Tag: リハビリテーション

「座るー立つ」方法の提案

身体を総体として働きやすくするために

立ち上がりの時には

両手を大腿から下腿、足首、つま先へ…と

さすりおろすようにします。

ここでのポイントは

手が常に身体に触れたまま動くということです。

手が触れていることによって

たとえば、タイヤのように

身体が線ではなくて円環状になるようなイメージです。

身体に端のない状態をつくる

身体がつながっていて始めも終わりもない状態

この状態で動きが生じれば

身体の他の部分もつられて動かざるをえません。

手でさすりおろす…という動きにひきづられて

臀部が持ち上がります。

動きを決して止めないことがポイントです。

 

座る練習をする時には

立った状態で両手を大腿に置き

大腿〜下腿、足首、つま先へと手をさすりおろすようにしながら

腰をおろしていきます。

臀部が着座したら

手をつま先、足首、下腿、大腿とさすりあげるようにして

身体を起こします。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/259

「座るー立つ」身体は総体として働いている

お年寄りに対して

筋力強化を主体としたリハを行うということは

「個々のパーツの能力の総和=身体能力」

という考え方に基づいています。

でも、それは本当でしょうか?

 

身体は常に全体として 総体として働いています。

身体のあるパーツの能力が

低い時には低いなりに

高い時には高いなりに

 

身体は常に総体として働いている。

 

それなのに

筋力強化を主体とするということは

逆に言えば、

総体として働いている身体を

無自覚であったとしても

否定してしまうということを意味します。

 

抽象的な「正常な身体」を 勝手に設定して

そこからの引き算として

お年寄りの現状をとらえる

…という考え方は

いろいろな人生経験をしてこられたお年寄りの生き方までも

暗に否定してしまうことにもなりかねません。

 

判断基準が「正常な身体」であるならば

追い求めているのは「正常化」ということです。

それは、はたして、

「その人らしさを大切にする」と言えるでしょうか。

「お年寄りを尊重する」と言えるのでしょうか。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/258

「座るー立つ」観れども観えず

実は、健常と呼ばれている私たち自身が

腰部の筋を収縮させることによって 臀部を持ち上げているのです。

観てればわかるし

やってみればわかる

けれど、そこに注意を向けなければわからない…

常識を鵜呑みにする人にはわからない…

 

身体を前傾し、足裏からの床反力を使って立ち上がれるのは

膝と股の屈曲角度が鈍角になる

スツールのような高いイスに座っている場合です。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/253

「座るー立つ」現状への疑問

立ち上がり方については

昭和大学で開催された

第12回神奈川県作業療法学会のワークショップはじめ 

いろいろな研修会や勉強会で説明していますが

巷でよく言われているような 

「身体を前傾して足の裏を意識してふんばって立つ」

という方法は

実はあんまり適切ではないのではないかと考えています。

臀部が接地した状態で いくら上体を前傾しても

この肢位での重心は

足底からの垂直線上より後方にあるので 

床反力を利用したら後方へ倒れるしかありません。

それでは立ち上がれないので

たいていの対象者の方は立ち上がるために 

腰部の筋を収縮することによって臀部を浮かしています。 

(あまり療法士によって明言されることはないようですが) 

実は、ここが分水嶺になると考えています。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/249

「座るー立つ」体験談

老健での体験談です。 

車いすで移乗自立の方 。

もちろん、リハで立ち上がりや筋力強化を実施。

それなのに、段々と移乗困難になってくる…

巷では、このようなケースに対して 

廃用によるADL低下、筋力低下によるADL低下と

盛んに言っていますが

本当にそうでしょうか?

もし、そうだとしたら

何故、上述のようなケースが何例もあるのでしょうか?

老健ですから、1日の生活の中で移乗動作は何回も行われます。

その上、「専門家」がトレーニングしているのです。

もしかしたら、廃用や筋力低下が原因ではないのではないか?

自然とそういう考えが浮かびました。

 

立ち上がり困難になった方に対して

筋力強化などはまったくせずに

前回書いた方法論を用いて

 「座り方の練習が大事」
  http://kana-ot.jp/wp/yosshi/244

 「座るー立つ 同時に練習」
  http://kana-ot.jp/wp/yosshi/245

もう1度立ち上がれるようになったケースを数多く体験しています。

実際の現実的方法論の検討はもちろんのことですが

これらの現実が指し示す意味が重要なんだと考えています。

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/251

「座るー立つ」時間を有効に

1人のリハ時間が20分

限りある時間の有効活用をしたいものです。

よく見かけるのが

がんばって立ち上がる練習はしても座り方には無頓着。

ふんばってがんばって立ち上がって

ドシンと後方へ倒れ込むように座る…という方法

そんなの時間がもったいない!

前回、書いた方法は

立ち上がりには立ち上がりなりの

座り方には座り方なりの意義があります。

「20分しか時間がないからできることは限られてしまう」

そりゃあ確かにそうなんですけど

まずは20分みっちりきっちり工夫して

それから初めて言える言葉だと思うんだけどな(^^;

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/247

「座るー立つ」同時に練習

 

立ち上がれない人には

立ち上がりを「がんばらせずに」 全介助。

ただし、重心の移動方向には気をつけて 

座る時には「がんばって」 練習。

ドシンと後方へひっくりかえるような座り方ではなくて

音がしないで滑らかにそーっと座れるように

全介助で立ち上がりがんばって座る。 

できないことを過剰努力でがんばらせるのではなくて 

できないことは感覚入力だけしっかりしておきながら 

関連動作でできることのできかたをよくしていく

そうするとできなかったことがまがりなりにもできるようになり

できかたの改善をすることができる

…と考えています。 

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/245

座り方の練習が大事

立ち上がり…って、リハでよくやる内容の1つでしょう?

でも、座り方を練習する療法士ってあんまりいない。

とっても大事なことなんだけど(^^;

だって

立ち上がれない方でもとりあえずは座れるでしょう? 

どんな座り方であれ 

まずは 

よりよく座れるように練習します。

音がしないように静かに滑らかに座れるようになると

立ち上がり方も上達しています。 

Permanent link to this article: https://kana-ot.jp/wp/yosshi/244