「あれ?立てた」6

能力を発揮しながら身体を硬くせずに
立ち上がり・立位保持ができるようになるために私が行っていること

1)股関節周囲筋の可動性を上げる
2)骨盤帯と体幹の分離を高める
3)体幹の抗重力伸展活動を高める
4)体幹と肩甲帯の分離を高める
5)骨盤帯と体幹が分離した立ち上がり体験
6)肩甲帯と体幹が分離した立ち上がり体験
7)以上の要素を総合的に含めた立ち上がり-立位保持体験

動ける身体を作る
動けるようになった身体に動かし方を伝える
実際の動作場面の中で動かし方の実践を総合的に行う

何かの動作ができる
ということは、動作遂行に必要な機能・働きができるという
結果として動作ができる。ということを意味します。

結果として起こることを
表面的に何回もやらせるだけでは「結果」につながらないし
結果につながるように「働き」を高めることが必要です。

ROMは結果として広がっていくので
ROM-Ex.だけやっても働きが高まるとは言い難い面があります。
評価のもとにきちんとROM-Ex.をやらないと逆効果になってしまいます。

生活期の方においては
私はあんまりROM-Ex.は行いません。
ポジショニングとかリラクゼーションはやるし
ROMの確認はしてるけど。

本当にお身体がガチガチになってしまっている方が多いです。

ガチガチの身体では動きたくても動けないし
寝ても休息できないから筋疲労も脳疲労も解消されず
余計に身体が動けない状態になってしまっています。
まずはそこから改善し
動ける身体になってから
身体の使い方を再学習しながら動作練習をしていきます。

そして
必要なのは実際の場面そのもので再学習しながら練習することと
その時に失敗や不全感を抱かせないように場面設定することです。

前の記事(「あれ?立てた」シリーズ)で書きましたが
体験を通して再認できる認知症のある方は大勢います。

「できた」「ラクに動ける」という再認をしながら
体験学習ができることが肝要です。

「立ち上がらせてる」と立ち上がれなくなります。
「食べさせてる」から食べられなくなる
のと全く同じ構図が違うカタチで現れているだけです。

「立ち上がる援助」をすれば、立ち上がれるようになり
「食べる援助」をすれば、食べられるようになる

「意図こそが重要」(スティーブ・ジョブズ)

見た目は同じに見えるかもしれません。
認知症のある方の移乗動作をしている
認知症のある方の食事介助をしている

同じ場面で真逆のことは起こり得る

ADL介助、とりわけ、立ち上がりは
1日に何回も繰り返し行われる動作です。

常にチャンスもピンチも起こり得る

課題も解決への道筋も内包している 

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