Activityと構成障害「工夫の考え方2」

作業に語らせる:輪くさり

もう一つの工夫の考え方です。

輪くさりではなくて
違うActivityを検討する場合

輪っか単体を作ることはできる。
ということは
1つの対象で
1つの工程であれば
平面から立体を形作ることはできる
ということを意味します。

だとしたら
できることはたくさんあります。

輪っか単体を
端と端をきちんと重ねてのり付けできるということは
両手の協応が可能ということを意味します。

例えば
あんでるせん手芸の紙巻き作り
最初にまとめて紙巻を作り
次に出来上がった紙巻をティッシュペーパーの空き箱につけて
小物入れを作ります。

冒頭の写真のように
なんとか輪くさりを作ろうとこれだけ試行錯誤した、
試行錯誤できるということは
それだけ集中できるということを表しています。

案の定、紙巻を上手に集中して作り続けることができました。

いろいろなActivityを知っていることは悪いことではありません。
ですが、Activityに対象者を合わせるのではなくて
対象者にActivityを合わせるのです。

対象者の良いところを良い方向に発揮できるように
Activityの場面設定を工夫したり
Activityの種目を選択します。

それぞれのActivityには、遂行に必要なActivityそのものが要求する能力があります。
この段階では、要求される能力にプラスもマイナスも意味づけはありません。

ところが、今、目の前にいる対象者にとって
選択されたActivityはプラスにもマイナスにも変わり得ます。

誰にでもいつでも「使える」Activity
万人に有効なActivityなどあり得ません。

マイナスに作用することがないように
できればプラスに作用するように
どのように考え、どのように工夫するのか
きっちりと言語化して説明できることと
(少なくとも自分の中で言語化できていること)
きっちりと実行して結果を出せることが
とりわけ、作業療法士には求められていると感じています。

作業療法士で他職種への説明の必要性を唱える人は多いけど
結果を出す、実行できることの重要性を強調する人が少ないのが
私にしては本当に不思議なことですが。。。

なぜなら
ピンチはチャンス
結果が出せない時こそ
出せない必然がある。

自分の認識をもう一段深めたり広げたりするチャンス
自分に必要な知識と技術を習得するチャンスでもあるからです。

  

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