「その人らしさを大切にする」提案(1)

「その人らしさを大切にする」という言葉をよく聞きますが
よくよく考えるととても難しいことです。
  
そもそも、「その人らしさ」って何でしょうか?
どういう言動がその人らしさを大切にすることで
どういう言動だとその人らしさを大切にしないことになるのでしょうか?

ここを明確にできなければ
「その人らしさを大切に」と「言う」ことはできても「する」ことはできません。

耳に心地良い言葉だと
スローガンのように声高に唱えられるだけで
どうしたら具現化できるのかという道筋が示されなくても
「唱える=実践できる」かのように誤解させられてしまうかもしれませんが
理念は唱えるものではなく、実践する際の指針となるべきものです。
ところが、どのように実践に際して指針として扱い
どのように具現化してきたのか
具体的に現実的に説明できる人ってどれだけいるのかな?

私は
「その人らしさ」とは、その方が繰り返し使ってきた言動のパターンと捉えています。
「その人らしさを大切にする」とは、その方が繰り返し使ってきた言動のパターンに沿って応対するようにしています。

たとえば
人には解決のパターンや受け入れやすい説明の傾向があります。
・明るく前向きに
・論理的で明確
・周囲への同調
などなど。
その人固有の解決のパターンに沿って説明したり対応したりするようにします。

再認可能な帰宅要求をした方にはきちんと説明をしていますが
その説明の仕方もその方に応じて変えています。
明るく前向きに考える方には、明るく「今日はお泊まりなんですって」
論理的な対処をされる方には、「十分なお世話ができるようにここに入られました」
周囲への同調という対処をしてこられた方には、「ここにいる他の皆さんも一緒にお泊まりされます」などなど。
その方固有の対処パターンに沿った説明だと再認しやすくなります。

「その人らしさを大切にしましょう」と「言う」のではなく「する」提案(2)は次の記事で。

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