Activityと構成障害

作業に語らせる:輪くさり

「一緒にやるから大丈夫」
「ここをこうして、こうやって」

とは言ったものの、一緒にやってもダメだった。。。
という体験をしたことのある人は
言葉にしないだけで実は相当いると思います。

上の写真を見るだけで
ご本人の努力が伺えます。

輪くさりがどんなものかはわかる。
自身がイメージした通りに作ろうとしてる。
でも作れない。。。
違うことはわかるし
なんとかイメージ通りに作り直そうとしてる。
でも、できない。。。

構成障害という症状の現れです。

だから
「私が隣で一緒に作るから見てもらって真似すれば大丈夫」が通用しないんです。
構成障害があるから。
(もちろん、構成障害があっても軽度の方には通用することもあるでしょうが)

構成障害とはなんぞや?
「全体と部分、部分と部分の位置関係を認識し再現する能力」のことです。

「一緒にやるから大丈夫」
「ここをこうして」
という声かけは
本来、構成能力が保たれている方に有効な声かけであり
認知症で構成障害のある方に折り紙が難しい所以です。

一般的に言って
折り紙が認知症のある方に難しい理由は他にもありますが
それはまた後日。

話を構成障害のある方に戻して。。。

考え方としては2つ
1)介助の工夫:輪くさりを仕上げるためにどんな介助の工夫をするか
2)課題の変更:輪くさりではなく他のActivityに変更する

どちらにしても
この輪くさりのできなさにヒントがあります。
たとえ的確にできないにしても
この方の輪くさりの作り方そのものをよく観察することから始めます。

(続く)

  

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