Tag: 声かけ
もしかして、
このサイトにお立ち寄りくださる人の中に
認知症のある方とどうやってコミュニケーションをとったら良いのか
わからなかったり、自信がない人もいるかもしれないと思ったので記事にしてみます。
実習に行くと
「患者さんとコミュニケーションとってみて」
「ご利用者さんとコミュニケーションとってみて」
って言われることが多いんじゃないかと思います。
コミュニケーションとるって言われると
一生懸命話さなければって思いそうだけど
別に無理して笑わせたりすることじゃなくて
その方がどんな方なのか理解するためだから
聞き上手を目指せば良いのだと思っています。
知識があれば
意図的に質問をしたり
答えや答え方に注目することができますから
かなり、いろいろな情報を得ることができます。
せめて、4大認知症 は押さえておきましょう。
話の聞き方のポイントとして
私は次のことに気をつけています。
1)今はまだマスク装着が求められているところも多いと思います。
こちらがマスクをしていると表情が伝わりにくいので
意識して表情を強調するようにしています。
・笑う時には眼も笑う
・相槌を打ちながら聴く
・尋ねる時には小首をかしげる
・表情が伝わりにくいぶん、口調を強調する
2)相手の声のトーンと大きさに合わせる
・初対面の挨拶で声の調整も兼ねて相手の名前の漢字を尋ねる
3)重要な内容は、復唱する。
・認知症のある方が発言した表現そのままを使って復唱する。
・同じ内容で違う表現に言い換える
4)事実を確認する時と感情に焦点を当てる時と使い分ける
・記憶の連続性を確認したい時には事実確認を優先する
・エピソード記憶を聴いている時や認知症のある方が言いたいことがある時には
感情に焦点を当てて聴く
5)言語表出が困難な時には、クローズドクエスチョンで確認する
・可否いずれも両方を尋ねる
順次、ご説明していきます。
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農家の90歳のAさん。
車いすに座っているけど移動するのでフットプレートに足をのせてほしい。
そこで職員が言った言葉が「オミアシヲアゲテクダサイ」
Aさんは足をあげることができませんでした。
接遇は、とても大事だと思います。
「オミアシヲアゲテクダサイ」と声をかけた人は「敬語で接しよう」「丁寧に対応しよう」と心がけていたのだと思います。
でも、相手に伝わってはじめて「言葉」なのではないでしょうか。
言語理解力が低下している方に、伝わる言葉を意図的に選択して使用する。
「足、上げて」
認知症のある方の対応について、子ども扱いされた…などの批判があり、現状改善のためにも接遇が重要視されていることは知っています。
けれど、丁寧な言葉遣いは、えてして長文になりやすく動詞が修飾されて使われているために、言語理解力が低下している認知症のある方には伝わりにくいという現実もあります。
だから、職員は無自覚のうちにも伝わりやすい言葉を使っていたという過去があるのではないでしょうか。
ただ無自覚だったので、子ども扱いされたという批判に対して的確に説明することができなかったのではないでしょうか。
だったら、私たちがすべきことは、マニュアル的に表面的に敬語を使うことではなくて、相手が理解しやすいシンプルな言葉を意図的に選択する。と同時に言葉をシンプルにした分、表情や口調、しぐさというノンバーバルの部分で丁寧さを補うことを意識して工夫するということではないでしょうか。
接遇や声かけの大切さについては、誰も異論がないと思います。
でも「大切大切」と言っているだけでは目の前の方に接遇や声かけの大切さという理念を具体化することはできないと考えています。
接遇や声かけの大切さがスローガンになってしまってはいないでしょうか?
自分がしたいことを実践するのではなくて、相手が困惑しないで受けとめられるように伝え方の工夫をする。
その時その場のその関係性において意図的に選択する。
自分がしている対応と言語化(概念化)を合致させていく努力を積み重ねていく。
その過程こそが接遇であって、敬語で話す、○○すべしというマニュアル化された言葉を使うことが接遇ではないと考えています。
善かれと思って導入された接遇の概念が現場の対応を混乱させてしまうことがないように…接遇の概念に振り回されるのではなくて接遇の概念を対応に活用できるようにという本来の趣旨が現場に活かされることを、地道にではあっても一歩一歩積み重ねられていくことを願っています。
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