Activityと構成障害「工夫の考え方1」

作業に語らせる:輪くさり

この方の作り方から
輪っか単体を作ることはできるけど
「輪の中に紙を通す」ことができない
ということがわかりました。

机の上という平面で
立体と平面の異なる2つの対象の操作が難しい

構成障害があるから
隣で見て真似をするということも難しい

もしも
声かけや場面設定という介助の工夫を考えるならば
「優しく声をかける」「何回も繰り返し説明する」ではなくて

こんな風に
輪くさりを棒にぶら下げて
「立体」であることを「空間の中で」強調して
視覚的に提示します。

その上で
「輪っかの真ん中に通して」という声かけをします。
紙を通すことができれば
輪っか単体を作ることはできます。

声かけだけに頼らない
対象者にとっての「対象」をより明確に視覚的に認識しやすいように
「場面」という環境設定を工夫します。
声かけは端的に。

もちろん
このようなケースは臨床あるある。だとは思いますが
人により時期により、状態像はさまざまです。
この方の場合にはこの方法でできるようになった
できるようになる環境設定への考え方を説明しました。

目の前の方のやり方、でき方、できなさを
きちんと観察することから始めます。

きちんと観察する。。。というのは
言語化できるくらいに観察する。ということです。

その言語化された表現だけに絞って
その通りに実行して再現できるかどうかを自己確認します。
言語化された表現だけに従って実行した時に再現できなければ
その部分が観察し損ねた部分です。
観察力を磨こうとする人におすすめする方法です。
この方法はActivityはもちろんADLなどすべての行為に応用できます。

では、次の記事で
もう一つの工夫。
輪くさり以外の課題に変える場合について記載します。

 

  

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