巻いて握ってもらっても
大抵、外すとキューっと一気に握り込んでしまうでしょう?
スポンジであれば、適切に作成できればそんなことはまずありません。

筋緊張の変動を生かすということは、当然、前提として
臥床時・離床時に全身の適切なポジショニングが設定できることは必須となります。

このスポンジセラピーの良いところは
spasticityだけでなくrigidityへも対応可能で
人の手によるリラクゼーションの手間を省略して
関節そのものを動かしたり、その次の展開へと結びつける時間を確保できる
ところにあります。

スポンジセラピーで良い結果が出ない時には
まず、自身の選択と対応の適・不適について確認していただきたいと思います。
決して、手指だけを見て過剰な大きさ・過剰な反発性で作らないでいただきたいと思います。
末梢を過剰に外的に見た目だけ伸長させれば近位部の過剰収縮を招きます。
既に説明したように、大腿四頭筋や縫工筋などポジショニングのクッションと
全く同じことが違うカタチで起こってしまいます。

修正・改善するのではなくて、援助するという観点に立って
近位の手関節や肘、肩関節に負担をかけないように作成します。

また、手指の拘縮が長期にわたっていた方の場合に
皮膚も短縮していることが往々にしてありますので
過剰な伸展位の設定は皮膚を傷つける恐れがあります。
いきなり最大可動域でスポンジを作ることは危険です。

私は、通常、小さめ・弱めに作って上肢全体の状態を確認しながら
必要であれば2個目、3個目で完成版を作成するようにしています。

適切に、スポンジの大きさ・形・反発性を選択することができれば
最初は嫌がって拒否をしていても
拒否の程度が装着時のみに限定されたり
拒否がなくなったり
痛みを訴えることもなくなったりしてきます。

たぶん、「スポンジを装着すると楽だ」ということが実感できているのだと思います。

拘縮が強く、筋緊張が亢進している方ほど
スポンジセラピーによって状態が劇的に良くなりますから
他職種への説明の説得力があります。

そのスポンジですが
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店で
洗車用のスポンジを購入して作っています。
最初は100均で台所用スポンジを使っていたのですが
気に入っていたスポンジが販売されなくなったことと
手の大きな方には台所用スポンジでは小さすぎたので
大きめの洗車用スポンジを使うようになりました。

Amazonでも購入できますが、
スポンジの反発性を確認してから購入した方が良いと思います。
私は最近は、こちらの商品をよく使用しています。

まず、反発性が弱目のスポンジで小さく作ります。
ここがポイントです。
修正するのではなく、援助するのですから、
受け入れられる変化にとどめる、負担をかけない、他部位に代償させない

ということが大切です。

作成したスポンジはガーゼでくるんで手に固定しています。
以前は冒頭の写真のように
スポンジの中に紐やマジックテープを通すこともありましたが
消毒などの衛生面を考慮してガーゼ固定を選択するようになりました。
洗浄・消毒が担保されれば紐やマジックテープの固定の方が良いと思います。

本来、皮膚に接したガーゼは使い捨てるものですが
諸般の事情で難しい場合もあるかもしれません。
他の方と使い回すことのないように
その方専用で洗って期間を決めて交換しても良いかもしれません。
ただし、血液や膿などで汚染されたガーゼは必ず破棄するようにしましょう。
  
スポンジは、入浴時などに洗ったりアルコール消毒して乾燥させて再利用します。
理想は、毎日交換できることです。
なぜかわかりませんが、つぶれて変形したスポンジにアルコールスプレーをすると
ふっくらと反発性が戻り、形も元に戻ります。

他部門が紛失してしまうことも起こりえますから
可能であれば、洗い替え用に1つ、紛失に備えてもう1つ
最初に3つ同じものを用意しておけば、いざという時に即応できます。

退院・退所時には
スポンジの意義を文書化したものを用意して
スポンジと一緒に持っていっていただきます。
意義を理解した上で使うことが重要です。
たいていの人はスポンジの意義を知らずに
タオルや脱脂綿を巻いて使ったり、市販品を使ったり
逆効果になることをしています。
そして、逆効果になっているのに
PDCAを回すことなく、
事実に目を向けることなく、
何が起きているのかを洞察しようともせずに
今までそうしてきたから
周囲もそうしているから
漫然と使用を継続し、状態を悪化させてしまうのです。
  
善意があったとしても
知識がない、技術がない、事実を直視しようとしないために
逆効果になることをしてしまうのは本当にもったいないことだと感じています。

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ポジショニング術、伝授します(9)車椅子座位のポイント

イメージ_猫

車椅子離床時のポジショニングは
端座位をとっていただいて確認しています。
どのような介助をしたら(どこを支えれば)端座位が取れるのか
支えた部分にクッションや巻きタオルを設置
しています。

明らかに介助端座位をとることが難しい方は
ティルト型車椅子に座っていただいて
(1)前から見て(2)左右両側から見て姿勢確認をします。

まず、第一に確認するのは
車椅子との不適合がないか、どうかです。
特に、座面の奥行きと乗車する対象者の方の大腿長が不適合だと
臀部の前方への滑り座りを惹起させることになりますので要注意です。

可能であれば
対象者の体格と車椅子の座幅が大きく異ならない方が良いと思います。
現実には選択肢が限られていることの方が多いと思いますので
対象者の体格よりも車椅子の座幅の方が大きい時には
側面をクッションで補助するなどの工夫で補います。

最後に
対象者固有のポイントに対処します。

例えば
普通型車椅子に乗車可能な方で
拘縮によって脚長差があれば修正するのではなくて
脚長差があっても上位の体幹に影響が及ばないようにポジショニングを設定します。

気をつけなければならないことは
車椅子上で傾きがある方に対して
クッションを入れ込んだりすることはしても
臥床時のポジショニングを疎かにしてしまいがちなことです。

車椅子上で身体が傾いている方というのは
体幹が低緊張か高緊張かのいずれかですが
臨床的には高緊張の方の方が圧倒的に多いです。
臥床時のポジショニングを設定しただけで
車椅子座位での傾きがなくなるというケースを多数経験しています。

ただ単に車椅子座位時に傾いている側にクッションを当てこんだり
座面を傾けたりするような表面的な対応からは卒業しましょう。

 

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ポジショニング術、伝授します(8)他職種への伝達の工夫

飲みもののチカラ

ポジショニングしたら
写真を撮って部屋に掲示する人はたくさんいると思います。

私はもう1工夫して
クッションそのものに設置場所を書いたテープを貼付しておきます。
(膝の下、肩〜肘の下など)
さらに、今は養生テープでもカラフルなテープが販売されていますから
仰臥位・右側臥位・左側臥位、離床時と姿勢によってテープの色を変えています。

例えば
仰臥位に使用するクッションには
クッションの裏表両面に(例えば)赤色のテープを貼って
そのテープに「右膝下」「左膝下」「下腿の下」などとマジックで書いています。
右側臥位には色を変えて(例えば)緑色のテープに
「膝の間」「肩甲帯〜骨盤帯」と書いています。
姿勢ごとに色を変える
設置場所はテープに書いておく
という工夫
をしています。

さらに
テープに数字で設定の順番も書くようにしています。
設定の順番ってとても大事です。

掲示した写真にも設定の順番の数字を書き込みます。
そうすると写真と実物を見比べる時に
見間違えることも少なくなるし
一目瞭然で参照するのが容易になると思います。

使うものに使い方を書いておく
対象に設定を語らせる という方法
をとっています。 

また、できるだけ設置するクッションの数が少なくなるように工夫します。
膝下にクッションを設置する場合も
右膝用と左膝用と2個用意するのではなくて
右膝用と左膝用を固定して「膝下」用のクッション1個とします。
左右の向きを間違えないように、
クッションに「右膝」「左膝」と書いておくようにしています。
また、膝下用とふくらはぎ下用も可能であれば一体化させるようにしています。
設置する人の負担が少なくなるように
パッと見てパッとわかる、すぐに設定できるという工夫です。

間違えて設置しないように、使わないクッションは片付けるようにしています。

私以外の人がポジショニングする機会が多いのですから
変則交代勤務・不特定多数の人の
1)設定への負担を減らす
2)間違えないように、迷いにくいように
設定の工夫をする

ということをしています。

よく、「他職種がちゃんとポジショニングを設定してくれない」
という声を聞きます。
気持ちは、よくよく分かりますが (^^;
まず、こちらができる努力をすべきです。
その努力とは
1)他職種が迷うことなく楽に設定できるように考慮する
2)設定によって、対象者も他職種も「楽になった」実感が持てるように
  結果を出せるポジショニングをする

ということです。

「良肢位保持」といくら語っても
(えてして、ちっとも良肢位になっていなかったりするのですが)
お身体を動かすたびに、重くて硬くて、設定そのものが大変だと
「何のために」やっているのか、わからなくて
形だけになったり、テキトーになったりしてしまうのも
わからなくはありません。

適切なポジショニングができれば
必ず、その場で結果が出ます。
日が経つとさらに遠位の筋にまで効果が波及します。
ガチガチだったお身体がふわ〜っと動かせるようになります。

当初、設定そのものを嫌がって手を払いのけるような仕草をしていた方でも
だんだんと拒否の程度が軽くなり、そのうち拒否しなくなります。
「身体が楽になった」
と実感できているのだと思います。

中には、それでも、なおかつ
いちゃもんをつけてきたり
ポジショニングを勝手に変える職員もいなくはありませんが、
それはその人固有の問題であり
大抵、他の事象に対しても同様の対応をしている人なので
それは、リハ職が対処すべき問題ではなくて
その人自身とその人の上司が対処すべき問題です。

ところが、他職種の上司もいろいろで
わかっていない人もいれば
わかってはいるけれど敢えて今は触れないようにしている人もいます。
こちらもこちらで上司に相談すべきですが
こちらの上司もいろいろです (^^;

そんな時にどうしたら良いか
いつまでも手をこまねいているだけでは
対象者の方の不利益につながります。
意図的にポジショニングをきちんと設定しようとしない人に対して
だからと言って、直接的な行動変容を促すような関与をすると
かえって攻撃されたり、有る事無い事吹聴されたりしますから
黒船効果を狙うと良いと思います。
つまり、周囲の人がみんな適切にポジショニングができるのに
そして、その結果、明らかに身体の状態が良くなってきているのに
その人がしない、となると明らかにその人の落ち度だということになります。
よっぽどの人でなければそのような事態は回避しようとして
仕方なくてもちゃんと設定するようになります。

つまり、徹頭徹尾、自分自身が
まず適切なポジショニングを設定できるようになることが
常に必要なのです。

 

今年1年間、お立ち寄りくださいまして
どうもありがとうございました。

対象者の余分な困難を少しでも少なくすることが叶いますように
対象者にとってより善い実践ができますように
来年は1月8日から記事投稿を再開します。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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「科学は嘘をつかない。科学は多数決ではない。」服藤恵三の言葉

先日のNHK「プロジェクトX」は見応えがありました。
https://www.nhk.jp/p/ts/P1124VMJ6R/blog/bl/pjJo5qmnlv/bp/pOGLR2ZdMX/

オウム捜査を陰で支えた警視庁科学捜査研究所の研究員、服藤恵三を取り上げていました。
NHKのディレクターがこの方の著書を読んだことがきっかけとなったとのこと。

詳細は
ぜひ、11月2日(土)[総合]午前8:15〜9:00の再放送をご覧ください。

番組の最後に服藤氏が語った言葉です。
「科学は嘘をつかない
 科学は多数決ではない
 科学は自分では意志がない
 使う人によって悪いことにも良いことにも使える
 そこをどういうふうに制御するか
 というところがその人間に問われている
 真実を見れる目を持って俯瞰的に全体像を見ながら
 この位置付けがどういうものなのか
 しっかり把握してこれを使っていかなきゃいけない」

まさしくまさしく!

Xでも、多数の人がこの言葉を取り上げていました。
それだけ、本質に迫る言葉なのだと思います。
服藤さんの著書もあります。
https://books.bunshun.jp/articles/-/9329

関連して
「科学は嘘をつかない。でも科学者は嘘をつく」も興味深い記事でしたのでご紹介。
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/060900083/060900002/

こちらもあるあるですよね。
都合の悪いことは無かったことにするという。。。
わからないことは判断保留し継続課題としなければならないのに
多くの人が思い込みによって勝手にストーリーを作ってしまう。。。

認知症のある方の対応で
圧倒的に多いのが
「きちんとした見立てができないと
(障害や症状に関する知識がなく観察・洞察ができないと)
好き嫌いの問題に変換されてしまいがち」

という問題設定の問題があります。

そのために
多くの認知症のある方とご家族の方と志ある介助者が
余分な困難を抱えこまざるを得ず
本当の問題を自覚できない人は困ることすらできないという。。。

人は、過去からの自身の体験を踏まえて
無意識に判断しているものですが
自身の体験が誤っていることだって多々あり
(もちろん正当なことだって多々ありますが)
本質的に誤っていることもあれば
科学の進歩によって過去とは違う見立てができるようになったということもあります。

だから
対人援助職は謙虚でなければいけないと思うし
本質に迫る努力を欠かしてはいけないと思うし
周囲の人皆が言っているから、といった言い訳で逃げてはいけないと思う。

実現の仕方や戦略は様々だとしても
一生懸命対象者のためにしていることで
結果を出し続けていれば
必ず見て理解して取り入れて質問してくれる人がいるものです。

OTはよく「説明して理解をしてもらう」ことを考えるけれど
本当はまず何よりも最初に「自分が結果を出す」ことが必要なんだよね。

「科学は嘘をつかない」
「科学は多数決ではない」
「科学を扱う人の扱い方の問題」
という服藤さんの言葉は職域を超えて共感を呼び起こす言葉だと思いました。

ぜひ、再放送をご覧ください。

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予防可能その3:美容院脳卒中症候群

美容院脳卒中症候群(スタンダール症候群)は
美容院業界では対策がとられているようですが
高齢者施設では、そこまで注意喚起がなされていないようにも思います。

美容院脳卒中症候群とは
長時間の頸部圧迫や上方注視によって
後頸部にある椎骨動脈を圧迫してしまうことによって
めまい、ふらつき、手足のしびれやひどい時には脳梗塞を起こしてしまうことを言います。

高齢者施設でよくあるケースが
普通型車椅子に乗車している方が
頸部後屈位のまま長時間居眠りをしているというケースです。

認知症が重度になると
手足のしびれを言語化できないことも多々ありますので
職員が予防的に対応できないと片麻痺がいつの間にか生じている
ということも起こり得ます。

このような姿勢で居眠りしていたら
ベッドで臥床を促したり
ベッド臥床が難しい場合には、
ヘッドレストを後付けしたり
ヘッドレストがついているタイプの車椅子に変更することによって
予防するように気をつけたいものです。

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予防可能その2:下垂足

  
たまに見かける下垂足
足関節を背屈しようとしてもできません。
圧迫による腓骨神経麻痺による場合は
不適切な側臥位ポジショニングや長時間の横坐りや
椅子で足を組んだまま長く座っている方に起こることがあります。

認知症が重度になると
ご本人は下垂足の自覚がなくとも
無意識に股関節や膝関節を過剰に屈曲する代償歩行をしています。

認知症が軽度までの方なら
プロフッター を装着してもらうことも可能ですが
重度になると説明した意義を忘れて外してしまい装着継続が困難になったりします。

代償歩行ができるとはいえ、歩行時の転倒リスクはありますから
予防できるに越したことはありません。

側臥位ポジショニングは適正に設定すれば良いのですが
足を組んで座るというその方の座り方の癖を直すというのは難しいものです。
長時間、足組み座位が連続しないように
体操やトイレ誘導など、立ったり足を動かす機会を作ることで
腓骨神経の長時間の圧迫による麻痺を回避させる工夫をする方が現実的だと思います。

 

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視覚理解の援助:ナースコール

認知症のある方で
ナースコールを使えそうで使えない方がいます。

なぜ、使えないのか
どうしたら、使えるようになるのかは
人それぞれですが
ナースコールを目立たせる工夫が有効な場合があります。

私たちは「ナースコールがどこにあるのか」を覚えていることができますが
認知症のある方の場合、どこにあるのか伝えても忘れてしまいます。
特に夜間のお部屋は暗くなっています。

夜中にトイレに行きたくなった時に
ナースコールを必死になって探さなくても
目立つように気がつきやすいように
蓄光シールを貼ることもあります。

ナースコールにベタベタ汚れがつかないように
養生テープを貼った上に蓄光シールを貼るようにしています。

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