偉大なるマンネリの効用2

作業に語らせる:輪くさり

認知症のある方は
作品作りでもゲームでも
ADLではない、何らかの余暇活動をする時には
「やり方を聞いて・理解して・覚えて・その通りに実行する」という
近時記憶が低下している方には至難の技を要求されます。

毎回毎回、異なる余暇活動に参加して
「楽しい」と感じることができるのは
「プラスの刺激」として楽しめるのは
かなり余力のある方だと思います。

やり方を聞いても理解できない
聞いたはずのやり方を覚えられない
実行しようとしても違うことはわかるけど、ちゃんとはできない

このような状態であれば
楽しいどころか、辛いだけです。

マンネリであったとしても
同じ活動を繰り返すことのメリットは
認知症のある方に再認を促しやすい
ということです。

そして
私たち援助者の側にしてみれば
同じ活動を繰り返すことで
認知症のある方の変化がわかりやすい
小さな変化も見逃さずに捉えやすい
ということもあります。

やたら怒りっぽい、多動になる
というような言動が見られた時に
実は発熱などの前兆だったということも多々あります。

マンネリは良くない
というのは、単なる私たちの思い込みです。

マンネリという状態には
プラスもマイナスもなく、ただ事実があるだけ
その事実をプラスの方向性に活かせるかどうか
それは、私たち次第なのだと考えています。

 

 

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