あまり知られていない
でも、現場で使えるActivityとして
スクラッチアートを紹介します!
スクラッチアートとは
ハガキ大の大きさの黒い用紙に
白い色で下線が描かれているので
同封されているペンで白い線の上をなぞって削っていくと
鮮やかな色が浮き出たり、ホログラムのような色が浮き出たりします。
ダイソーで販売されていたものを購入しました。
冒頭の作品は
1ヶ月半以上取り組んでいた方なので
複雑な図案でも綺麗にできるようになりましたが
もっとシンプルな図案もあります。
2-3分前のことも忘れてしまうような、
近時記憶が高度に低下している方でも作れます。
スクラッチアートの良いところ
1)工程が少なく、工程を覚える必要がない
・白い線の上をなぞる という1工程のみ
2)自身の関与の結果が明確で綺麗
・なぞった→色が浮き出た という達成感が即時に得られる
3)出来上がりが綺麗
・多少なぞり忘れがあっても失敗として目立ちにくい
・多少なぞり方が雑でも失敗として目立ちにくい
4)段階付けが容易
・シンプルな下絵から複雑な下絵まで種類が豊富
・風景画、動物、曼荼羅や星座など下絵が多様
好みに合わせて下絵を選べる
・線をなぞるだけでも綺麗、面を削って色を出してもどちらも綺麗
面の削り方に自由度があって工夫ができる
近時記憶が低下していても
構成障害があっても
手指の巧緻性が低下していても
大雑把な性格の方でも
「白い線の上をなぞる」ことができれば行えます。
綺麗な変化を感じつつ取り組めるので
作業そのものが集中力をサポートしてくれます。
気をつけるところは
1)眼精疲労
・用紙のコントラストが強いので休憩を挟むか、作業時間は短時間にとどめる
2)削りカスの処理
・黒くて細かな削りカスがかなりでます。
おしぼりやタオルを用意しています。
応用としては
無地の用紙も売られているので
短歌や俳句や歌詞などの模写もできると思います。
綺麗な字で書ければ仕上がりも綺麗だし
そうでなくても味わいのある仕上がりになるんじゃないかと思っています。
私が手工芸的な結果が明白なActivityを行う時には
見た目の綺麗さには、こだわっています。
一生懸命やったのに、綺麗にできなかったらガッカリしちゃいます。
近時記憶障害が高度であっても
その場の状況理解はできる方は大勢います。
自分自身が納得できない結果を目の当たりにしたら
意欲も削がれてしまいます。
「褒めておだてて言いくるめればいい」と考える人は
ガッカリした認知症のある方の表情に気がつかないのでしょう。
頑張っても良い結果にならなかったという体験は
能力低下、老いへの無力感全般へと容易に一般化しやすいので
可能な限り回避できるようにしています。
Activityを行なったその都度
「お、綺麗!」「あら案外素敵じゃない?」
って感じていただけるように。
ポジティブな感情を抱けるポジティブな体験となるように
対象者の方の特性と能力とActivityのマッチングには気をつけています。
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