Tag: 食事

食べ方をきちんと観る

なぜ、昨日書いた記事のようなことが起こっているかというと…

主に、食事場面に関わる人の評価の視点が

「食べ物をこぼさずに口の中に入れられるか」

「ムセていないか」

の2点だけになっているのではないかと思われます(^^;

 

口腔内で食塊形成できるか

咽頭へ食塊を送り込むことができるか

等の口腔期のはたらきについて

あんまり確認されずに食形態が選択されているんじゃないかと

思われます。

食後に口腔ケアをすると思うのですが

口の中いっぱいに食べ物が残っていたり

頬の内側に食塊がこびりついているのを見てはいても

その現実が意味している状態像とが結びつかないのだと思われます。

 

治療が終了し

入院前の施設に戻る時には

食形態の変更とその根拠、食事介助方法についても報告しています。

 

不適切な食形態を選択していた…のですから

理由はどうあれ

状態像を把握できていないことを示しています。

 

より正常に近い食べ物を食べさせる

のが良いケア、リハではなくて

その人の状態に合った食べ物をその人が食べることを援助する

のが適切なケア、リハなのではないでしょうか。

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舌の動きの見落とし

とりあえず

咽せずに食事していると

舌の動きが見落とされがちです (^^;

常食や軟菜や刻み食が出されたりしていて

食べにくいから

食べようとしないとか

なんとか送り込もうとして

手を口の中につっこもうとするとか

 

食形態を適切に選択できていないことの結果として

不適応行動が起こっているだけなのに

つまり

食形態が不適切と身体を通してちゃんと訴えているのに

訴えを問題視するというパターンがかなりあるようです。

 

食形態を落として

適切に介助するだけで

食事場面の「問題点」が改善される

…というケースにかなりたくさん遭遇しています。

 

見た目にも、味わいとしても

おいしく食べていただきたい

という気持ちはわかりますが

こちらが良かれと思ってしたことでも

相手に合っていなければ逆効果になってしまいます。

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良い姿勢?

良い姿勢?食事の姿勢のことです。
食事をする時には、良い姿勢で食べましょう。
股関節90度、膝関節90度屈曲位が正しい姿勢です。
…ということで、振り子式車いすにかろうじて座っている人も食事中に起こされて食べにくそうにしている人をよくみかけます。

うーん…

上体はムリに起こさなくても大丈夫。
それよりも、頸部の角度が誤嚥防止には重要なのです。

上体をムリやり起こして良い姿勢を作ったとしても
頸部後屈してしまっていたら
それこそ、誤嚥一直線(> <) ふだん、ただ座るだけでも、ちゃんと座ることができない方が 座る+食べることを両立しておこなえるでしょうか? 食事というのは楽しみであると同時に生命に直結した行為です。 まず、安全に食べられることが何よりも大事です。 看護学の教科書にも90度の常識が書かれているそうですが だからこそ、実際の現場で 頸部の角度確認の重要性を声を大にして訴えていかねば…! 「良い姿勢」「正しい姿勢」もいいですが 目の前の方にとって「より適切」な姿勢を担保することが 第一優先なんじゃないかしら…と思うのであります。 そして、その時にその姿勢が「適切」かどうかの判断根拠は 何を為すための姿勢か…ということ。 目的とする行為が何なのか…ということだと考えています。

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箸で線引くように

ある方は箸で線を引くようにしてご飯を食べていました。

お茶碗に残ったご飯は見事に一直線を示しています。

( 几帳面な方だったのかも… )

そう言えば、

挨拶する時にもきちっとした身のこなしで挨拶してる。

言葉使いも礼儀正しい。

えてして

食事場面は自立してるかどうか、ムセや食べこぼしはないか

という観点でみられても

特性をあらわす食べ方に注目する人は少ないようですが

「食事」という場面は本当に豊かな場面です。

対象者の能力も困難も特性も投影される貴重な場面なんです。

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5本箸

5本箸5本箸でお食事…つまり、手づかみで食べてしまう方も中にはおられます。

Eさんも、ご多分にもれず5本箸を使用中。
ですが、Eさん、手づかみで食べながらも
左手はちゃんと手で受けるように口もとに添えています。
しかも、その手の添え方は指をそろえていて、とても優雅な仕草です。
一瞬、みとれてしまいました。

Eさんは、挨拶される姿も優雅です。
ちょこっと、小首をかしげ、手を口もとに添えて
「こんにちはー」「おほほほー」とにこにこされます。

もしかしたら、Eさんは、ものすごいお嬢様だったのかしら
…などと感じました。

5本箸…といっても
人それぞれ
千差万別のあらわれ方が見られます。

食事…という場面は本当に大切

生命に直結しているし
最後まで残るADLだし
だからこそ、対象者の方の能力と困難と特性があらわれやすい

対象者の方にとっては、能力発揮の最後の砦
私たちにとっては、その方の状態を把握できる最後の砦

食事という場面を
もっと、多くの人に
もっと、大切にしてほしいな…と常々感じています。

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