自立度を維持するための全介助:カタチと働き

ADLの自立度を維持するためには
例えば立ち上がりや移乗動作を維持するためには
全介助の場面を作ることが必要な場合もあります。

全介助によって身体の働きを高める機会を作る。

身体の働きを維持する、高めるために必要なことは
人によって異なります。

自立度を高めるためには
なんでも一人でやらせれば
一人でやる能力が維持できるとは限りません。

一人でやるだけの身体の働きを保てる

その部分をちゃんと観察・洞察・評価しなければ。

普段の移乗動作は自分一人で頑張ってやってもらって
リハの場面では全介助で両下肢で自重を支えながら抗重力伸展活動を行うことで
普段の移乗動作の自立度が保てる方もいれば
(自立度を保つために介助場面が必要)

普段の移動は杖歩行で自分一人で頑張って歩いていただき
リハの場面では杖を使わずに両下肢での動的バランスの維持を行うことで
普段の移動能力の自立度が保てる方もいる。
(自立度を保つために杖なしというより高い場面設定が必要)

移乗動作の自立度を維持するために一人でやらせれば維持できるわけではなく
移動能力の自立度を維持するために漫然と杖で長時間歩くだけでは維持できるとは限らない。

実際の動作という「カタチ」には
身体の困難だけではなく必然性も含めた身体の「働き」が反映されている
「働き」を観察・洞察・評価できれば
自ずと自立度を保つために必要なことが浮かび上がってくる。

「カタチ」だけ見て
「カタチ」だけ修正しようと
言うのではなく
「カタチ」に反映されている「働き」を観て
「働き」を高める(否定・修正するのではなく)方策を実践できる。

表面的には同じように見えるかもしれないけれど
全く異なる在りようと関与の仕方です。

  

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