認知症の人と家族の会のHPにて
「認知症の人と家族の思いと介護状況及び市民の認知症に関する意識の実態調査報告書」が公開されています。
報告書はこちらからご参照いただけます。(サイズが重いのでDLに時間がかかります)
概要版はこちら。
非常に丁寧・詳細にまとめられていて頭が下がります。
読み応えのある報告書ですが、概要の確認はもちろんぜひ詳細をご一読ください。
「認知症に関わる支援者の意識調査」から、一部を抜粋します。
支援者の「そう思う」「ややそう思う」と回答の割合です。
「認知症の人に優しく接することができる」 91.1%
「認知症の行動の意味を理解することができる」 77.5%
「認知症の人へのケアには自信がある」 55.9%
「認知症の人への支援は専門家が適切な支援を実践してくれると思う」 55.1%
『支援者自身が専門的な支援を受ける立場で回答していると思われ、複雑なケア現場の現状が示唆された』
とまとめられています。
かつて
あるご家族から言われたことがあります。
「いろいろな相談機関に相談に行った。
言われることは確かにその通りだと思ったけど
これに困っていると相談したことへの答えは返ってこなかった。
ここで初めて答えをもらえた。」
また
NHKスペシャル「私は家族を殺した”介護殺人”当事者たちの告白」
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160703
をみた時の衝撃も忘れられません。
介護殺人に至ってしまったケースの3/4で何らかの介護保険サービスを利用していた
にもかかわらず、最悪の事態に陥ってしまったということ
介護家族の
「認知症を理解したって私たち家族の介護は楽になるわけじゃない」という言葉
今までは
介護を家族だけでなく、もっと「場」を増やす、関わる「人」を増やす
という量的拡大がまず必要だったのだと思います。
でも、これからは切実に「質」の向上が求められている。
介護現場では多くの専門家が優しく在りたいと心がけているけれど
それだけでは適切な支援はできない、自信がないと感じながら働いている人の多さを改めて実感しました。
専門家たりえる実践の担保がこれからもっと必要になってくる。
改めて背筋が伸びるような思いをしました。
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