立って食事介助してはいけない?

先日、すっごく久しぶりに普通救命講習を受けて
講師が「覚えるだけじゃなくて意味がわかることが大切」
って言っていて「本当にそう!」と思いました。
その後、ネットを見ていたら
「食事介助を立ってするなんて言語道断」みたいなのが流れてきて
「そうその通り!」なんてコメントもついていて
う〜ん。。。隔靴掻痒な気持ちになりました。。。

なんで立って食事介助をしてはいけないのか
その理由を知ってるのかなー?
意味がわかってないと
座って介助していてもやっちゃいけないスプーン操作をしちゃってることもあるし
「私はちゃんと座って食事介助してる」って
自身の不適切さを自覚することができなくなることすら起こります。

立って食事介助すると
対象者よりも高い位置からスプーン操作をすることになるので
どうしてもスプーンを斜め上に引き抜きやすい構造になっています。
スプーンで食塊を上の歯でこそげ落とすようにしたり
スプーンを斜め上に引き抜いてはいけないのですが
その理由は次の二つ。
1)スプーンを斜め上に引き抜くと対象者の顎が上がってしまいます。
  顎が上がるということは、気道確保をする姿勢です。
  つまり、食事介助しながら気道確保するという、とんでもなく危険なスプーン操作なのです。
2)スプーンを斜め上に引き抜くことで
  上唇を丸めて取り込むという準備期の重要な働きを阻害することになってしまいます。
  人の身体は解剖学的にも生理学的にも連続性がありますから
  準備期の能力低下(実際には介助者による能力阻害)が口腔期の能力低下を引き起こし、
  咽頭期の能力低下をも引き起こしています。
  (もう30年以上言い続けていますが、生活期の方の食べ方の問題は
   咽頭期ではなく準備期にあり問題の本質は誤介助誤学習である場合が圧倒的に多いのです。)

座って食事介助するのは、とても良いことですが
それだけでは十分ではありません。
自身のスプーン操作に留意しながら介助することが重要です。
いくら座って介助していても、肝心のスプーン操作を適切に行えずに
斜め上に引き抜くようなスプーン操作をしていれば座ることの意義を発揮できていないことになります。

逆に言えば、どうしてもスペースがないなどの理由で
立って食事介助するしかない場面でも
より一層、自身のスプーン操作に気をつけながら介助すれば良いのです。

問題は、立って行うか座って行うかではなくて
斜め上に引き抜かずに、下唇か前舌を押して水平に引き抜くようなスプーン操作が行えるかどうか
なのです。

意味がわかることが大事

食事介助は立ってするか座ってするかは問題の本質ではなく
適切なスプーン操作を行いやすい環境は座って行うことだという手段に過ぎません。
手段と目的のすり替え。。。
リハやケアでいろいろなカタチで起こっていることです。。。

救命講習で
意味がわからないために確認し損ねたり、実践できなかったり、間違えたりしたら
それこそ、生命に関わりますものね。
救命講習そのものを受講できたことも良かったし
関連して重要なことの再確認もできて良かったです。

 

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