偉大なるマンネリの効用

作業に語らせる:輪くさり

マンネリというと
ネガティブなイメージがつきまといます。

本来、マンネリという状態には
プラスもマイナスの意味合いもありません。
私たちが勝手にマンネリは良くないと思い込んでいるだけです。

認知症のある方には
同じことを同じように繰り返すことで
安心して取り組んでいただける場合が多々あります。

感情記憶は蓄積される
再認ができる方は大勢います。

認知症のある方のこういった特性は
プラスの方向にもマイナスの方向にも作用します。

「できた」
「面白い」
「懐かしい」
ポジティブな感情は蓄積されるし
できた体験を通してポジティブな感情を想起することもあります。

「できなかった」
「困った」
「わからなかった」
ネガティブな感情は蓄積されるし
できない体験を通してネガティブな感情を想起することもあります。

重度の認知症のある方でも
だからこそ
その方の特性と能力に合致したActivtyを行うときには
ものすごく集中して夢中になって行っています。

「少し、休憩しましょうか?」
と言っても耳に入らないくらい。。。
そういう体験をしたことのある人は
きっとたくさんいるのではないでしょうか?

もちろん時間感覚の低下といった要素もあるでしょうけれど
それ以上に、「自分が自分で在る」ことを
体験できているという実感を欲しているのだと思います。

マンネリを良い方向で活用する

根拠なく長年言われているから行っていること
河野大臣は深夜の会見を「前例主義」と言っていましたが
リハやケアの分野でも悪しき前例主義はたくさんあります。
それらをきちんと吟味・検討すると
思いも掛けないブレークスルーの道が開けます。

そして
その道は、対象者の状態を詳細に把握する
ということと決して無関係ではありません。

 

 

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