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3月 02 2017

第3の道



認知症の早期発見・早期診断はこれから先どんどん進んでいくでしょう。
確定診断の精度もどんどん高まるでしょう。
それはとても重要なことですべての基礎になります。

でも、大切なのは、その先ではありませんか。

どうしたら、認知症という状態とともにあって
少しでも暮らしやすくなるのか。

認知症のある方をとりまく現状について
私の目には今、大きな振り子がふたつを行ったり来たりしているように見えます。
「認知症があってもできることはたくさんある」
「認知症があるから仕方ない」

老年期のリハビリテーションに長いこと携わってきて
常に疑問だったのは
「全か無の法則」「クロとシロの法則」と私が勝手に名付けていた事象です。
両極端に議論が傾いて、グレーの色調の判断とグレーの色調への援助に対して
具体的な検討が進みにくいという現状への疑問です。

できることはわかりやすい
できないこともわかりやすい
できそうでできないことがどうしたらできるようになるのか
具体的に検討されにくくて抽象論で終わってしまいがちです。

暮らしという現実の中で起こる困難を少しでも少なくするには
障害と能力の把握が突破口になります。

もう、旗を振る時代は終わりにして
具体的な検討ができるようにしませんか?

その突破口は
障害と能力のプロとして養成されてきたリハスタッフ
とりわけ作業療法士が担える一番の近道にいると感じています。

でも
リハスタッフ・作業療法士ならば誰でも担えるわけではないし
他の職種やご家族が担えないわけでは決してありません。

かつて死の病として
ひたすら恐れられてきた結核やガンが
医学の進歩によって立ち向かえるようになってきて
死の病としてひたすら恐れられる対象ではなくなってきています。

それと同じように
かつて自分が自分でなくなると恐れられてきた認知症が
当事者の言動によって、ご家族のサポートによって、多職種の支援によって
自分らしく生きることへ戦略が転換されていて旗は振られている。
けれど目の前にいる認知症のある方に向き合った時に
旗を振っていた時ほどの声が出ないような気持ちになることはないでしょうか。
理想を高く掲げれば掲げるほど目の前の現実に疲れてしまわないでしょうか。

今、求められているのは
高い理想をどうやって具現化するのか、できるのか
その具体的な検討を可能にすることなのではないでしょうか。

  

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